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金髪になる遺伝子は劣性で次世代に伝えられにくい
基本的には、劣性遺伝でも遺伝子頻度の変化に関係はなく、優性遺伝子よりも次世代に伝えられにくいということはありません。
移入とか適応度の差とかがあれば話は別なので、そちらの方の問題ではないかと。
A study by experts in Germany suggests people with blonde hair are an endangered species and will become extinct by 2202. (強調は引用者による)
このあたり、私自身もっと勉強しなければいけないところなので偉そうなことは言えないのですが・・・
安田先生の講義 [primate.gr.jp]にあるように(とりあえず一番最後の結論だけ見て下さい)、拡散方程式を用いた計算によって、そのようなホモ接合の比率(この場合blonde)は下がっていき、最終的にはp^2(pは集団全体での遺伝子頻度)に等しくなります。つまり、集団の構造を仮定してもハーディー・ワインバーグ平衡は達成されることになります。 従ってpの値によっては「表現型として」絶滅したように見えてもおかしくありません。
一方、この講義の結論にあるようにある遺伝子が消失(≒今回の議論における「絶滅」)することはありません。
ただし、ヘテロでblonde遺伝子を持つ家系における同族内結婚により、期待値よりもblonde個体は多いかもしれません。いずれにせよ「最後の金髪美女」(笑)なる人間は存在しないでしょう。
tixさんの#174001 [srad.jp]への返信も含めますと、そもそもの「金髪の遺伝子が絶滅する」という最初の話題自体が私に言わせれば嘘か、無知か、あるいは記者の誤解に基づくものでフォローする価値がないものです。
最初記者の誤読を元の研究者が正したものかと思ってしまいましたが、この話題に対する皮膚科の(なぜ?笑)教授の反論の方がオーソドックスな考え方で、正しいと言ってよいでしょう。
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一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy
ハーディ・ワインベルクの法則 (スコア:2, 参考になる)
基本的には、劣性遺伝でも遺伝子頻度の変化に関係はなく、優性遺伝子よりも次世代に伝えられにくいということはありません。
移入とか適応度の差とかがあれば話は別なので、そちらの方の問題ではないかと。
そうですよね (スコア:1, 興味深い)
しかし元記事を読むと、遺伝子が次世代に伝えられにくいとはどこにも書いてないようです。その部分はタレコミした人の誤解のようですね。
もともとの研究者がいいたいのは、単に金髪の遺伝子が人口の中で拡散して、劣性ゆえに発現しにくくなるということなのではないでしょうか。
Re:そうですよね (スコア:1)
金髪の遺伝子が今と同じ割合で残っていても、その遺伝子が発現する可能性がゼロと見なせるくらいに拡散していれば、「絶滅した」と言えなくはないのかもしれませんが、そんなことってありうるのでしょうか(ぼくは「絶滅」の学術的な定義は知りません)。
鵜呑みにしてみる?
Re:そうですよね (スコア:1)
>> する可能性がゼロと見なせるくらいに拡散していれば、「絶滅し
>> た」と言えなくはないのかもしれませんが、そんなことってあり
>> うるのでしょうか(ぼくは「絶滅」の学術的な定義は知りません)。
発現しない金髪因子を持った人について考えます。この人は 1/2 の確率で因子を子供に伝えます。平均で 2 人の子供をもうけると仮定すれば、因子が消えずに伝えられる可能性は 100% です。
なんて乱暴な考察ですがどんなもんでしょうか。
Re:そうですよね (スコア:1)
ksada さんのコメントの中の「可能性」を「遺伝子が消えない確率」の意味だとすると、 #174161 [srad.jp] に書かれているように75%のような気がしますが、二人の子供をもうけるなら、「二人の子供が持つ金髪遺伝子の個数の合計の期待値」=「両親が持つ金髪遺伝子の個数の合計」、という意味で100%ということでしょうか(それであれば納得です)。
ぼくが #173997 [srad.jp] で書いている疑問は、
一つめの疑問についてもう少し詳しく書いておくと、今までは世界のうちのある特定の地域に偏って存在していた遺伝子が、地域の枠を越えた交配によって拡散するという事態は、起こりうると思うのです。遺伝子が劣性だと、拡散すればするほど発現しにくくなります。遺伝子の発現する可能性がほとんどゼロだと言えるくらいまで拡散するということは、現実に起こりうるのか、というのがぼくの一つめの疑問です。
二つめの疑問は、単に「絶滅」という言葉の定義の問題で、大して興味はありませんが、 BBC News の記事でいう extinct の意味は何だろうと思ったので。
鵜呑みにしてみる?
