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「ロボットスーツ」という名前に違和感がある。最近よく聞くロボットという言葉をつけることで親しみを持てるかもしれないが、件の装置を表す言葉として適しているだろうか。
この装置は基本機能としては動力アシスト自転車となんら変わりない。人間の操作がなければまったく動かないからだ。動力アシスト自転車と呼ぶのが変なように、ロボットスーツと呼ぶのもなんか変だ。専門用語(?)では「パワードスーツ」などが一般的なのでそちらでよかったのではないかと思う。
タレコミ文にもあるように、ロボットという言葉がついてるゆえに産業用ロボットやエンターテイメントロボットと同種の物として語られるのはなんだか誤解を生みそうな気がする。
商品としての他との差別化として新しく名称を作るのはうまい戦略だとは思うが、そんなことしなくてもすばらしいものなのだから誤解されずに評価されてほしいと勝手ながら願うばかりだ。
ついでだから機能的な話しでもう1点。他でコメントされている方がいらっしゃるようだが、なんだ障害者が装着して自ら登山するんじゃないのか、という意見。非常にもっともな意見でオレも同意する。
しかし、この装置は基本的には動作をアシストするためのもの。2足での自立や歩行自体が技術的に難しいという面もあるが、ユーザの予期せぬ動きや、暴走で怪我をしないようにという安全性を高めるためにアシストにとどめているという面もある。
あと、件の装置はユーザの動きを予測するために筋電を使っているが、今回の登山で運ばれる障害者は脊損者らしいのでおそらく筋電がとれない。よって、そもそもこの装置を使えない。この点でいうとむしろ同行する筋ジス患者さんのほうが自立歩行できる可能性がある。当然そのままでは無理だろうけど。
これら装置の特徴から考えると件の装置は健常者がその能力を高めるためのもので、障害者には向いていない。少なくとも重度身体障害者には使用できない。ただ、だからといって障害者に何もメリットがないのかというとそうでもなくて、介護者が装着することで重労働になりがちな身体障害者の介護の負担を軽減するなど有効なアプリケーションはいくらでもある。
この点においてもやはり装置を誤解させてるような感じがする。障害者を背負って山を登ることにメリットがないわけではないが、変な期待をさせてしまってないだろうか。
すいません、書き方が悪かったでしょうか。脊損者の(マヒ部の)筋電が取れないのは周知のことで原理的に不可能なことなのでこの装置のせいだとか、欠点というわけではないです。
身体障害者の障害というのは原因によって症状がかなり違ってきます。脊損だと損傷箇所によりますがたとえば下半身マヒ、脳梗塞など脳の障害だと片半身マヒなど、また筋ジスなどでは動くけど正常な動作ではない。ですから健常者を対象とした装置を作るより、障害者用の装置開発は圧倒的に難しいのです。
HALへの批判の一部は、このような問題を解決して障害者が自ら登山を楽しむというわけではないのに、障害者にも有効だというアピールの仕方への疑問視や落胆から来ているのではないか。というのが私が言いたかったことです。
「パワードスーツ [wikipedia.org]」より:
1968年、現実に初めて強化服的な物として発表されたジェネラル・エレクトリック社の"Hardyman"が外骨格(Exoskeleton)型であったためか、「強化外骨格」をパワードスーツの一般的な日本語訳と思い込んでいる人もいるが、これは全くの誤りである。
だ、そうです。それに今回の(HAL)も、もうちっと覆われ感がないと「エクソスケルトン」て感じしないかも。
× 動力アシスト自転車と呼ぶのが変なように、ロボットスーツと呼ぶのもなんか変だ。
○ 動力アシスト自転車をロボット自転車と呼ぶのが変なように、この装置をロボットスーツと呼ぶのは何か変だ。
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物事のやり方は一つではない -- Perlな人
アピールの仕方 (スコア:2, すばらしい洞察)
「ロボットスーツ」という名前に違和感がある。最近よく聞くロボットという言葉をつけることで親しみを持てるかもしれないが、件の装置を表す言葉として適しているだろうか。
