ソーラー・セイルは「物理学に反する」 169
ストーリー by Oliver
われわれ宇宙という大海の浜辺をさまよっている 部門より
われわれ宇宙という大海の浜辺をさまよっている 部門より
yosuke 曰く、 "本家より。ソーラー・セイルは次世代推進システムの1つとして早くから注目されており、NASA JPLでも研究されています。また、惑星協会のコスモス1のことを知っている方も多いでしょう。
しかし、New Scientistの記事によると、コーネル大のThomas Goldは「ソーラー・セイルは熱力学の法則に反する」と主張しているそうです。"The solar sail and the mirror"と題する論文も出ています。
まだざっとしか見ていないので感覚的な意見となってしまいますが、個人的にはなんとなく、動力飛行に不朽の名を残すSimon Newcombの発言を思い出したりしています。/.Jの識者の方はどうでしょうか。"
ツッコミ (スコア:5, 参考になる)
熱エネルギを太陽から受け取って力学的エネルギに変換するだって?
Solar sailが受け取るのは光エネルギだよ…いや、より正確に言えば光子の運動エネルギだよ?
Solar sailを熱機関だと考えるのは違うんじゃないかい?
/.configure;oddmake;oddmake install
Re:ツッコミ (スコア:3, すばらしい洞察)
一応、論文をざっと読みましたが、あれが物理学者の書く論文ですか(汗)。
あまりの理論展開の質の低さにクラクラしましたよ・・・。
#数式すらなく、理論の説明や反論のための根拠すら明確に書いてない
#モノなんて、タダの駄文、論文つーより自分の反論意見を反証なきまま
#垂れ流しただけですな。
光の反射による輻射圧などは物理現象だし、光の放射圧や音波の輻射圧が
非常に広いジャンルで利用され、理論的に説明されているのに、今更なにを
言っているのやら。
#スケートボードの上に乗って、構えたバットに当たるボールの勢いで
#身体が押されて動き出せるのは、熱力学の法則に反しているわけですか?
#あるいは、無動力の帆船が動くのは熱力学の法則に反しているの
#でしょうかね?
光が粒子であるというなら、その運動エネルギーがあって当然、
それを無視してもよいと説明できる理論を構築してから反論すべきなのに、
自分の意見の説明すら一貫性が見えてないので、ダメダメですな。
永久機関などの機械的な動力伝達機構なんてないのだから、永久機関を
引き合いに出したりカルノーの法則を引き合いに出すモノじゃないでしょう。
#エネルギーを支払ってるのは太陽なので、熱力学の法則がどうの、
#なんて言うなら、まず太陽の放射してるエネルギーを、そして光の粒子の
#運動エネルギーを無視してどうする。
---- redbrick
Re:ツッコミ (スコア:3, 参考になる)
熱機関だと勘違いしているのが主要因のようですね。
熱機関だと思えば、(多分)彼の言うとおりカルノーサイクルを
作ることはできない。
>#運動エネルギーを無視してどうする。
運動エネルギーというか、運動量ですね。
いずれにせよ、カルノーサイクルなんて関係ないわけで。
#ま、Simon Newcombみたいに歴史に残るほどのもんじゃ全然無いですね。
熱機関でもOK (スコア:3, 参考になる)
実際の運動になるかどうかは,熱力の要請も満たさにゃなりませんから.
ただ,元の文では,"1.完全反射なので当たる光と戻ってくる光の温度は同じ"
とか"2.いずれ太陽光と同じ温度になるからだめ"とかのあたり間違ってます.
セイルの一方は太陽で高温,他方は宇宙で低温なんで熱の流れがありますし,
それを利用してソーラーセイルは動くわけですから.
1に関しては,セイルが加速される条件下では完全反射だったとしても反射される
光は元の光よりも低温になりますし(古典的なドップラー効果による長波長化,
もしくは光子で言うなら運動量をセイルに渡して運動量が減少).
2に関しては,加熱されたセイルから低温の宇宙への放熱があるんで低温化しますし.
Re:ツッコミ (スコア:1)
ご指摘ありがとうございます。
確かにそうですね。
---- redbrick
Re:ツッコミ (スコア:2, 興味深い)
> #モノなんて、タダの駄文、論文つーより自分の反論意見を反証なきまま
> #垂れ流しただけですな。
数式は無いですが、理論の説明や反論のための根拠はきちんと書いてありますよ。
それより、あの論文のどこが間違いなのか、正しくはどうなのかを
議論した方が有意義でないっすか?
