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医療

花王が「エコナ」全製品の出荷・販売を停止 129

ストーリー by hylom
ほかの同様な油脂製品はどうなのだろうか、 部門より

usagito 曰く

花王は、食用油などの「エコナ」シリーズについて、全製品の出荷・販売を停止すると発表した(プレスリリース毎日jpの記事)。製品中に含まれるグリシドール脂肪酸エステルが、発癌性のあるグリシドールに変化する危険性が指摘されているため。

エコナは、脂肪をつきにくくする効果があるとして特定保健用食品にも指定されている花王のヒット商品。asahi.comの記事によると、製品を改良したうえで来年2月にも販売を再開したいとのことだ。

花王によると、一般的な食用油に含まれるグリシドール脂肪酸エステルは0.00005~0.00091%。いっぽう現行のエコナクッキングオイルでは0.00910%と、一般的な食用油の約10〜200倍の量が含まれているとのこと。ただし、現状ではグリシドール脂肪酸エステルがどの程度グリシドールに変化し、またどの程度人体にとって有害なのか定量的な情報はまだないとのこと。

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  • やっと陥落 (スコア:5, 参考になる)

    by pongchang (31613) on 2009年09月17日 11時08分 (#1640905) 日記
    食品安全委員会の審議の経緯から、若干の腫瘍の増加は、遺伝子改変実験動物に対する投与試験で認められる物の例数が少ない事から、大きな問題はないだろうという纏めを、8/24 [fsc.go.jp]の食品安全委員会新開発食品(第62回)・添加物(第75回)合同専門調査会で行う予定であった。
    しかし、7/22に問題のグリシドールエステルが高濃度で含まれることが、花王から報告された。
    「グリシドールエステル類が K 社製品中に総計で約370ppm 含まれていることが同社より報告されたとの厚生労働省から2009 年7 月22 日の当該調査会に対してなされた報告の内容(当日配布資料1~4)は、本評価書の根本に関わる重大な影響があるものであると考える。資料5:(菅野専門委員提出資料)[PDF [fsc.go.jp]]」
    発表、公表、回収の機会は約50日以上前からあった筈なのに、内閣組閣で紙面が塞がれるタイミングを見計らうのは、誠意を欠くと言われてもしかたない。
    そもそも、DG(ジアシルグリセロール)そのもの以外にも、動脈硬化を促進するかもしれないとされる、トランス型脂肪酸[pdf [fsc.go.jp]]が、「総トランス脂肪酸が5.2 %と、他の日本で市販されている植物油の0.4 から2.3 %と比べまして、高濃度に含まれている」という懸念 [exblog.jp]もあった。
    ダイエットソーダを飲んでいる人は太っているという話題 [allabout.co.jp]も有ったように、そもそも、どのような種類の食品を選択するか?、という行動変容から取り組まないと、体重のコントロールや健康増進は、困難である。
    • by albireo (7374) on 2009年09月18日 14時06分 (#1641693) 日記

      発表、公表、回収の機会は約50日以上前からあった筈なのに、(略)誠意を欠くと言われてもしかたない。

      そうかなぁ。そんなに緊急を要する話には思えないんだけど。
      隠し通そうとしていたのならともかく、公表までに50日以上かかったことにより増えたリスクってのが非難しなければいけないほどのものなのか疑問です。

      --
      うじゃうじゃ
      親コメント
    • 内閣組閣で紙面が塞がれるタイミングを見計らう

      やっぱりそう見えますよね。販売停止が決断できなくてまださらにズルズル粘るよりはよかったけど、正直たいへん印象が悪い。

      親コメント
  • by pongchang (31613) on 2009年09月17日 11時40分 (#1640922) 日記
    グリシドール脂肪酸エステルが、パーム油の100倍370ppm含まれていたのである。グリシドール [nihs.go.jp]はヒト発がん性[pdf [mhlw.go.jp]]の可能性がある物質に分類される。
    エステルが分解して単体にならないと腸から血液中に吸収されないが、消化管などでの振る舞いや吸収代謝を試験する訳にもいかない。
  • by the.ACount (31144) on 2009年09月18日 13時55分 (#1641683)

    体に良いと言われてる不飽和脂肪酸も、酸化されやすいから危険がある。

    --
    the.ACount
  • 「グリシドール MSDS」で検索して、原料や試薬メーカーのMSDSを当たってみると、経口投与による半数致死量(LD50)は
    マウス、ラットともに
      約400mg/kg
    でした。これを単純に人のデータに換算できないですけど、例えば体重60kgとすれば
      約24g
    摂取すると、致死量(半数)に達すると類推できます。

    で、タレコミ文によると、エコナに含まれるグリシドール脂肪酸エステルは0.00910%。どれだけ体内でグリシドール脂肪酸エステルがグリシドールに変換されるかわかりませんが、エコナだけで致死量に達する量を摂取しようとすると、おそらく100kgくらいを摂取する必要がありそうです。これだけの量を摂取したら、グリシドールではなく別の原因で死ぬかと思いますけど…。

    今回、問題になっているのは発癌性なので、それほど関係はないですけど、参考程度に。

    • ドイツの粉ミルクを乳児が摂取する場合の試算では「1kgの油脂が1mgのグリシドールを含み、粉乳だけを与えられ、それが全て単体のグリシドールになり吸収されるという最悪ケースの場合で、乳児に影響があることが分かった。」
      影響というのは長期のもので、乳児は離乳するから、1年なら仕方が無いという見方も出来る。
      グリシドール脂肪酸エステルの脂肪酸は、リノール酸とか特定のものではないから正確な分子量は出せないけど、リノール酸が280でグリシドールが74なので、370ppmをざっと丸めて、油脂1kgに70-80mgのグリシドールが含まれる。
      日本人の平均食用油消費量は9gだけれども、標準偏差が広く油脂で16±13gだから、300g/月の食用植物油摂取というのは、半分までのひとにあたる。20mg内外のグリシドール(グリシドールエステルで123mg)が平均値で摂取される可能性がある。マヨネーズ類も含めれば、もう少し多い。
      一方乳児の粉ミルクは3.6kg/月で四分の1が油脂だと、900g/月の油脂を取っていることになる。乳児が3-5kgだから、大人が10倍の量とれば影響は否定できない。
      親コメント
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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