アカウント名:
パスワード:
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds
危険に頭悪い判断 (スコア:1, すばらしい洞察)
「著作権法違反ほう助容疑」となりうるのでしょうか。
それとも、無茶な法解釈をした時の常套句「程度問題」なのでしょうか。
Re:危険に頭悪い判断 (スコア:3, 参考になる)
(1) 法律の定める犯罪の要件に該当すること
(2) 法律の趣旨からみて悪質性があること(主として、法律の保護する利益を害する量が利する量よりも大きいこと)
(3) 倫理的に非難されうる行為であること(主として、その行為を思いとどまることができたのに思いとどまらなかったこと)
の3つが必要です。
(1)の内容は、
(1a) 行為と結果及びそれらを結びつける経過を認識していること(故意)又はそれらを予見可能だったこと(過失) それが法に反するということの認識は不要
(1b) 結果発生の確率が相当高い行為であること
(1c) その他法律で定められた要件に該当すること
にわけられます。また、幇助の場合には、さらに
(1d) 実際に手を下した人間(正犯)が存在し、その行為が犯罪として成立すること(ただし正犯の行為に(3)は不要)
が必要で、また、(1a)(1b)の要件は
(1a) 正犯の行為と結果を認識していること(故意)
(1b) 正犯の犯罪を容易にしたこと
と変更されます。
さて、本題の、新しい通信技術の開発が、著作権法違反の幇助となりうるかという問題ですが、多くの場合上であげた要件のうちほとんどに当てはまるので、一応それはありうるといえそうです。ただ、大抵の場合、利益が害悪を上回るので、(2)の悪質性なしとされるのではないでしょうか。そういう意味では、確かに「程度問題」ということになります。
開発されたソフトウェアがほとんどもっぱら違法なファイル交換に使われる可能性が高く、しかも現にそのように使われているような場合には、法律で認められた価値観からみて害悪が利益を上回っているので、(2)の要件の成立が認められる可能性は高いといえそうです。
Re:危険に頭悪い判断 (スコア:0)
>(1a) 正犯の行為と結果を認識していること(故意)
まあ、これが問題なんだよね。どこまで正犯の行為と結果を認識しているかによってずいぶんと変わってくる。今回のようにまったく知らない第三者の行為と47氏を関連付けていいものかということ。
たとえば、拳銃を作っている人は、それが悪用されて、殺人に使われることは、十分認識しているはずです。Winny作成者と使用者、拳銃製造者と消費者。これの違いを法学上明確に区別出来るなら問題ないのですが
Re:危険に頭悪い判断 (スコア:1)
私が感じる限りでは、一般人の幇助犯というものに対する意識は、少し足らなすぎるように思われます。飲酒運転で、同乗者も罰せられることがあると聞いて驚いている人が多かったようですが、幇助犯の規定は昔からあるのですから、検挙されるかどうかは別として、幇助が成立するケースは実は昔からそれなりにあったのです(ただ、現行法では、飲酒運転の場合は、幇助よりも要件がさらにゆるくなっています)。
だからこそ、法律を改正し、一般人の感覚に合うよう成立要件を厳しくすべきなのだ、という議論はもちろんあり得ます。
ところで、度々出てくる雑誌記事のケースですが、出版の場合、表現の自由が絡むので、幇助の成立はある程度制限されると考えられます。そうなると、ソフトウェアの開発も表現行為ではないかという論点が出現しますが、この点は、あり得るかもしれず、そうでないかもしれず、ここでは判断を差し控えます。ただ、Winnyの開発行為と、Winnyが開発されたことを前提としてその使用法を解説する行為では、悪質性に差があるとは考えられます。
Re:刑法以前の問題の気がしますけど (スコア:0)
しかし、匿名掲示板での交流のみで正犯との面識を立証できるのか
正犯との面識なく道具を作る、インターネットで公開されている
ソフトの大半に当てはまる行為は犯罪として規定されているのかね?
「明日施行される法は、今日の犯罪には適用されない」という
法律の基本原則(罪刑法定主義) [www.ne.jp]に反してるとおもうのですが…
それでも、各
Re:刑法以前の問題の気がしますけど (スコア:1)
ただ、幇助犯の規定は、過度に広範だとも考えられるので、罪となるべき行為の要件は、具体的に定められなければならないという意味の罪刑法定主義からは、いささか問題があるようにも思われます。ただ、実際に、幇助犯の態様をいちいち具体的に定めることが、法技術的に可能なのかという問題もあります。
報道された法律関係者のコメントに散見されるように、幇助犯の故意に確定的ないし具体的な故意を要求するというのは、現行刑法ではとくに明文の規定がないのですが(従って未必の故意で足りるという説が有力)、解釈論または立法論として、ひとつの考え方と思います。
Re:判例根拠 (スコア:0)
・匿名掲示板での交流で、正犯との面識を立証できる
・正犯との面識なく道具を作る、インターネットで公開されている
ソフトの大半に当てはまる行為は犯罪として規定される