> 光が粒子であるというなら、その運動エネルギーがあって当然、
> それを無視してもよいと説明できる理論を構築してから反論すべきなのに、
> 自分の意見の説明すら一貫性が見えてないので、ダメダメですな。
光は確かに粒子的な性質も持っていますが、野球ボールのような粒子ではありませんね。
みんなが普通の粒子と同じだと勘違いしているところに、間違いがあると
Gold氏は指摘しているわけです。
やっぱり初歩的な誤りですよ (スコア:3, 参考になる)
Re:太陽光とて完全な平行光ではないのです (スコア:2, 参考になる)
> 太陽光を使って太陽の温度(6000K)以上にものを暖める
> ことはできません。
その通りですが、この場合、もう一方の熱浴は 3K の宇宙背景輻射
ですから、太陽が冷え切るか、宇宙が熱的死に陥らない限り、ソー
ラーセイルは加速できます。
> また、Thomson散乱(入射波と反射波の波長が同じ)と
> Compton散乱(違う)をごっちゃにされていると思います。
違います。
この場合、入射波と反射波の波長が異なるのは、ドップラー効果です。
つまり、ネズミ捕りやスピードガンで使われているドップラーレーダー
の原理ですね。
つまり、ソーラーセイルが太陽から遠ざかっていることにより、入射光
より反射光の方が波長が長くなります。それに伴い、光のエネルギーも
変わります。
ではソーラーセイルが遠ざかっていないならエネルギーが得られないの
ではないか、と問われるなら、その通りです。
じゃあ初速度が0なら、ソーラーセイルは加速を始めることが出来ないの
か、と問われるなら、それは違います。仕事率は 0 でも力は 0 じゃな
いですから。
ドップラー効果で加速できるのでしょうか (スコア:2, 興味深い)
のは了解しました。しかし、そのような(光のすべての運動量を
セイルの加速に利用しない)微小な効果ではたしてセイル
の加速が可能なのでしょうか。人工衛星への効果をあげてられる
かたもいらっしゃいますがちと信じられません。すくなくとも、
太陽の重力に逆らわなくてはいけないですよね。
たとえば、彗星の尾が太陽と反対に向くのはこの効果なのでしょうか、
それとも(荷電粒子の)太陽風のせいなのでしょうか。
#みなさま、あまりケンカ腰にならず思考実験と議論と雑談と
#を楽しまれるのがよいかと思います。
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t-nissie
Re:太陽光とて完全な平行光ではないのです (スコア:2, 参考になる)
太陽光を使って太陽の温度以上にものを暖められないことは、加速できるかできないか、ということとは直接関係ありません。
Thomson散乱は、光子エネルギーが電子静止質量エネルギーに比べて十分小さいときのCompton散乱の極限であり、本質的に同じ現象の異なる光子エネルギーに対する呼び方ですので、ごっちゃもなにもありませんし、i-nakさんの指摘のように、反射した光子のエネルギーが小さくなることとは直接関係ありません。太陽光はほとんど可視光ですから、Compton散乱によるエネルギーの変化は無視できます。さらに、鏡での反射、すなわち導体による光の反射は、導体中の自由電子の位相の揃った集団運動による現象ですので、単純なThomson散乱ではありません。
結局、何をおっしゃりたいのかよくわからないのですが、Goldの主張を擁護しているのでしょうか?また、早川先生の立場、というのは何でしょうか?
