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cyber205の日記: 「乾電池でゆで上がるタマゴ」の研究 5

日記 by cyber205

単一アルカリ乾電池1個のエネルギーで、
卵を1つ、ゆで卵にすることは可能なのかという研究を
実際に理論的な検証と実際の実験を組み合わせて
行った方がいらっしゃいます。
突撃実験室」の
これとかこれとかこれなんですが。

結論としては「ウズラ卵ぐらいちっちゃければOK」という
なんとも情けない結論でした。まぁ、卵には違い無いけれど。

電池と抵抗を使ったヒーターでは、頑張っても内部抵抗という強敵がいるから、
なかなか難しいのではないかと思います。

鶏卵にしたって、最近出てきている「不ぞろいのタマちゃん」とかなら
加熱は楽でしょうが、「L玉を相手にする」としたら、
かなりの電力がもっていかれると覚悟せねばならんでしょうな。
まぁ、できるだけ小さい卵を選ぶ戦略は間違ってないわけです。

断熱も、各自がんばってはいるようだけど、
「加熱する部分の容積や比熱」も温度上昇に影響することを考えれば、
まだ水の量などに改善できる余地があるでしょうね。
少なくとも、円筒形の容器には無駄がある。比熱の高い水は極力減らすべきだ。
卵とそれを覆う薄い水の層、そして熱抵抗の高い物質で
回りを分厚く囲む構造がベストだと考えます。
つまり、「卵の形に発泡スチロールをくり抜け」ってことです。

そして、電池の内部抵抗、これをキャンセルする回路を
作らない限り、取り出すポイントでエネルギーロスして
まともに温度を上げるのは難しいでしょう。

ある出力インピーダンスを持つ電源から、
単位時間あたりに換算して最高の電力を得ようと思ったら、
電気回路では「同じインピーダンス」で取り出すのが最も効率が良いとされています。
この時、損失は折半することになります。
つまりもっとも強力な加熱を得ようとすると、
電池の半分のエネルギーしか加熱に使えません。
少なくとも電池の側には、ゆでたまごを作るのに必要な量の、
倍のエネルギーが無いとゆでられないと思われます。

私が考える「電池一個」でゆで卵が作れる装置とはどんなものかというと、
まず、加熱装置の最適化に関してはさきほぼ述べた通りです。
そして、電力のほうですが「電池の内部抵抗が問題なのなら、素材で解決する」
ということで、つまり強放電特性に優れる単一乾電池サイズの
「ニッケルカドミウム電池」の採用をまず最初に検討するべきだと思います。
これなら内部抵抗による内部損失は大幅に低くなりますから。
デジカメ用の「5倍持つ」と言われるあのニッケル電極な
アルカリ乾電池なんかも検討に値します。
といっても、単三サイズしか売られていなかったような気がしますが…。
オキシライド乾電池なんかも一般的なアルカリ電池より
電圧が高い分だけ、ゆで卵を作るには有利になるはずです。

しかしそこをあくまでアルカリ乾電池にこだわるなら、
もう、これは、エネルギーの取り出し方を変えるしか無い。
つまり、高インピーダンスでチョロチョロと取り出して、
出てくる電力をめいっぱいしゃぶり尽くして電力量を稼ぐ戦略が考えられます。
もちろん、そのまま加熱には使えませんから、
この出力を可変電圧なDC-DCコンバータを経由して
内部抵抗の低い巨大なコンデンサに蓄積します。
最近、その大容量でハイブリッド車への応用が注目を集めている
ECaSSなんかがいいですね。
で、一気に加熱ヒーターにありったけの電力を叩きつける。
というのが多分ブレイクスルーになると思います。

低い電圧まで稼働させられる低電圧動作、低損失の
DC-DCコンバータによる充電装置の開発、
高い熱抵抗を示す素材を組み合わせた加熱装置の製作、
まじめに取り組むと、結構面白いテーマだと思います。
学生の研究ネタとしては…。

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