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日本の科学技術は20年後に世界をリードしない? 198

ストーリー by yoosee
科学技術立国には先行投資が必要 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

朝日新聞の記事 日本のリード、否定が半数 科学技術20年後 本社調べによると、「20年後に日本の科学技術が世界をリードしているとは思わない」人が全国世論調査(電話)の半数に上ったそうだ。具体的には「世界をリードしている」とみる人は33%にとどまり、「そうは思わない」が56%だった。科学に「興味があるほう」と答えた人でも「興味がないほう」と答えた人でもその傾向は同じで、男女の差もあまりなかったとのこと。

その一方、「学校教育で、理科や数学の時間をもっと増やすべきだ」は44%、「いま程度でよい」は38%だった。 また、先端技術の国家的な戦略分野である宇宙開発の進め方については「いま程度でよい」が49%を占め、推進と縮小の立場はともにほぼ2割だった。他にも、

  • 科学技術の発展に「期待を感じる」は54%、「不安を感じる」は37%だったが、女性に限れば逆に各42.48%
  • 女性の不安が典型的に表れたのが「遺伝子組み換え食品」への拒絶反応で、この技術が食品に使われているか「気にする」が69%、「気にしない」が30%だった(男性では逆に「気にしない」が53%で、「気にする」43%)。
等、興味深い結果となった。科学や技術に「興味がある」/.erはこの数字、どう思いますか?
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 基礎研究 (スコア:5, すばらしい洞察)

    by greentea (17971) on 2007年05月01日 9時38分 (#1150790) 日記
    基礎研究を疎かにして、何が科学立国だってんだ。

    10年後、20年後のことを全く考えないで
    すぐに金になる研究にしか飛びつかないようだと、
    将来のことを考えてコツコツ研究してきた国に
    10年、20年先、勝てるわけがないでしょうが。

    # と、思っている工学部生
    --
    1を聞いて0を知れ!
    • Re:基礎研究 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Catfish (33833) on 2007年05月02日 9時54分 (#1151391) 日記
      将来のことを考えてコツコツ研究してきた国は日本も含まれていたはず。
      しかし、創業者が成功を収めると、その次の世代は成功のプロセスを無視して金策ばかりを考えるようになる傾向が強いようですね。

      技術力のさらなる発展を担うのは次の世代の子供たちです。
      基礎研究の発展も、先人の積み重ねたものの上に立って、さらに積み重ねるからこそ発展するのであって、先人を無視して最初から積み上げても到達点は先に伸びません。
      だからこそ、教育が大切であり、先輩の技術者は後輩の技術者に技術を伝達することが大切なのです。

      しかし、資本家に都合の良い偏った成果主義や、個人主義の蔓延によって、即金に結びつかない伝達の作業がおろそかにされていることが、今後の科学技術の発展の弊害になるだろうと思います。

      日本の経営者、政治家は個人主義の見本市みたいなものだから、改善は難しいかも知れませんね。
      親コメント
  • 高性能なロケットを打ち上げれば、やれ成功率が100%じゃない、やれコストが高すぎる
    将来性に優れた新エネルギーを立ち上げれば、やれ信頼性が100%じゃない、やれコストが高すぎる
    画期的な遺伝子技術を開発すれば、やれ安全性が100%じゃない、やれ神の領域がが不可侵だ
    革命的なナノテクノロジーを生み出せば、やれ健康に影響が、そんなものが本当に必要なのか
    実用的な薬剤を普及させれば、やれ薬害が、やれそんな病気で死ぬ奴はいない

    叩いて叩いて叩いて叩き潰して、挙句「日本は欧米にこんなにこんなに遅れている」ときたもんだ。
    楽な商売だね。
  • by tsuya (14020) on 2007年05月01日 11時44分 (#1150874) 日記

    科学技術が世界をリードしないとどんな不都合があるのか、という問いの答はあまり自明ではないですよ。 少なくとも個人レベルで、不都合だ、と実感している人はいかにも少なそう。 科学技術セクタで国際競争している労働者の大半よりも、それを報道している平均的な新聞記者の方がサラリーは高いでしょう。 ですから、就業インセンティブの低い分野の競争力は衰えるであろう、と、アンケートに答えた人の多くが思ったのだとすれば、それは意外に妥当なのかもしれません。

    理系は不遇か、というのはよく言われる論点ですけど、私としてはむしろ、国際競争しているか否かでサラリーにどういう影響があるか、の方が興味があります。 日本に関して、個人的には、日本語の壁や特殊指定・外資規制などで守られているメディアセクタ、国際業務の利益率で苦戦していても国内で巨額の預かり資産を獲得できる金融セクタ、高い関税や数量規制で輸入モノから守ってもらえる農業セクタ等の方が、サラリー合理性が高そうに思われます。 また、頭脳に自信がある人は弁護士あたりを目指すべきかと。