論文の要約 (スコア:5, 参考になる)
の通りだと思います。
「太陽光帆船と鏡」の要約
熱力学にはカルノーの法則というのがある。カルノーの法則は、熱機関から
得ることのできる最大のエネルギーを示している。例えば、温度T1の熱浴
(訳注:温度が一定の物質)と温度T2の熱浴があるとする。T1はT2より高
温だとする。温度T1の熱浴から、温度T2の熱浴にエネルギーが流れる時、
その過程から自由エネルギーを取り出すことが出来る。その自由エネルギー
は運動などに変えることが出来る。(訳注:例えば、蒸気機関やエンジンな
どはその原理を用いている)この時、取り出すことのできる最大のエネル
ギーは、熱浴間に流れるエネルギーの (T1-T2)/T1 倍である。つまり、熱浴
間の温度差が大きいと取り出せる自由エネルギーは多くなる。また、2つの
熱浴の温度が等しければ(T1=T2)、自由エネルギーを取り出すことは出来な
い。これがカルノー遼∥Г任△襦
さて、太陽光帆船を考えてみる。帆は薄いプラスチックシートか何かで出来
ているとしよう。まず始めに、この帆が完全反射の鏡で出来ているとする。
すると太陽光は帆で完全に反射される。太陽光の温度は測ることができる。
そして、帆で反射された光の温度も測ることができる。今、帆は完全反射の
鏡なので、入射光と反射光の温度は同じはずである。つまり、入射してから
反射するまでエネルギーが流れる間、温度の変化は無いのであるから、カル
ノーの法則より自由エネルギーは取り出せない。そのため帆船を動かす力は
働かないことが分かる。
次に、帆が完全吸収の黒体(訳注:全ての光を吸収するものを黒体という)
であるとする。太陽光は黒体に吸収されるため、この吸収されたエネルギー
が帆船の運動エネルギーになり帆船は少しだけ加速するが、その加速もすぐ
に止む。なぜなら、太陽光の吸収で帆の温度が上がり、そのうち太陽光の温
度と同じになってしまうからだ。帆の温度が上がると黒体放射を出すから、
結局、太陽光を吸収したとしてもそれと同じ温度の光を黒体(帆)が放射し
てしまい、カルノーの法則からこれまた自由エネルギーを得ることができな
いことになる。
光を物質のように思えば、帆にぶつかって反射したり、光の運動量を帆が吸
収したりすれば、運動量保存の法則から、帆船が動くと思うかもしれない
が、運動量保存則が導かれたニュートンの時代には、光の運動量などは考え
られてもいなかったので、単純に光に対して運動量保存則を適用することは
できない。第一、光のエネルギーを E だとすると、光の運動量は E/c で与え
られる(cは光速)。それに対して、物質の運動量は mv である(vは速度、
mは質量)。mv はベクトルであるが、E/c はスカラーである。つまり運動
量保存則は光には適用できないのだ。
これから何百万ドルもかけて宇宙に帆船を飛ばし、太陽光推進船の実験をし
ようという計画があるが、以上のような考察により、帆船は動かないので無
駄です。
E=mc^2 の初等的証明 (スコア:3, 興味深い)
完全に吸収させる。
これにより、物体のエネルギーは E だけ増えるはずである。
また、E/2 のエネルギーの光の運動量は E/2c であるが、左右
から光を当てるため、運動量の総和は 0 であり、物体の運動は
変化しない。
この過程を、物体に対して、速度 v で上に (つまり、光の当
たる方向と垂直に) 運動する系から見ると、この系では、物体
は速度 -v で動いている (下方向をマイナスとする)。したがっ
て光が当たる前の物体の運動量は - Mv である (v は十分小さく、
ニュートン力学の式がそのまま使えるものとする)。
また、この系で見た光の運動方向は、「光行差」により、θ= - v/c
だけ傾くことになる (- なので下向き)。その結果、上下方向の光
の運動量は、E/2c * - v/c = - Ev/2c^2 となる。左右から当たる光
は、どちらも下向きに傾くので、左右方向の運動量は相殺して 0 に
なるが、上下方向の運動量は相殺せず、総和は - Ev/c^2 となる。
したがって、「運動量保存則」により、光を吸収した後の物体の
運動量は、
- Mv - Ev/c^2 = - (M + E/c^2)・v
となる、既に述べたように、物体の運動は光の吸収前後で変化しな
いので、この系で見た物体の速度は、光を吸収する前も、後も、- v
のままである。速度が変化しないのに運動量が増加した、というこ
とは、物体の質量が E/c^2 だけ増えた、と考えられる。
…というわけで
「光の運動量が、方向が反対だと相殺される」
「光行差で光の方向が変わると、光の運動量の方向も変わる」
「光の運動量を、『水平方向』『上下方向』の成分にわけて考えられる」
は、「光の運動量はベクトルである (E/c はその『大きさ』である)」事を
前提としており
「吸収後の物体の運動量は吸収前の物体の運動量と光の運動量の和である」
は
「光と物体の系でも、運動量は保存する」
を前提としています。
このおっさんの説によると、E = mc^2 すら成り立たないのでした。
つか、ポインティングベクトルとか聞いたこと無いのか、このおっさんは。
Re:論文の要約 (スコア:1)
> い。これがカルノー遼∥Г任△襦
> い。これがカルノーの法則である。
Re:論文の要約 (スコア:1)
そもそも、完全反射の鏡・完全吸収の黒体、という仮定があり得ないんでは?
