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救難飛行艇「US-1A改」初飛行に成功 46

ストーリー by Oliver
太平洋の救急車 部門より

SS1 曰く、 "救難飛行艇 US-1A改 試作1号機が18日,その初飛行に成功したことが分かった。場所は六甲アイランドの東で,飛行時間はおよそ15分だった。 同機は11月19日から水上滑走試験を開始し,3月中旬まで飛行試験を行う。納入は2004年3月末の予定だ。 同機は 海上自衛隊 に現在配備される 飛行艇 US-1A の後継機で, 新明和工業 が開発したもの。 ほぼすべて新規に設計された同機は与圧区画を持ち,飛行高度が足らず,これまで迂回していた暴風等をその上空を通過することで,より早く患者を急送できるようになる。 同機は今年4月22日に ロールアウト し初飛行は当初8月の予定だった。初飛行を待つファン達をやきもきさせていた。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Oliver (4) on 2003年12月19日 22時43分 (#458381) ホームページ 日記
    この期待の現役型である救難飛行艇「US-1A」は見た目と違って、実はかなりすごい機体です。世界で唯一、波が数m以上もある荒海に着水して、また再び離水できる飛行艇です。そのため、エンジンがとても高いところにあり、推力を直接翼に吹き付けて単距離で離水できる仕組みを備えてたりします。

    このため、陸から遠く離れた海上や離島の事故/急病ではUS-1Aがあるからこそ命が助かったケースが少なくありません。漁船の網で腕を切ってしまったのが、無事に腕を再縫合できたり、客船上で脳内出血したが即日入院できで後遺症が残らなかったり、漂流者が間一髪で救助されたり。巡視船で駆けつけたら数日かかるところもUS-1Aだと岩国基地から数時間です

    ただ、航続距離の都合があり、最遠でも硫黄島から片道2000kmまでしか出動できません。以前、岩国基地で見学した時(デカい!専用シミュレータにも乗せてもらった)に隊員から聞いたところによると、グアム/サイパン経由でなら到達できただろう救援要請も海外派兵扱いになるので、許可してもらえず、無念にも出動を断念したことがあるそうです。

    実際、海外からもこの機体に関する問い合わせが多く、パイロットごと買いたいという石油産出国もあったそうですが、日本は軍事物資を輸出しないことになっているので売れないそうです。この機体が世界の沿岸国に配備されれば、年間で1000人以上の人が海で助かる可能性が高いにもかかわらず、です。

    また、昨春、小笠原にいったときに、たまたま急患が発生し、目の前でUS-1Aが実際に離着水するところを目撃しましたが、巨大な飛行艇がわずかの滑走距離と時速100km/hという低速で水から浮き上がり、空に去っていく姿は感動ものでした。現地の人によると、全島で聞こえるUS-1Aの音は急患を意味する不吉な音で、お年寄りのなかには「あれに乗ると島に帰ってこれなくなる」という人もいるそうですが、実際には診療所はあれど病院施設のない小笠原の命綱で、すごく助かっているそうです。島民の大半はUS-1Aに親しい人の命を救ってもらったことがあるとか。

    技術だけでなく、役割的にも世界に誇れる機体なので是非とも法整備をしてでも輸出して世界中で活躍して欲しいところです。

    # 自分が掲載した記事でもUS-1Aのファンなので発言
    • by numa (4467) on 2003年12月20日 4時05分 (#458537) ホームページ 日記

      一応補足.US-1A を装備する第71航空隊は,本来岩国基地の所属ですが, 小笠原方面の救難任務に対応するため, 厚木基地に分遣隊を派遣しております. 東京都知事の要請で厚木から出発した救難機は, 小笠原で患者を収容し, 羽田で患者を降ろして病院に収容し, 厚木に帰投します. そのような業務に対応するため,水陸両用となっております. (US-1 の前身の PS-1 は純粋な飛行艇で,陸上への着陸はできません.)

      ちなみに,航空自衛隊にも航空救難団という組織があります. 数年前, 日本海でロシアのナホトカというタンカーが沈んだときは, 小松基地の救難ヘリが嵐の中,生存者を救出しました. 救難任務はあまり知られていませんが, とても重要な任務なのです.

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2003年12月20日 1時01分 (#458456)
      ・US-1は対潜哨戒機PS-1の救難機版(だから軍事物資扱い?)
      ・離着水が極めて低速で,かつ救難機という性質上悪条件下で
       運用されるのでUS-1の喪失機数は自衛隊機としてもかなり
       多かったはずです(US-1A改では離着水時の安全性も向上する
       そうです)
      親コメント
    • US-1と小笠原というと「男たちの旅路」の最終回で漁船の灯りで照らされた港に着水するというシーンが思い起こされます.

