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宇宙最初の星からの光 33

ストーリー by yosuke
光はただそこにある 部門より

BBCの記事New Scientistの記事より。SSAIのAlexander Kashlinskyらは、Spitzer宇宙望遠鏡を使って、宇宙で最初に誕生した星からの光を捉えた、と発表した(Spitzer宇宙望遠鏡のプレス・リリース)。この成果は、11/3のNatureで発表されている。
ビッグバン直後の宇宙には、水素とヘリウムのみで重元素がなかったため、冷却が進まず、種族III(Population III)と呼ばれる太陽の数百倍の質量をもつ恒星が形成されたと予想されている。これらの恒星が宇宙再電離化の原因であり、そこから放出された紫外線が近赤外線背景放射の原因ではないかといわれている。 研究チームは、Spitzerに搭載されている赤外線カメラ(IRAC:Infrared Array Camera)で観測した赤外線背景放射から、前景にある恒星や銀河などからの放射分を取り除いた。その結果、残った放射には銀河などからの放射分よりも大きな異方性があったとのこと。これは、Population IIIのような大質量星のものである、と研究チームは説明している。また、異方性の分布からすると、これらは集団で存在しており、形成されてから散らばる時間がなかったということで、Population IIIのような短寿命の恒星であることを間接的に証明しているとのこと。
ただ、今回の発見にはまだ議論するべき点も多く、CaltechのRichard Ellisは同じNature誌上でいくつかの注意すべき点を挙げている。New Scientistが記事の最後で述べているように、James Webb宇宙望遠鏡の稼働まで、この問題は解決されなかったりするのだろうか。

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