化粧品製造販売「マンダム」が、チンパンジーが黒人のまねをしているCMについて、「差別にあたる」との人権団体の指摘を受け、テレビ放映と雑誌広告を中止していたことがわかった。同社は「国際感覚が欠如しているという認識に至った」としている。
問題になったのは、男性用洗顔製品のCMで、数人の黒人が顔の汗をふく横で、縮れたドレッドヘアで金と赤、緑の衣装を着たチンパンジーがまねをし、顔をふく内容。テレビCMは3月から放映していた。
このCMに文句をつけたのは、人権擁護団体「コミュニティー」。彼らが指摘している問題は、以下の二点らしい:
後者については理解できる。しかし前者はどうだろう?
猿には、見たものを真似る習性があるので、猿が人間の行動を真似ることは良くあることだ。猿と人間が同じ行動をしているのを見れば、「人間が猿と同等とみなされている」と言うよりは「猿が人間の真似をしている」と感じるのが普通ではないだろうか。例えばこの人間が白人であればどうか。日本人であればどうか。日本人は`yellow monkey'と揶揄されることもままあるわけだが。
同団体のメンバ、スティーブ・シルバー氏は次のように述べている
中止を決めたのはすばらしい。マイノリティーの意識にもっと繊細になるべきだ
さて、全世界に野生のチンパンジーは十五万頭足らずしかいないそうだ。チンパンジーは言語を理解し、人間に非常に近いため、十五万「人」と数える人もいるとか。実際リンク先も「人」で数えている。一方、黒人はシルバー氏の母国・米国だけでも三千八百万人ほどいる。ご存知の通り、全世界の人口(ただしチンパンジーを除く)は、六十億人ほどだ。
生物としてみたときに、あるいは、霊長類全体としてみたときに、チンパンジーは、人間全体よりも黒人よりもずっとマイノリティなのだ。人間と同等に扱ってもらえない超マイノリティのチンパンジー。人間と同等に「人」で数えられることもあるというのに。その辺りをどう考えるのか、シルバー氏に聞いてみたい気がする。
Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級
うーん (スコア:1)
アメリカの話ですが、黒人を猿扱いして差別したという歴史があります。僕が住んでいたデトロイトでは、日本人教師(確かデトロイト市の小学校で日本語を教えていた)が教室で騒ぐ子供達に向かって「猿のようだ」と発言して大問題になったことがあってこのことは強く印象に残っています。こういう背景をしょっていると、黒人とチンパンジーを並べてユーモラスな絵作りをするというのは微妙な表現になってしまいます。
まぁ、そのThe Communityのサイトに残っていた画像を見ても僕自身は差別的を意図を感じないし、そんな背景のない日本でそこに突っ込むというのはちょっと言葉狩り的な物に通じる雰囲気もするしどうかなぁと僕は思いますが。そういう話もあるよということで。
Re:うーん (スコア:1)
少なくとも、差別意識のない差別表現を無闇に批判しても仕方がないと思います。マイノリティに繊細になれ、と言うけれど、最悪、マイノリティは一人の人間からだってなるわけで、そういうものに対してまで繊細にならなければならないとしたら、ほとんどの表現は抹殺されてしまいかねません。
そのあたり、どう考えているのかシルバー氏をはじめとしたこう言った論者に聞いてみたいと思います。
Re:うーん (スコア:1)
日本にはいろいろと差別が存在すると思っているのですが、日本人はそれを無いことにしがちなのが気になります。その一方で言葉狩りがどんどん広がっていったりとか外国から借りてきた差別問題を振りかざす人たちが出てきたりと何だか明後日の方角に物事がずれていってしまってますね。
Re:うーん (スコア:1)
また、マイノリティが、本当にマイノリティで、団結するに至っていないことも原因の一つかな。
かといって、そういうのを顕在化させるために、外国人の受け入れを進めるってのも違う気がするし。