で、完全じゃないとどうなるかって?分かりません(汗
Re:論文の要約 (スコア:1)
単に、その分ソーラー・セイルの速度が遅くなります。
簡単な近似では、理論性能に反射率をかけたもんが
だいたいの効率になるかと。
Re:論文の要約 (スコア:2, 興味深い)
>大笑いしました。これが全てみたいですね。
しかし、E/c という値ががスカラーだというのは、
正しいんですよね。
それから、非コヒーレントな光と物質との間に対しても運動量
保存則が成り立つかどうか実験的に確かめられていないことも
確かな気がするんですよね。
落とし穴はまた別の場所にありそうな気がします。
Re:論文の要約 (スコア:1)
> >大笑いしました。これが全てみたいですね。
>
> しかし、E/c という値ががスカラーだというのは、
> 正しいんですよね。
先生!秒速20m/sで走る質量500kgの車の運動量を計算してみました。
質量=m=500[kg]
速さ=v=20[m/s]
運動量=mv=10000[kg m/s]
kg m/sはスカラーなので、運動量mvもスカラーです!!
# スカラー波が聞こえてるのでID
## 最近の/.-jじゃネタにはネタと書かないと分かってもらえない?:-)
Re:論文の要約 (スコア:1)
>保存則が成り立つかどうか実験的に確かめられていないことも
>確かな気がするんですよね。
非コヒーレントでなければ、間接的に実験上で観測されてますよ。
輻射圧ではないけれど、「放射圧」「微粒子」「レーザー」「捕捉」などの
キーワードで調べてみれば、ぽろぽろ見つかるはずですが。
さすがに、光子一つの運動量変化を観測するのは難しいんで、
簡単に直接観測は出来ないと思います。
#非コヒーレント/コヒーレントで区別する理由が思いつかないの
#だけど、なぜわざわざ波長の揃わない光に限定するのでしょう?
#非コヒーレント/コヒーレントで光子のもつ性質が本質的に変わる、
#ってことなら理解できなくもないけど、変わりましたっけ?
---- redbrick
Re:論文の要約 (スコア:1)
> 輻射圧ではないけれど、「放射圧」「微粒子」「レーザー」「捕捉」などの
> キーワードで調べてみれば、ぽろぽろ見つかるはずですが。
普通はレーザーなんかを当てると、物質の表面が加熱されて、
その熱のために、表面付近の気体が熱膨張してしまいます。
従って、観測される加速は光と物質間の運動量保存による加速ではなくて、
気体の圧力による加速なわけです。
純粋に、光圧による加速のみを観測した実験はありますか?
私が知っている限りでは、コンプトン散乱がありますが、
この場合はガンマ線が使われますので、
波長が短いのでほとんど粒子みたいなものです。
波長の長い光でも同じく運動量保存が成り立って、
加速されるかどうかはちょっとわかりません。
Re:論文の要約 (スコア:1, 興味深い)
まぁ、別にいいけど。
レーザー光での放射圧観測実験は、光の屈折時の運動量変化が
物質に影響を及ぼす、はっきり言ってしまえば運動量を与える、という
もので、収束したレーザーの集光点にレーザーを屈折させる物質の球体の
中心点を引き寄せる、と言うものです。
#引き寄せてるので、照射方向と逆の方向からの運動量成分も
#与えられています。
ちなみに、使用しているのは赤外レーザー光です。
#一応、観測事実だけあげておきます。
>普通はレーザーなんかを当てると、物質の表面が加熱されて、
>その熱のために、表面付近の気体が熱膨張してしまいます。
全ての物質で、有意なレベルでその様な現象が起こる、と言うことであれば、
それは常に正しいでしょうが、有意じゃないレベルでしか起こらない場合は?
