電子政府関連システム調達における安値落札の問題点 31
ストーリー by wakatono
別に電子政府に限った話でもなかろ 部門より
別に電子政府に限った話でもなかろ 部門より
k3c 曰く,"経済産業省のプレスリリースによると、官公庁や地方自治体の情報システム受注において、極端な安値で落札する業者が増えている。システム関連の受注は一度とってしまえばメンテナンスなど次年度以降の受注もなし崩し的に確保できるため、とにかく安値で落札し、次年度以降の継続受注で元を取るという作戦らしい。お役所も見るに見かねて落札方式の変更やJV方式の導入、中小企業の入札参加資格制度の見直しなど進めていくらしい。詳しくはこちら(PDF)を参照のこと。
要するに、現行の方式では技術点を価格で割り算して落札業者を決めており、とにかく安ければほぼ間違いなく落札できるようだ。今後は加算方式による評価やライフサイクルを見越したトータルコストで落札価格を決めるなどの解決案が挙げられている。
そんなこんなで、将来的には資金力に乏しい中小企業やベンチャーなどが落札しやすくなり、市場は公正になるかもしれませんが…果たしてそれはいいことなのでしょうか?電子政府のシステムの一部を作った業者がその後倒産とかしたら、後を引き継ぐ企業は、モノがシステムだけに大変なことになりそうな気がしますが…まぁ大企業が落札してもパーツごとに中小企業へ再委託されたら、結局同じことか…。"
大企業がシステム構築を引き受けるのは、一種の保険という見方もある。また、あえて構築システムのソースコードをオープンにして、万が一のときでも保守が継続できるようにという見方もある。どれももっともと言えばもっともなのだが…
単年度主義が諸悪の根元 (スコア:4, すばらしい洞察)
なおかつ、単年度でそれなりに動くものを納品しないといけない。
しかも、業者選定は夏までずれ込んで、3月末納品実働半年というトンデモスケジュールになる。
当然2年目以降は、継続案件扱いとなって任意契約で入札は行われない。
しかも、ハード/ソフト一括発注。すると、初年度真っ赤でも、次年度以降で回収可能だし、継続案件で費用はいいなり。初年度は期間が短いのを言いわけに一部のハード納品で逃げを打つ。
かわいそうなのは、単年度スケジュールで辻褄あわせのソフトを作らされる下請業者。
せめて、ハードなし要件定義で1年使って、それから3年契約で開発を入札し、運用は再度入札とすれば、抜け道も減って開発効率も高くなると思うのだが。。。
プリンタと同じ (スコア:2, 参考になる)
プリンタでよく見られる方法ですね。
かなり高性能のプリンタでも、本体価格は非常に安い代わりに、
インクカートリッジなどの価格が高めに設定してある、
というのはよくあることです。
朝三暮四、というのは正にこのこと。
基本的には良いこと (スコア:2, 興味深い)
極端な例ですが、大手の企業と呼ばれる方々が格安で受注、いい加減な仕様やスケジュールで関連会社や下請けの企業に丸投げ、ぼろぼろになり、投げられた方はぎりぎりの利益どころか赤字を出して潰れそう。
こういう状態を作る温床になっているから、現状ではいろいろな会社に門戸を広げるのは悪くないことだど思う。
はは... (スコア:2)
http://www.piximg.com/
問題は... (スコア:2)
デファクトができちゃってて、おんなじだったら 価格安いほうに.....。
という流れが実態ですよね.
思い切った提案なんてこんな時代にはもう無いだろう.
http://www.piximg.com/
地域経済停滞の一理由(Re:基本的には良いこと) (スコア:2)
で、「どこそこはこれこれの単価で受けたらしい」「地元で零細規模だから仕方ない」とかの「噂」が流布されると、結局地元の仕事単価はずんずん下がっていく。が、ちょっと規模の大きな仕事が入ると大手がゴ*ブリのように寄ってきて、高い単価で落札してしまう。ところが、実施された仕事の内訳を見ると、下請けで地方の零細事業者が作業していて、単価は結局値切られる。利潤は都会と大企業に大部分持っていかれ、地方の経済は企業と行政と安直な発想の市民によりどんどん低落していく。
つまり、単価の安い仕事しかない状況を自ら作ってしまっている。
思うに、公共事業をはじめとして、投資効果を適切に見積もれるような仕掛けと、適当な受注額について裏付けと根拠を公正に求める意識がないと、表面だけの改革なんて新たな問題を生み出すしかないので。
事業の評価システムについては、単に価格だけではなくて事業のもたらす地域経済への影響についても考慮したものであってほしいです。
高ければいいってこともないし、安ければいいってものでもないんです。
-- (ま)
Re:鬼が笑わないように (スコア:2)
2年ほど前,さる市役所から,B2Cコマースサイトのテンプレートを
作ってくれという依頼があったんですよ.
