米政府機関が
数十年前のコンピューターシステムを
使い続けていることはスラドでも何度か話題になっているが、米会計監査院(GAO)の調べによると、連邦政府では年800億ドルを超えるIT予算の約75%を古いシステムの運用と維持に費やしているそうだ(
GAOの報告書: PDF、
The Vergeの記事、
Neowinの記事、
The Guardianの記事)。
GAOでは特に問題があるレガシーITへの投資として、多くの省庁が使用しているCOBOLで書かれたプログラムと国防総省が使用する8インチフロッピーディスクを使用するシステムを挙げている。
国防総省ではICBMや爆撃機といった核戦力の運用を連携させるために8インチフロッピーディスクを使用しており、1970年代のIBM Series/1上で実行されているが、全体としては53年前のシステムだという。ただし、これについては2017年度末までの更新が計画されているそうだ。
COBOLを使用したプログラムの置き換えについては省庁や部署によって対応が異なる。退役軍人省だけをみても、職員の給与計算システムは2017年に置き換えが計画されている一方、退役軍人に対する恩給支給などのシステムについては置き換えが計画されていない。
すべての省庁が現在のITシステム導入時期を記録しているわけではないが、リストアップされている中で最も古いのは財務省が使用しているもので、納税情報などを記録する個人用のマスターファイルと企業用のマスターファイルだ。
財務省のマスターファイルシステムはアセンブリ言語で書かれており、ハードウェアはより新しいIBMのメインフレームに置き換えられているものの、全体としてはおよそ56年前のシステムだという。これらのシステムの置き換えは今後の予定となっているが、具体的に計画されてはいないとのことだ。