      実機は厚木基地所属のやつが時々家の上を飛んでいくのでよく見ますが, 白とオレンジの巨体(P3Cなんかと比べても大きい)が独特の「べい~ん」という爆音と共にゆったりと飛んでいくのは, なかなか味のある光景です.

      親コメント
    • 洋上に不時着・漂流していた米軍のパイロットを救助して
      米軍から表彰されたこともありましたね。
  • by Anonymous Coward on 2003年12月20日 3時13分 (#458518)
    US-1Aの部品を作ってます。
    操縦桿周りや、ラダーペダル、燃料配管、レーダードーム取り付け基部などのアルミ部品ですが、製作してます。
    実際に何度か鋳造&検査(浸透探傷、X線撮影含む)をしたことがあります。
    昭和40年代頃の設計図とにらめっこしながらでしたが、寸法の単位が”インチ”でしたので”ミリ”換算が面倒でした。
    US-1A改は複合材を多様するとかで、アルミ部品の使用率も下がり弊社への注文は無くなったみたいです。(コストと軽量化ですかね?)
    年間1・2機のペース+保安部品の生産は結構大変なんで、個人的には助かったと思ってますが・・・

    東京消防庁への納入もあったと聞いてます。お腹に海水を汲んで上からばらまくらしい
    • by Anonymous Coward
      >東京消防庁への納入もあったと聞いてます。お腹に海水を汲んで上からばらまくらしい
      この手の用途に4発機ってのはなんとも豪気ですね^^;
  • US-1というと何かと引き合いに出されることの多い二式大艇ですが、現在東京台場の船の科学館 [funenokagakukan.or.jp]に展示されているT-31号(現存する唯一の機体です)は近々鹿児島に分解された上で移送されます。譲渡式は今月17日に既に行われました!
    近くにお住まいの上、興味がある方は大急ぎで見に行きましょう!

    こんな小ネタがあったので引用
    US-1は陸上に着陸できたが陸上から発進できなかった。
    スロープのない飛行場に着陸したときはクレーンで海に浮かべて離陸させた。
    羽田に降りたときはスロープのある木更津までタグに引かれて帰っていった。
    真の水陸両用機になったのはUS-1Aになってから。

    http://yasai.2ch.net/army/kako/1004/10041/1004184252.html
  • by kazzu (18916) on 2003年12月19日 21時49分 (#458358)
    機体が大きいせいか飛んでるとことをみると
    まるで進んでないように見えるUS-1ですが

    性能 [jda.go.jp]はなかなかで
    速力でも海上保安庁のビーチ350
    と大差なかったりします
    [mlit.go.jp]
    • by Anonymous Coward on 2003年12月20日 3時38分 (#458526)
      Us-1はもっとも遅く飛べる飛行機(艇)という
      触れ込みがあったようですが、新しい方の低速
      性能はどうなんでしょうね、

      救難捜索機はみんな性能アップ高速化により
      遭難者を目視で見付けることは無理でレーダ
      に頼るしかなく遭難者がリフレクターかなにか
      付けてないとかなり見付けにくい状況です。

      まぁそれでも良いんですけど。進出は高速、
      捜索、その他作業は低速というのは結構大事
      だったりします。
      蛇足ですが
      空自のUH60の導入当初、MU2よりスピード
      が。。。という話しを聞いたよーな聞かなかった
      よーな、

      なんかうまくかけなかったんでAC
      親コメント
  • by copper (2040) on 2003年12月19日 22時41分 (#458379) 日記
    「~は悪の組織に改造され、云々」
    みたいな面構えだと前々から思っていたのですが・・・

    そう思いません?^^;
  • by karasu (5537) on 2003年12月19日 23時02分 (#458393)
    試作機だからですよね。
    自分としては、あの配色で水上艇というところが、
    見た目と機能が一致していて美しく思えるもんで。
    早く、あの配色のUS-1A改が観たいなぁ。

    #航空ショーでUS-1Aばかり撮ったことがあるのでID
  • by Anonymous Coward on 2003年12月19日 23時24分 (#458405)
    http://www.bocho-shinbun.com/special-report/us1/us1akai-1.htm

