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10033 story

硫化水素でマウスの人工冬眠に成功 12

ストーリー by Acanthopanax
zzz 部門より

torly曰く、"中国新聞の記事によると、フレッドハッチンソンがん研究センターロス博士らがマウスを人工的に冬眠状態にすることに成功した模様です(BBCのより詳細な記事(英語)/本家記事)。実験で80ppmの硫化水素に晒されたマウスは、代謝速度が90%下がり、呼吸数も10回/1分未満に落ちました。6時間経ち、通常の環境に戻された後は正常に戻り、後遺症を示しませんでした。"

論文は、Science誌に掲載(要登録)されている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 応用分野 (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2005年04月23日 12時38分 (#726844)
    フレッド・ハッチンソンがん研究センターのプレス・リリース [fhcrc.org]です。
    この類いの話になると、有人恒星間飛行のための人間の人工冬眠の話がすぐに出てくると思いますが、このプレス・リリースによると、ロス博士らは以下のような応用も考えているようです。

    ・ガン治療
      酸素を必要としないガン細胞を治療しようとすると、周りの健康な細胞を必要以上に傷つけてしまいます。周辺の細胞の代謝を落とせば、もっと有効な治療ができるかも。

    ・臓器移植
      代謝を下げれば、体外で臓器を長時間にわたって生きたままにすることができます。

    ・高熱患者の治療
      人間は高熱が続くと脳を損傷します。現状ではERに運び込まれた患者は氷の中で体温を下げられていますが、代謝を下げて体温を低下させるならば凍傷の危険もありません。

    個人的には、思ったより応用分野がひろいんだなあと感じました。
  • 冬眠? (スコア:2, すばらしい洞察)

    by yutarine (14862) on 2005年04月23日 14時21分 (#726884) ホームページ 日記
    > マウスを人工的に冬眠状態にすることに成功
    マウスって自然には冬眠するんでしたっけ?

    人間などの冬眠しない動物を強制的に冬眠させたら、ちゃんと
    起きるのでしょうか?それこそ後遺症が心配…、というかそのまま
    永遠にお眠りになりそ…。

    #うちのノートPCもサスペンドしたら、ちゃんと復帰できないことが
    #あるので…。
    • by torly (3670) on 2005年04月23日 16時51分 (#726917) ホームページ 日記
       ソースに挙げたBBCの記事に書いてありますヨ。

      Mice do not normally hibernate, but they can reach a similar state called clinical torpor in conditions of food deprivation.

      適当訳:マウスは通常冬眠しません。しかし、食餌欠乏の状況下では似た状態(臨床的にtorporと呼ばれる)になります。

       それだけではアレなので、冬眠についての簡単な解説 [hamegg.jp]を。上で触れられている「臨床的に…」は日内休眠 [hamegg.jp]を指しているのではないかと思われます。
      親コメント
      • あ、ソースに書いてあったんですね。すみません、英語をみると読み飛ばしてしまう癖がついてまして…(なんとか直さないと…)。

        なるほど、マウスがある条件下で起こす日内休眠を硫化水素を用いることで人工的にその状態にすることに成功した、というみたいですね。

        ありがとうございました。
        親コメント
  • 後遺症を示さなかったって、どうやって判断してるんだろう?
    --
    屍体メモ [windy.cx]
    • by teratera (19792) on 2005年04月24日 12時49分 (#727306) 日記

      SHIRPAテスト [springerlink.com](リンク先はオリジナルの論文概要)と呼ばれる、変異体マウスの異常に関して評価するテストがあります。論文中ではそれを用いて評価したと述べているので、少なくとも最低限度の確認はされていると言うことでしょう。
      行動そのものが正常か(primary screen)、異常があるのであればバランスととれないのか、飲食行動に異常があるのか、といった細かい表現型特徴を調べ(secoundary screen)、その細かい異常の原因が神経異常か、酵素レベルの異常か調べる(tertiary screen)テストで、1997年に提唱されて今回も用いられていると言うことはそれなりに実績のあるテストではないかと思います。

      親コメント
    • 「ダブルクリックもドラッグも出来た」とかじゃないの?
  • by tamaco (19059) on 2005年04月25日 0時52分 (#727500)
    動脈血温について、
    脳低体温療法では32~33℃を数日
    心臓血管手術における超低体温では17℃2時間程度で
    脳血流完全停止。

    でも体にかなり負担をかけて免疫力が大幅に低下します。
    具体的には肺炎等にかかってしまうようになります。

    成長ホルモン [naoru.com]などの対処方法もありますが、
    そういったことはこれから研究されていくのでしょうね。
  • by Anonymous Coward on 2005年04月24日 1時00分 (#727141)
    体内の硫化水素が増えて冬眠できるんだ!
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192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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