非常に小さいシステムで,すぐにでも書けるやつ.だから値段も安価.
そのテンプレートを無償配付して,小規模事業支援に使うのだと.
ワタシは,それは良いアイディアだと思って,受注しかけたのですが....
納期はなんと2年後.(つまり今現在頃)
2001年にもなって零細企業がB2Cなんてノコノコ始めてもダメじゃ~ん
つーか,そのテンプレートが配付されて実動するのは,ヘタすりゃ2002年頃...
....ちゅーわけで,鄭重にお断りしました(笑
どうせ,コケたらオレのせいにされちゃうに決まってるもんな.
しかし,2年後はないだろ....
Re:蛇足 (スコア:2, 興味深い)
>通らないので、4月になってから入札準備をすると、
>前の書き込みにもあったけど、入札できるのがまま9月
>だったりします。
うん.市役所の担当者も,そんなコト言ってました.
そこでワタシは,当時,こう提案したの.
“どーせ無料配付だったら,ワタシもタダでやりましょう.
その代わり,ソースは完全公開.誰でも利用できるようにね.
それと,2001年には零細B2Cは厳しくなるから,今すぐに始めさせてね.
そうすれば2年のスキル向上期間が取れるから,簡単には潰れない体力がつく.
追々,セミナーもトレーニングも必要だけど,それもタダでいいよ”
#ま,テンプレートを実動させるには,サイトのデザインやコンテンツを
#編集する作業が不可避に出てくるので,その一部でも掬えれば,
#ワタシ的には充分ペイするのね.どーせ笑っちゃうような簡単なコードだ.
#しかも誰も不幸にならない.仕事を回してもらおうという下心もない.
でもダメでしたね.却下.なんか,水面下で,おかしな利権が
絡んでいるような雰囲気もあった.
“誰も不幸にならない”と思ったのは勘違いで,不幸になる奴って,
居たんだよ.つまりは,役所に寄生して仕事をタカっているハイエナ達.
役所って,結局,組織的に無駄金(=血税)を使いたがってるんだな.
....あのテのオバケたちと一緒に仕事なんて,金輪際,御免こうむるね.
漢のやることじゃない.と,自分は思う.
Re:基本的には良いこと (スコア:1)
まさにゼネコン業界の現状ですねぇ。大手が予算も決めずに下請けに着工させて、後で予算決定した時点で下請けは赤字確定とかいう話はザラらしいですからね。
うーん。 (スコア:1)
-- LightSpeed-J
むか~しむか~しもそんな話があったような (スコア:1)
Re:基本的には良いこと (スコア:1)
デファクトがオープンになったとき (スコア:1)
官公庁が囲いこまれないように、チェックしていかねば。
場当たり的 (スコア:1)
しかも、下請企業管理だの SLA だのって、場当たり的にすぎる。
共通フレーム(SLCP-JCF98)を適用するとか、その方法を見直すとか、そういうことからはじめて欲しい。
政府の人にも標準的・包括的な視座に立ってほしいな。
こんな話も (スコア:1)
東京都庁商談の750円落札」にインテグレータ大手首脳が相次ぎ苦言
実験案件の1万円入札が奏功かNTTデータが電子納税システムを落札
適正価格って難しいと思うけど内容や技術、精度を無視して
なんでも人月で見積もるのはソフト業界の悪い癖かと思う。
(じゃぁどういう見積もり方をすれば良いのかと突っ込まれると答えに詰まるけど・・)
重蔵。
鬼が笑わないように (スコア:1)
>なおかつ、単年度でそれなりに動くものを納品しないといけない。
納期の話を聞くたびに、eXtremeProgrammingやバザールモデルの
「小さなリリース」のことを思い起こしてしまう。
年単位とか、硬直してると困るよね。
作る製品「の為になる」ような開発日程を組まないと製品の品質を最適化できないってのは、
ある意味で自明であるような気がするなあ。
なんぼ他の事情が有るとは言っても、製品そのものから見れば
それは言い訳にしかならんわけで。
それとも最適でない製品を納入しても怒られない世界なのかな、そこは?(笑)
平たく言えば、「無理が通れば道理引っ込む」。
役所にシステム部門 (スコア:1)
ハード・ソフトや常駐候補人材の選定等も役所の人間にやらせる。
非現実的だけどね。できないからSIに一括発注してるんだし。
人月契約だから要らなくなったらお払い箱。
いつ切られるか分からんから破格の安値で受注なんてした日にゃ、利益なんて出やしない。
人月契約で旨みがないから大手企業が手を出しづらくなるだろうし、中小企業の優れた技術者も役所の仕事ができるかもしれん。
# 役所の仕事をしたいと思ってる技術者がどれだけいるかは疑問だが
根拠のない思いつきの適当な投稿なのでフレームの元にしといてください>モデレ
Re:役所にシステム部門 (スコア:1)
一般企業相手でも各部署の無理難題を捌くのが大変なのに
役所の部署が相手なら・・・・ ([笑])
ここから余談:
役所の業務なんてどの自治体でも同じなんだから
1カ所で作って配布したら終わりだと思うんですけどね。
(同じ業務,同じ管理体制なんだから...)