    > 中島洋次郎元防衛政務次官に関する贈収賄事件だった。協力会社の
    > 一社だった富士重工の前会長、前専務が逮捕された。防衛庁との1
    > 年間の取引停止の制裁措置を受けた同社はプロジェクトチームから
    > 外され、計画は2年間とん挫した。
  • by Anonymous Coward on 2003年12月19日 20時52分 (#458321)
    ほぼすべて新規なのに?
    ずいぶん控えめですな。
    番号くらい2にすればいいのに。
    • Re:改? (スコア:2, 参考になる)

      by ultra_hawk_1 (13626) on 2003年12月19日 21時14分 (#458330) 日記
      US-2とか、US-1Bの名称がつくのは、海上自衛隊に正式採用されてからじゃないんですかね。
      (今のUS-1は改良して、全部US-1A仕様になっているので、US-1の続きだったらB以降でしょう。)

      航空自衛隊の方ですが、練習機T-2を改良して作った支援戦闘機・三菱F-1も、最初は「FS-T2改」(Fighter/Support)って呼ばれていたし。

      なんにせよ、大型実用飛行艇の歴史が、日本で続いていく事はめでたいと思います。
      親コメント
    • by wildgeese (6569) on 2003年12月19日 21時58分 (#458364)
      新規開発となると予算がおりないという問題があるようです。
      陸上自衛隊の73式小型トラック(ジープライセンス生産車)も三菱自動車の
      生産終了で新型(パジェロベース)になっていますが、型式は同じ73式小型
      トラックのまま。
      親コメント
      • by tmiura (6268) on 2003年12月20日 0時04分 (#458427) 日記

        逆に、この機体の場合は形式を変えた方が輸出 (→増産→コストダウン)できるようになって 長期的にハッピーになったりしないんでしょうか。

        US-1Aが武器輸出三原則の対象になるのは US-1がもともと対潜用として作られたからですよね?

        形式を新たにして出自から「救難飛行艇」ということにすれば 武器ではなくなるので輸出できるようになるんじゃないでしょうか。

        親コメント
        • この飛行機はものすごく用途が特殊なので、仮に輸出がOKに
          なったとしても、それほど売れません。
          この手のヒコーキを持てるほどのお金がある国となると先進国
          か産油国くらいです。
          (世の中の大半の国の航空戦力は、米海軍の航空母艦1隻にも満
          たない) そして、こういう機体を10機単位で買ってもしょうがないので
          (第一、海自でさえ10機も持ってない)一国で買っても1機か2機。
          よく売れたとして、10ヶ国程度にそれぞれ1~2機。
          総生産機数は50機に届かないでしょう。
          となると、数を出すことによるコストダウンは、望み薄です。


          確かに、世界で一番優秀な飛行艇(と言っても過言じゃない)な
          のですが…
          --

          ----------------------------------------
          You can't always get what you want...
          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2003年12月20日 16時40分 (#458702)
            追加

            さらに飛行艇は維持費が結構かかるんですねー
            なんせ船を飛ばす訳ですから。船なら多少塩害
            とかあってもいいけど、飛行機としてはなかなか
            その辺がシビア、まぁ救難用のヘリなんかも海面
            近くまで降りて行く事もあるんで、そういったとき
            は水洗したりしますが、飛行艇だと多分毎回洗っ
            てるはず、それでも部品の寿命とか短いんじゃ
            ないかなぁ特に外国だと部品の入手性もあるし
            ずばり維持費の高さを考えるとちょっと引いちゃう
            ような気がします
            親コメント
      • 宇宙関係の例で申し訳ないが、
        H-I将来型(H2のこと)とか
        1号機と2号機で別物のJ-1とか
        J-1 upgrade(J-2、現GXロケット)とか
        H2A(H2とは別物でしょう)とか
        地球観測プラットフォーム技術衛星(みどり)と環境観測技術衛星(みどり2号)とか
        MS-T5とPLANET-A(同型のハレー彗星探査機)とか
        この国には、予算の都合等で偽りの名前をつけることが多すぎると思う。
        戦艦大和の46cm砲が九四式四〇サンチ砲と呼ばれた時代から感覚が変わっていないのでは?
        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2003年12月20日 13時24分 (#458657)
        式番号は「仕様」であって、型番ではありません。 たとえばここで出ている73式小型トラックは、 そのベースがパジェロだろうと、ランドクルーザーで あろうとかまわなくて、73式小型トラック仕様を 満たしているなら、それでかまわないのです。 あとは、どこが入札するかという話。むかしは殆どが 随意契約だったので、式 -> 特定の製品を指すみたいに なっていましたが。本当は違います。
        親コメント
        • なるほど、ミニタリーウォッチで言うと、A-17Aみたいなものか。