#レーザーを反射したり集光したりする光学系部品では、発熱は
#無視できるレベルですよね。
その有意じゃないレベルで起きていて、観測しづらい現象が
光子の運動量変化の物質への影響だとしたら、あなたは観測すべき
現象を一生捉えられないでしょうね。
#例えば、外乱の方が大きい場合には、そんなに小さい力の存在を
#無視していい、と言うわけではないでしょう?
#外乱を排除して、その存在を確認できる実験系を組んで観測するまでは
#実際に存在しないとは断言できない。
まず、「レーザーを当てたら物質は発熱する」と考える前に、
その物質の、特定波長での反射率と吸収率、屈折率を考えてみては?
それに、実験系の選定にも難点があります。
・・・照射する物体の周囲が気体じゃない場合は想定されないのですか?
わたしが挙げた上記の観測実験の環境は水溶液系なので、周囲にあるのは
水ですし。
集光したレーザーですら、水溶液の熱流動、ブラウン運動に負けそうな
くらい低いオーダーの力なので、実験環境の選定は非常に
慎重にしなければなりません。
また、水に対しても吸収度が非常に低い波長で行っているので、
周囲の水の加熱などは起こりませんし、熱流動が起これば
すぐに負けてしまうような弱い力なのです。
>従って、観測される加速は光と物質間の運動量保存による加速ではなくて、
>気体の圧力による加速なわけです。
>純粋に、光圧による加速のみを観測した実験はありますか?
誰も加速の話なんてしてませんが。
#わたしが挙げたのは「輻射圧」ではなくて「放射圧」だ、って
#きっちり書きましたよ。
---- redbrick
Re:質問 (スコア:2, おもしろおかしい)
ひとの素性を詮索して、楽しいんだろうか。。。
それに全く当たってないし。
というか、そうあって欲しいという願望が込められてるんでしょうね。
もし僕が初めに、どこどこ大学の物理学科の教授です、とか書いてから
同じ議論をしたら、有り難がって、信じるんだろうな。
そして、逆に、高卒で独学の素人物理学者だと言えば、
全く同じ議論でも、散々にけなすんだろうな。
いやー、優秀な研究者が日本を去って行く理由がよく分かるよ。
結局は肩書きだもんな。
Re:論文の要約 (スコア:1)
何を言いたいのか、意図がつかめませんが。
#レーザーを使用してのコヒーレント光での観測は非常に簡単だと
#思いますが、キセノンランプや太陽光のだだっ広い波長をすべて
#カバーしていながら、ある波長の光子一つの運動量変化を見るなんて、
#実験のための前提の作り方が間違ってますよ。
#それが出来る技術があるんなら、止めやしませんけどね。
光子一つの基本的な性質が変わらないのであれば、そういう
実験のしやすさを、より手間のかからない方を選択することで
実現性を上げることもアリだと思ったので、わざわざ区別して
何の意味があるのかと思ったのですけど・・・。
---- redbrick
Re:論文の要約 (スコア:1)
> #思いますが、
これも難しいと思う。
宇宙空間で実験する以外に確認する方法が無いような気がします。
Re:論文の要約 (スコア:1)
そのぶん自由エネルギーを捨てるということですから、
どちらの方向に向かって捨てるにしろ、鏡の帆と同様、
加速のエネルギーを得ることはできません。
> 棄てられないと仮定しても、
> サイクルでない「行ったきり」光帆船は可能であることだ。
これはそのとおりで、もとの論文も、上限として帆が太陽と同じ
温度(6000K。エントロピー増大の法則、すなわち熱は温度が高い
ほうから低いほうへのみ流れ逆は不可、からこの温度より高温に
なることはできない。)になるまでは加速が可能だといっています。
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t-nissie
おお、この人は! (スコア:3, 参考になる)
書いてあることはよくわかりませんでしたが、 (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:書いてあることはよくわかりませんでしたが、 (スコア:3, おもしろおかしい)
#名言だと思ったのでID
written by こうふう
どっちが正しいか分かりませんが、、、 (スコア:2, 参考になる)
理論的に納得できない現象もあるかと思います。
まあ、これまで様々な現象を説明することに
成功した理論に基づいて考えた結果、納得が
行かないという主張は至極真っ当なものでは
あります。
