可聴域よりも高い音をビーコンとして使用することで、複数のデバイスにわたってユーザーを追跡する技術があるそうだ。16日に米連邦取引委員会(FTC)が開催したワークショップで、Center for Democracy & Technology(CDT)がこの技術に関する調査結果の発表を行っている(CDTのブログ、CDTの意見書PDF、Register、Softpedia、Ars Technica)。
現在ではスマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど、パソコンだけでなく複数のデバイスを使い分ける人も多い。そのため、接続しているネットワークの情報やログインしているWebサイトの情報などから複数のデバイスにわたってユーザーを追跡する仕組みが求められているようだ。
可聴域外のビーコンを使用してユーザーを追跡する技術はインドのSilverPushが開発したもの。同社のSDKを使用したアプリはテレビコマーシャルやWeb広告などに埋め込まれた18kHz~19.95kHzのビーコンを受信して識別情報をサーバーに送信する。これにより、関連した広告が端末に表示されるのだという。同社はSDKを使用したアプリを公表していないため、ユーザーが追跡の有無を確認することはできない。
これについてAddons DetectorがSDKを使用するAndroidアプリを独自調査により特定し、リストを公開している。特定されたアプリは27本だが、11本は既にGoogle Playストアから削除されているため、リストアップされているのは16本。アプリは主にインドのユーザーを対象にしたものとみられる。このうち5本は既にSDKの使用をやめており、1本は現在も使用しているかどうか不明とのこと。ただし、残り10本の中にはマイクを使用しないものや、既に削除されたとみられるものもある。