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という論理展開をしています。これは、あまりに強引であると言わ ざるを得ません。 # だからこそ、移転裁定不当の判決が出たのでしょうが。 確かに、私も自分が欲しいと思うドメインが取られていて、かつそ のドメインが使われていないようだと、「使わないのに取るなよ」 とか思ったりしますが、ドメインが先願主義である以上、 使うかも知れないから取っておくという行動を責めるこ とはできますまい。 となれば、"使用実績"がないことを大きな理由として移転裁定がなされる のは、小さな組織や会社に対して非常に不利であると言わざるを得 ません。大きな組織/会社は、とりあえずWebサイトを構築したり、 商標登録をしたり、宣伝費用を掛けてWebサイトを有名にして、ア クセス数を増大させたりすることは簡単にできますが、小さな組織 にはそれは難しいことです。 それを、取得者の規模の大小や先願主義という原則を考慮せずに、 同じ土台でアクセス数だとかそのサイトを取り上げた記事など"使 用実績"として比較して、「使ってないから権利ないです」と裁定 するのは余りに理不尽であると言えます。 さて、商標に近い形でドメイン名を扱おうという主張は、既に多数 の方がなされていますし、実務家の意見もそちらに傾いている気配 があります。しかし、商標が商品分類(指定商品・役務区分)に基づ いて登録され、違う分類ならば同じ名称を登録することが可能であ る(当然、既にその分類で登録されていれば不可)のに対し、ドメイ ン名は1つ取ってしまえば、商品分類に関わらず全てを押さえるこ とができます。 かつて、JPNICのdomain-talk ML [nic.ad.jp]でも話題になったことがありますが、 商標と同じ/類似するドメイン名に対して優先権を持ちたいという のであれば、商標専用の識別子を設けるべきであると個人的に思い ます。そうでなければ、違う商品分類で同じ商標を取ったもの同士 のコンフリクトを解決することができなくなります。 現在、ドメイン名紛争裁定において、商標登録の有無やWebサイト へのアクセス数
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」
ドメイン裁定とADRの有効性 (スコア:3, 興味深い)
事件一覧 [ip-adr.gr.jp]を見ても分かる通り、殆どが移転裁定で、
取得が正当であるとの裁定は今まで出ていません。
日本知的財産仲裁センター(IP-ADR)に係属する事件が、既に正当な
ドメイン取得かどうか怪しい事件ばかりであると言うこともできま
すが、ちょっとこの裁定の結果の移転裁定率を見るに、裁定が偏って
いるんじゃないかという疑念を拭えないと思います。
実際、裁定全文を見るに、ちょっと名の知れたドメインなり商標と
同じ名前のドメインを取得していると、ほぼ移転裁定が出るという
状態であると言うこともでき、IP-ADRはドメイン取得の原則である
先願主義をぶち壊しているような気がします。
まだ判決全文を入手することができないので、最終的な判断は避け
ますが、今回の判決は妥当ではないかなと思います。
まあ、様々な意見があるでしょうが、IP-ADRの事例をもって、ADR
の有効性を云々しようというのはいかがなものかと思います。
Simon (Don't call me "Shi'mon". Call me "Sai'mon")
-- real thing goes strange. sometimes.
法律は (スコア:3, 参考になる)
「不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章その他の商品又は役務を表示するものをいう。)と同一若しくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、若しくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為」
を不正競争として罰則を設けています。
つまり「他人の商品等表示」を不正の目的(ドメインを不当に高い値段で売りつけようとしたり)または危害を加える目的(人のドメインでおかしなページ作ったりとか)
で取得することは不正競争に当たるので、それを防止、賠償するタメに必要な措置(ドメインの強制剥奪、移転)を講じることができます。
今回の件って、
この不正目的は介在してない(mp3.comに対して譲らないと言っただけ)
「MP3」って他人の商品等表示に当たるのか?
ってことが争点みたいだったので、当初の仲裁センターの裁定が厳しすぎたという事じゃないのかなと
まぁ過渡期なので仕方ないと思いますが。
pine-apple
Re:法律は (スコア:3, 興味深い)
たことに関しては、私は賛成です。
しかし、私が一番気にしているのは、この条文が運用によって拡大
解釈され、サイバースクワッティングのような悪意のあるドメイン
名占拠だけでなく、goo.co.jpや、mp3.co.jpのIP-ADR裁定のように、
大会社/著名会社のような強者によるドメイン名後取り
に利用されるのではないか、ということですね。
先ほどのコメントでも書いたように、現状の裁定や判決は強者に有
利に働きつつあるように見えますし、今後「ドメイン名は商標権者
が優先的に取得できる」などという馬鹿げたポリシーにならないこ
とを祈ります。
過渡期であるからこそ、まずはIP-ADRの強者偏重の裁定が、この判
決によって多少なりとも是正されることを期待したいと思います。
Simon (Don't call me "Shi'mon". Call me "Sai'mon")
-- real thing goes strange. sometimes.