この装置は基本機能としては動力アシスト自転車となんら変わりない。人間の操作がなければまったく動かないからだ。動力アシスト自転車と呼ぶのが変なように、ロボットスーツと呼ぶのもなんか変だ。専門用語(?)では「パワードスーツ」などが一般的なのでそちらでよかったのではないかと思う。
タレコミ文にもあるように、ロボットという言葉がついてるゆえに産業用ロボットやエンターテイメントロボットと同種の物として語られるのはなんだか誤解を生みそうな気がする。
商品としての他との差別化として新しく名称を作るのはうまい戦略だとは思うが、そんなことしなくてもすばらしいものなのだから誤解されずに評価されてほしいと勝手ながら願うばかりだ。
Re:アピールの仕方 (スコア:4, 参考になる)
ついでだから機能的な話しでもう1点。他でコメントされている方がいらっしゃるようだが、なんだ障害者が装着して自ら登山するんじゃないのか、という意見。非常にもっともな意見でオレも同意する。
しかし、この装置は基本的には動作をアシストするためのもの。2足での自立や歩行自体が技術的に難しいという面もあるが、ユーザの予期せぬ動きや、暴走で怪我をしないようにという安全性を高めるためにアシストにとどめているという面もある。
あと、件の装置はユーザの動きを予測するために筋電を使っているが、今回の登山で運ばれる障害者は脊損者らしいのでおそらく筋電がとれない。よって、そもそもこの装置を使えない。この点でいうとむしろ同行する筋ジス患者さんのほうが自立歩行できる可能性がある。当然そのままでは無理だろうけど。
これら装置の特徴から考えると件の装置は健常者がその能力を高めるためのもので、障害者には向いていない。少なくとも重度身体障害者には使用できない。ただ、だからといって障害者に何もメリットがないのかというとそうでもなくて、介護者が装着することで重労働になりがちな身体障害者の介護の負担を軽減するなど有効なアプリケーションはいくらでもある。
この点においてもやはり装置を誤解させてるような感じがする。障害者を背負って山を登ることにメリットがないわけではないが、変な期待をさせてしまってないだろうか。
Re:アピールの仕方 (スコア:2, 参考になる)
その番組では片足が不自由で筋電が取れないため、もう片方の足の筋電を教師信号にして動作させていたように記憶しています。
#TVといっても、放送を録画したものを山海研の宣伝の一環として講義かなんかで見ただけですが。
Re:アピールの仕方 (スコア:1)
すいません、書き方が悪かったでしょうか。脊損者の(マヒ部の)筋電が取れないのは周知のことで原理的に不可能なことなのでこの装置のせいだとか、欠点というわけではないです。
身体障害者の障害というのは原因によって症状がかなり違ってきます。脊損だと損傷箇所によりますがたとえば下半身マヒ、脳梗塞など脳の障害だと片半身マヒなど、また筋ジスなどでは動くけど正常な動作ではない。ですから健常者を対象とした装置を作るより、障害者用の装置開発は圧倒的に難しいのです。
HALへの批判の一部は、このような問題を解決して障害者が自ら登山を楽しむというわけではないのに、障害者にも有効だというアピールの仕方への疑問視や落胆から来ているのではないか。というのが私が言いたかったことです。
Re:アピールの仕方 (スコア:2, 参考になる)
残念ながら、「パワードスーツ」はバンダイの登録商標なんですよ。
【商標登録番号】 第3282112号
区分的にHALは「運動用具」と判断される可能性があるので、
パワードスーツと名乗るには商標的リスクがあるかもしれません。
Re:アピールの仕方 (スコア:1)
専門用語では「エグゾスケルトン」が主流じゃないですかね。一般の方には伝わりにくいと思うけど。
Re:アピールの仕方 (スコア:1)
「パワードスーツ [wikipedia.org]」より:
だ、そうです。それに今回の(HAL)も、もうちっと覆われ感がないと「エクソスケルトン」て感じしないかも。
Re:アピールの仕方 (スコア:0)
× 動力アシスト自転車と呼ぶのが変なように、ロボットスーツと呼ぶのもなんか変だ。
○ 動力アシスト自転車をロボット自転車と呼ぶのが変なように、この装置をロボットスーツと呼ぶのは何か変だ。