Re:そうですよね (スコア:2, 参考になる)
このあたり、私自身もっと勉強しなければいけないところなので偉そうなことは言えないのですが・・・
安田先生の講義 [primate.gr.jp]にあるように(とりあえず一番最後の結論だけ見て下さい)、拡散方程式を用いた計算によって、そのようなホモ接合の比率(この場合blonde)は下がっていき、最終的にはp^2(pは集団全体での遺伝子頻度)に等しくなります。つまり、集団の構造を仮定してもハーディー・ワインバーグ平衡は達成されることになります。 従ってpの値によっては「表現型として」絶滅したように見えてもおかしくありません。
一方、この講義の結論にあるようにある遺伝子が消失(≒今回の議論における「絶滅」)することはありません。
ただし、ヘテロでblonde遺伝子を持つ家系における同族内結婚により、期待値よりもblonde個体は多いかもしれません。いずれにせよ「最後の金髪美女」(笑)なる人間は存在しないでしょう。
tixさんの#174001 [srad.jp]への返信も含めますと、そもそもの「金髪の遺伝子が絶滅する」という最初の話題自体が私に言わせれば嘘か、無知か、あるいは記者の誤解に基づくものでフォローする価値がないものです。
最初記者の誤読を元の研究者が正したものかと思ってしまいましたが、この話題に対する皮膚科の(なぜ?笑)教授の反論の方がオーソドックスな考え方で、正しいと言ってよいでしょう。
kaho
Re:そうですよね (スコア:1)
やっぱり遺伝子が消滅することを「絶滅」と定義したくなりますよね。だとすると、劣性遺伝子であることと絶滅とは直接の関係はなくなってしまうので、まさかそんなに根拠の弱い話が大手サイトに当然のように載っているとは思わず(←それはちょっと大げさかも)、ひょっとして「絶滅」の定義が違って、表現型として一人もいない確率が十分高くなったら「絶滅」と呼ぶのか?? とか勘繰っていました。
「金髪遺伝子は劣性なので拡散とともに絶滅する」というのが間違い(「絶滅」という言葉を「表現型比率が低い」の意味で使っているなら言葉の間違いだし、「遺伝子が消滅する」という意味で使っているなら論理的に間違い)という点は納得しました。
遺伝子比率が減ることが本当にないかというと、好みによる差がどれだけ働くかですが……それは本当に、どの遺伝子がいつ淘汰されるか(あるいは繁栄するか)なんて、予測の付かないことのような気がします。
鵜呑みにしてみる?
Re:そうですよね (スコア:0)
他の部分は良く分からないですけど。
Re:そうですよね (スコア:1)
それは、発現しない金髪因子を持った人同士に生まれる子供の場合ですね。私が言っているのは発現しない金髪因子を持った個人についてです。
発現しない金髪因子を持った人二人がもうけた子供四人について考えると、平均して
* 一人は両親の因子が揃って金髪になります
* 一人は母親の因子を受け継ぎ、発現しない因子を持ちます
* 一人は父親の因子を受け継ぎ、発現しない因子を持ちます
* 一人は因子を受け継ぎません
片方の親について考えれば、4 人のうち 2 人に自分の金髪因子を渡しており、確率 50% になります。