Re:法律は (スコア:2, 参考になる)
> 大会社/著名会社のような強者によるドメイン名後取り
> に利用されるのではないか、ということですね。
私が立法論を語るほど偉くはないんですが
不正競争防止法や、似たような性質の商標法なんかの工業所有権法は
基本的に
「いっぱい金儲けて事業を優先させれば国益になるんじゃないの?そう言うのを優先させようぜ」
っていう方向性が少なからずあるんじゃないかと
商標ならほとんど企業対企業の問題ですけど
ドメインって個人とかも絡んできますからね
判決が企業有利に傾いてしまうのはある意味しようがないかもしれないけれど
それだけじゃすまされない問題もいろいろ今後発生しそう
pine-apple
Re:ドメイン裁定とADRの有効性 (スコア:2, 参考になる)
もう少し明確な断基準が事前に示されていれば、ADR すらも不必要だと思うんですが。
ビジネスに使うドメイン (.co.jp もしくは新設の何か) は 「ドメイン取得の原則である先願主義」でなく、商標優先であるとわかりやすい。ドメイン名の申請が商標申請の半年以上前でない限り、商標優先とか。というか、何でそんなに簡単に xxx.co.jp が取れてしまうのだ?
規制を強める方向は望まないので、規制が必要なエリアを明確にしてほいのだ。
Re:ドメイン裁定とADRの有効性 (スコア:5, 参考になる)
た話ではないことをお断りしておきます。
一般論として、ADRを有効利用しようという考え方は正しいと思い
ます。現状の司法制度上、民事上の紛争を全て裁判によって解決し
ようというのは無駄が多いと思いますから。
問題は、日本知的財産仲裁センター(IP-ADR) [ip-adr.gr.jp]はドメイン紛争のJPRS
指定ADRとして、裁判所よりも専門的知識やバックグラウンドをちゃ
んと持って裁定にあたって然るべきなのに、判で押したような
「会社名/商標と混同するようなドメインは移転」という裁定を出
し続けていることにあります。
ドメインは、歴史的にも現状でも先願主義です。有名会社だろうが
なんだろうが、先にドメインを取られたら負けという、ある意味
公平な制度を取っています。
確かに、著名な商標に関連するドメインを片っ端から取って売り付
けようとするといった、サイバースクワッティング的悪質なドメイン
売買目的の取得は、移転裁定/判決などで本来持つべき所持者に対
し権利を移転するのが正しいと思いますが、移転/取り消しなどの
処分を求める側が大会社や著名であると、goo.co.jpのように当該
ドメイン名が処分を求める側のサービス開始より前に取得されたも
のであっても、移転を是認する決定が為されることに危機感を感じ
ています。
goo.co.jpの件は、アダルトサイトのゲイトウェイ的な使われ方を
したという行為が、移転決定がなされる大きな根拠であったと思い
ますが、今回のmp3.co.jpについては、IP-ADRの移転裁定 [ip-adr.gr.jp]によれば、
という論理展開をしています。これは、あまりに強引であると言わ
ざるを得ません。
# だからこそ、移転裁定不当の判決が出たのでしょうが。
確かに、私も自分が欲しいと思うドメインが取られていて、かつそ
のドメインが使われていないようだと、「使わないのに取るなよ」
とか思ったりしますが、ドメインが先願主義である以上、
使うかも知れないから取っておくという行動を責めるこ
とはできますまい。
となれば、"使用実績"がないことを大きな理由として移転裁定がなされる
のは、小さな組織や会社に対して非常に不利であると言わざるを得
ません。大きな組織/会社は、とりあえずWebサイトを構築したり、
商標登録をしたり、宣伝費用を掛けてWebサイトを有名にして、ア
クセス数を増大させたりすることは簡単にできますが、小さな組織
にはそれは難しいことです。
それを、取得者の規模の大小や先願主義という原則を考慮せずに、
同じ土台でアクセス数だとかそのサイトを取り上げた記事など"使
用実績"として比較して、「使ってないから権利ないです」と裁定
するのは余りに理不尽であると言えます。
さて、商標に近い形でドメイン名を扱おうという主張は、既に多数
の方がなされていますし、実務家の意見もそちらに傾いている気配
があります。しかし、商標が商品分類(指定商品・役務区分)に基づ
いて登録され、違う分類ならば同じ名称を登録することが可能であ
る(当然、既にその分類で登録されていれば不可)のに対し、ドメイ
ン名は1つ取ってしまえば、商品分類に関わらず全てを押さえるこ
とができます。
かつて、JPNICのdomain-talk ML [nic.ad.jp]でも話題になったことがありますが、
商標と同じ/類似するドメイン名に対して優先権を持ちたいという
のであれば、商標専用の識別子を設けるべきであると個人的に思い
ます。そうでなければ、違う商品分類で同じ商標を取ったもの同士
のコンフリクトを解決することができなくなります。
現在、ドメイン名紛争裁定において、商標登録の有無やWebサイト
へのアクセス数
Simon (Don't call me "Shi'mon". Call me "Sai'mon")
-- real thing goes strange. sometimes.