          私が復刻版を持っていたのでこれを連想したが、A-17Aはハミルトン製等は通常の12時間時計(短針1周12時間)だが、エルジン社製のA-17Aは24時間時計(短針1周24時間)となっている。
          日付変更線を超えて飛ぶ長距離爆撃機のパイロット向けにエルジン社ではこうしたらしい。
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    • by h-fujita (19233) on 2003年12月19日 21時21分 (#458334) 日記
      先例にならって「改」にしたんではないでしょうか? 「改」にこだわるのは、わかる気がします。。 (紫電と紫電改のように、、、)
      親コメント
      • by shinshimashima (9763) on 2003年12月19日 21時23分 (#458340) 日記
        それだったら「乙」とかつけるほうが・・・って英数字の型番に甲乙丙丁ってのは似合わないか。
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        • by Anonymous Coward
          川西->新明和
          だから、前例に倣って…となる。
          • by Anonymous Coward
            前例に倣うなら、陸上機にならないと。
            • by Anonymous Coward
              紫電は、陸上機
              紫電改も陸上機
              この前例にならうと、飛行艇は飛行艇のままということでOK
              • by Anonymous Coward
                ごめん、まちがえた。 強風->紫電->紫電改なので、紫電改でOKですね。 まあ、US-1A改もSH-60J改->SH-60Kみたいに US-1BとかUS-2とかに量産はなるんじゃない?
        • by Anonymous Coward
          >それだったら「乙」とかつけるほうが
          そういえば零戦には甲乙丙が [warbirds.jp]ありましたね。他の形式でどうかは知りませんが。
          52型丙はプラモで作ったなあ。
    • 救難機の型式なら (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2003年12月20日 10時49分 (#458610)

      60 年代生まれとしては "US" よか "TB" [tbjapan.com] だな、やっぱ。

      # 可倒式の椰子の木を岩国基地に設置するとたぶん隊員の士気が上がるぞ(w。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      US-1A第2チャンネル
      • by Anonymous Coward
        となるとバリエーションモデルは US-1ch.tv ?
  • by Anonymous Coward on 2003年12月19日 21時22分 (#458337)
    新明和って聞くと理髪店の洗面台を思い出す・・・ ってもしかして三菱鉛筆見たく全然無関係な会社ですか?
    • Re:新明和か (スコア:2, おもしろおかしい)

      by parsley (5772) on 2003年12月19日 21時26分 (#458342) 日記
      うっかり明和電機 [hatena.ne.jp]の継承会社かと思ってしまいました。
      --
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      親コメント
      • Re:新明和か (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2003年12月20日 4時32分 (#458543)
        「明和電機」は、彼らの父親が経営していた会社の名前で、「明和」
        の部分はその父親がかつて新明和工業に務めていたことに由来します。

        だから、まったく関係ないわけではありません(名前だけですが)。
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      • by Anonymous Coward
        木魚とか付いてるんでしょうね。
        #魚コードは夜に危ないのでAC
    • Re:新明和か (スコア:2, 参考になる)

      by jyl2142 (17995) on 2003年12月20日 2時38分 (#458503) ホームページ 日記
       新明和は昔『川西飛行機』という会社で、有名なところでは水上戦闘機・強風を作り、それの陸上版の紫電、さらにその改良版『紫電改』を作った会社です。『ゼロからの栄光』城山三郎著に詳しい話が載っています。  今お台場の『船の科学館』にある2式大艇もこの川西の製品です。重武装で米軍の同等の哨戒機と撃ち合いになって勝ったり、300発近く機銃弾を撃ち込まれても帰ってきたり、真珠湾攻撃の後にもういちど真珠湾を爆撃したりした優秀機でした。  戦争中は全工場で紫電改を作っていたのですが、そのために終戦時にはGHQにツブされることになり、飛行機事業の技術者をまわしてスクーターを作ったり、自動車に取り付けるクレーンなんかを作るようになりました。PS-1・US-1はその飛行機会社としては苦しかった時代を超えてつくった製品です。
      --
      http://www005.upp.so-net.ne.jp/jyl/index.htm
      親コメント
    • by ultra_hawk_1 (13626) on 2003年12月19日 21時44分 (#458355) 日記
      関連会社みたいですよ。

      新明和工業株式会社内のグループ紹介 [shinmaywa.co.jp]。

      新明和リビテック株式会社 [shinmeiwa.co.jp]。

      素晴らしく紛らわしいドメイン名ですね。
      親コメント
    • by kawauso (5796) on 2003年12月19日 22時16分 (#458369) ホームページ
      電動のギミックのあたり技術が入ってそうですね...

      トラックなんかで、ウィーンっつってものを上げる
      台がありますが、あれなんかも主力製品のひとつみたいです。
      親コメント
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身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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