・中央省庁で5年くらいかけて「自力開発」して配布したほうが
なんぼか安いしメンテも楽。
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:役所にシステム部門 (スコア:1)
そのほうが安上がりな上に、失業対策にもなる・・・・・かも。
Re:プリンタと同じ (スコア:1)
実際はそんなに難しい話でなくて、庶民がやるように、トータルで安いところにすればいいだけな気がする。
rm -rf /bin/laden
Re:役所にシステム部門 (スコア:1)
# 最近フリーな方が増えてきた気がする(気のせい?)
ようするに官公庁主導の談合がしたいだけ (スコア:1)
最初にだまされてしまった人は、「一円入札」とその後の利益と、お役所思う妥当な額での引き続いての落札、のどちらが結局額が小さくなるか考えてみましょう。結局のところ、システムの継続性から最初に落札したところにしか頼めないわけでしょ。
Re:こんな話も (スコア:1)
機能の量(や複雑さ)などで見積もるFunction(Feature) Point 法とかもあるけど、
なかなかうまく適用できない面があったりして、
実際はまだこれからの手法なのかもしれません。
それに、顧客がその方式での見積もりに理解を示すかどうかもポイントですね。
masamic
Re:場当たり的 (スコア:1)
気がするのですが・・・
# 気のせいかな?
Re:蛇足 (スコア:1)
図星.確かにそう言ってましたよ.他にお金のつかいどころは
一杯あるのにねぇ(笑
たとえば,Dreamwaverを希望者人数分ライセンス.とか.そうも言ったの.
1999年当時の初心者でも,2年もB2Cで揉まれれば,2001年の今には
サイトの更新,商品の入れ替えぐらい,できるようになる.できなきゃいけない.
ま,ユーザに自分で更新されたんじゃ,オマンマの食い上げになる業者も
居たんでしょね.
Re:単年度主義が諸悪の根元 (スコア:1)
開発と運用で別入札にされても、余所が作った得体の知れない(オープンってことはないだろう)システムを(金になるとはいえ)運用したいと思うところがどのくらいあるのか興味があるところです。
トラブルの理由 (スコア:0)
なんかアヤシイ? (スコア:0)
政府関連団体や役所自身の技官の人で、ここいらの正確な見積もりを出せる人って、いないとはいわないが、どこに何人いるのかな?ほとんど似たり寄ったりのシステムだろうと思うが、新しい技術ががんがん入ってくると、なかなか正確な見積もりは難しいこともあるんじゃないだろうか。ましてや「適正価格」の割りだしはとても難しいと思う。
単純に「安い」だけでも取ってかまわないと思うよ。1円入札だっておっけー。だって、ボランティアでやってくれる企業だって、あっていいじゃないか。できるのであれば、ね。
なのにこんなこと言い出したのは、その安さに悲鳴をあげた某大企業のエライさんが、政治家を通して「自分のところは適正価格なのに、なんで入札で落ちたんだ?」などと騒ぎだしたか、そういう騒ぎが起こる前に、役人が天下り先とひそかに(おおっぴらに)決めていた企業から文句が出そうだったから、あわてて考えたことなんじゃないか?
公開入札、おおいに結構。落札価格が異常に低くても、おおいに結構。企業の台所まで役所が感知する必要はないね。だから、これはきっと「ウラのある」談合モドキがされている可能性がとっても大きい。
調査とタレコミで告発すべきだな。
Re:うーん。 (スコア:0)
蛇足 (スコア:0)
時期です。(省庁はもっと早い)何を考えているかというと、
来年度の予算ですから納期は来年度末、すなわち再来年の
3月です。
来年度の予算は3月に議会で決まります。予算が確定し
てないのに買っても良いかという稟議は通らないので、4
月になってから入札準備をすると、前の書き込みにもあっ
たけど、入札できるのがまま9月だったりします。(1年前
の仕様から変えなきゃならないところを確認して見積もり
取り直したり、WTOの公告期間があったりして)納期を早く
設定できることはまずないです。
そして、話から納期まで2年近い時間がかかるのではな
いかと…
予算編成が単年度主義の典型的弊害だと思います。
Re:蛇足 (スコア:0)