# 間違って無茶苦茶な論文を書いて発表しても
# 白い目で見られて終わりです。それ以上には
# 何もありません。
# arXiv.orgに流れる論文は(たしか)レフリーが
# 付かないので、内容や主張は何でもありです。;-P
しかし、究極的には、何が正しいかは自然に聞か
ないと分かりません。
つまり、実験してみないと何が正しいかは分かり
ません。
JPLだって、新しい技術をいきなり大規模な実験に
適用するとは思えませんし、仮に実戦投入を前提に
していたとしても、今回の論文が発端で新技術に
疑問が残るのだとしたら、検証実験を行うはずです。
追記: やっぱり検証実験(Tech demo flight)はやる
(もうやっている?)ようです。
JPLのロードマップ [nasa.gov]参照
Re:どっちが正しいか分かりませんが、、、 (スコア:1)
arXiv はその名の通り単なる archive です。
単に研究成果を登録するところです。
結果として学術雑誌に掲載されているものが多数登録されています。
最新のものはどこかに投稿して「審査中」なのが多いです。
雑誌に投稿するほどのものではないコメントを登録してる人も居ます。
そんな感じなので「レフリーが付かない」という表現はちょっと
誤解を招くかもしれません。
#確かに arXiv に登録するには何の審査もないので
#そうなのですが、登録されているものの大半は
#レフリー付きの雑誌に掲載された論文でして、当り前ですが、
#それらはその雑誌のレフリーの審査は受けています。
中には arXiv に登録されてから1年以上経過してから雑誌に
accept されるケースもあります。まぁ、abst を見ると
Journal-refって field がついてるかどうかで雑誌に掲載された
論文かどうかはわかるのですが。
明らかに盗用だったりするものは強く抗議すると登録抹消されるようです。
Kiyotan
よくわからんけど (スコア:1, 参考になる)
太陽からの輻射光とは別じゃないのかな?
ど素人なんでAC
Re:よくわからんけど (スコア:2, 参考になる)
Re:よくわからんけど (スコア:2, 参考になる)
ソーラーセイルの理論などについてはこのページ [kyushu-u.ac.jp]が良くまとまっています. これも概念を打ち立てたのはツィオルコフスキーなんですね. いまさらながらビックリ.
Simon Newcombさんって? (スコア:1)
Simon Newcombさんてどういう発言をしたんでしょう?
確か動力機関を発明する黎明期に「人間は時速30Km以上の速度では呼吸できない、自動車や機関車を作っても乗っている人は生存できないから無駄だ」と言った人がいると聞いてますが、その人ですか?
-----------------
#そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
Re:Simon Newcombさんって? (スコア:5, 参考になる)
SImon Newcombさんは天体物理学者なんですが, 1901年に動力飛行は不可能とする文章 [msstate.edu]を発表しちゃったんです. ところがほとんど間を置かずライト兄弟が見事に成功. 赤っ恥をかいてしまったという話です.
この失敗は計算の元となる数値を単なる変数ではなく, 原理的に定まる定数と取り違えてしまったことが原因です. 思い込みがいかに目を曇らせるかという典型的な例として技術者・科学者は知っておかなければならない話なのですが, 全く同じ間違いをしでかしている本が「科学的」というキャッチフレーズでベストセラーになっているんですから世も末です.
Re:Simon Newcombさんって? (スコア:2, おもしろおかしい)
と、いうことは、ソーラーセイルもまもなく実用化に成功しその後発展すること、が約束された、ということになるのでしょーか :-)
# そのためのわざとの発言だったり?(←考えすぎな)
Re:Simon Newcombさんって? (スコア:2, 興味深い)
「空中を長距離飛行する機械をつくることが実際に不可能であるということは、いかなる物理的真実の証明にも劣らず完全に証明された、と私には思われる」
と発言した方です。
なおその発言があった頃は、すでにグライダーはバンバン飛んでおり、Wright兄弟による人類初の動力飛行も1~2年後に迫っていました。
光子って・・・ (スコア:1)
光子が電子と荷電粒子との相互作用を仲介する役割を持つと捉えるとすれば・・・
アルミ箔の電子と光子と何が関係してくるのでしょうねぇ・・・
ニュートン力学で考えること自体無理な話なのでは・・・?
ちょっと意表を突かれました。 (スコア:1)
もし、ターゲットが動かない場合、それは1:光速が無限大である、2:プランク定数がゼロである、3:光の波長が無限に長い、4:アインシュタインはやっぱり間違っている! ……というような可能性があるでしょう。
Re:ちょっと意表を突かれました。 (スコア:1)
E=mc^2は何も関係ないです。一番naiveには単に光子はエネルギーE=hν、運動量p=h/λの粒子として考えて2体問題を考えるだけ。
mizukiさんは宇宙関係の技術者らしいですが、本当なのですか? 正直、こんな高校、もしくは大学初等レベルの物理が理解できていないのはやばい(国にとっても、また御本人にとっても)と思います。
/* 本気で心配なのでID */Re:ちょっと意表を突かれました。 (スコア:1)
アインシュタインはトンデモ科学の主目標の一つですから、
この論文を利用して彼らが展開してくる論理を
思考実験してみたのではないかと。
私も、この論文を根拠とした
「相対性理論は間違っていた!」本が出てくることは
ほぼ確実だと判断してます。理屈も全く同じでしょうね。
Re:ちょっと意表を突かれました。 (スコア:1)
ちなみに地球近傍では4.6×10^-6(N/m^2)程度の推力が期待できる模様。
光子の力を無視されると (スコア:1)
# ネタだけどID
実際に作って飛ばしてみるのが正答を見つける早道かも。
Re:昔々あるところで、 (スコア:3, 参考になる)
黒い方の温度が上がることでビンの中に残っているわずかな気体分子を暖めた結果、黒く塗った側だけ気体の圧力が高くなって羽が押されるのが原因。
機器をオーブンでベークインして真空度を上げると、この装置については動かなくなる。
ソーラーセイルとはまた違う装置ですな。
いなんず[いつでも前向きでイタい]
Re:昔々あるところで、 (スコア:1)
> 気体分子を暖めた結果
これが正解です。私の文章は逆になってます m(_ _;m
--- Toshiboumi bugbird Ohta
Re:昔々あるところで、 (スコア:3, 興味深い)
それによると、欧米では20世紀初頭までに「熱作用」で決着がついていました。ところが、日本では1978年の文部省の「中学校・指導書理科編」でも電子の衝撃による説明がなされていました。この論文が書かれた時点(1993年)では、著者たちの研究がきっかけになって「熱作用」説が教科書に取り上げられたり、他のやりかたで電子の概念を教えるようになってきたそうです。
物理は苦手だけど、ID
おっと、先に言われた (スコア:1, 参考になる)
悔しいのでラジオメータの画像 [google.co.jp]などを
Re:昔々あるところで、 (スコア:1)
あの回転子は、希薄な空気の中に封入されてまして、反射面で
熱的に加速される気体分子と、黒体面でそれがない気体分子の
圧力差が、回転エネルギーに変換されているのです。
通常の空気圧では、その差分が気圧に対して相対的に有意な
差とはならないので、光が照射されても回転は起きません。
一方完全な真空でも、気圧差が発生しないので、回転は起きま
せん。
--- Toshiboumi bugbird Ohta
逆じゃないかな (スコア:1)
したがって
黒体面周囲の気体分子が温められる(加速される)。
Re:たかだかTypoで (スコア:2, すばらしい洞察)
> 太陽光は黒体に吸収されるため、この吸収されたエネルギが
> 帆船の運動エネルギーになり帆船は少しだけ加速するが、その加速も
> すぐに止む。
の後
誤 : なぜなら、太陽光の吸収で帆の温度が上がり、そのうち太陽光の温度と
同じになってしまうからだ。
正 : なぜなら、太陽光の吸収で宇宙の温度が上がり、そのうち太陽光の温度と
同じになってしまうからだ。
つまり、ソーラーセイルはたった数百億年の間しか動けないので
巨視的に見れば動かないも同然です。
Re:たかだかTypoで (スコア:1)
ま、宇宙の温度も帆の温度も船の進行に関係がないからいいんだけど。
運動量保存により吸収された光のエネルギーの一部が船の
運動エネルギーに分配されることが保証され、全部が熱エネルギーに
なるわけではない。いったん運動エネルギーになったこの
エネルギーは帆の黒体輻射に関与しない。