    個人的なひがみでしかないのかもしれませんが、私としては自ら職業選択の自由を行使した結果の責任は負う所存ですので、上記は批判ではなく現状認識である、と表明しておきます。

    いわゆる理系を選択するインセンティブにしても疑問の余地がいくつかあります。 理科や数学の授業より他の科目の方が大事だ、と思っている人も少なくないでしょうし、突き詰めれば結局バランスの問題になるでしょうから容易に結論は出ないでしょう。 おまけに教育コストが高いので私立大学では理系学部の学費が高く、今や国公立大学でも高くなろうとしている [srad.jp]? それでもなんとか先端技術を修めて科学の進歩に貢献すると女性にキモいと思われる? ...or2

  • by shoji12 (14093) on 2007年05月01日 11時13分 (#1150848)
    1.義務教育が、科学的技術的に行われていない。
      ほとんどの教諭は、文学的感覚的に教育活動をしている。例えば、議論は技術だと思ってもいないから、生徒たちにしゃべり方を教えることができない。

    2.法令のいじり方を教えない。
      長いことかかって多くの国民が、法令をいじれないようにしてきた人たちがいて、その影響力を現在も持っている。例えば、議員の多くは立法能力がないから、どこをどういじれば、「科学技術的」国家に変貌させられるか判らない。

    3.税金がどう使われているか関心をもたれないようにしてきた。
      1円の単位まで、厳密に追究できるようなシステムをわざと作らなかった。「科学技術的」予算がいくらか判らない。

    これらの理由により、何事にもあいまい感覚的文学的なままでも生きていける社会となってしまった。
    「科学技術的」教諭を、今の教諭と同じ人数投入することができれば、事態は改善するかも。
    しかし、「美しい国」などという非論理的用語を使う人がいるようでは、教諭の数を倍増させるなんてことは考えもつかないでしょう。
    「電信柱が一本もない国」=「美しい国」だと思っている輩より。
  • 趣旨 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by tondeke (29053) on 2007年05月01日 9時12分 (#1150778) ホームページ 日記
    あんまり科学や技術に「詳しくない」文系人間ですが、この記事は調査対象が科学という言葉に対してどういう印象を持っているのか、何を想像して回答しているのか、まったく定まっていない、価値のない調査のように思います。

    数学、原子力、遺伝学、そりゃ期待もするし不安にもなるでしょう。
    リードしてる分野も倫理的に表立って成果が見えていない分野もあるでしょう。
    危険と隣り合わせの分野も、万人をハッピーにする分野だってあるかもしれないでしょう。

    でもこの記事が科学のどのへんに対して警鐘をならしたいのかが、さっぱりわかりません。
    学校教育関連の話題なのかと思ったらそうでもないようですし……。
    • Re:趣旨 (スコア:3, すばらしい洞察)

      by NAZZ (13040) on 2007年05月01日 11時46分 (#1150875) 日記
      最後の原発、遺伝子組み換え批判に結論づけるために、形式上アンケートを
      やっただけにしか見えない。
      親コメント
      • by ken2 (27347) on 2007年05月01日 13時15分 (#1150934)
        1.臨界事故隠しなど原発での多数の不適切事例が明らかになり、議論を呼んでいますが、20年後、日本の科学技術が世界をリードしていると思いますか?
          「世界をリードしている」「そうは思わない」
        2.遺伝子組み換え食品が議論を呼んでいますが、科学に興味がありますか?
          「興味があるほう」「興味がないほう」

        # 冗談ですよ、一応。
        親コメント
    • Re:趣旨 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by malark (30540) on 2007年05月01日 10時11分 (#1150806) ホームページ
      全国の研究者~人に聞きました
      であったなら、まだ警鐘にもなったんでしょうけど...全国世論調査って...

      20年後景気がいいと思いますか?くらいの価値しかないと思われます。
      "自分が見えている範囲の現状"から楽観するか悲観するかしか選択肢がない。
      予測というより予想?
      景気が悪いと思っていれば悪い側に傾くし、逆も然り。
      本当に"みんなこう思ってるよ"って事しか分からないですよね。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年05月01日 9時10分 (#1150777)
    数学や理科って分類にされるとそれも無意味かとは思うけど

    # 全ての設問に「興味がない」の選択肢を与えるとどうなるか見たい
  • 様々な社会インフラの保守・管理・改良には、一定レベル以上の科学技術が必要である(今の社会が、あるレベル以上の科学技術の存在を前提としている)以上、世界のトップに立てなくても良いから、一定水準は維持するような方策は取るべきじゃないかな。

    最近、医療崩壊が話題になってるけど、この手の「有って当然」だと思ってたモノがヤバくなって大慌てなんてのは、これ以上、御勘弁願いたいので。

    回答者数が書かれていないとか、色々、ツッコミ所が有るような記事の内容について、アレコレ言うのも何だけど、一応。

  • by Anonymous Coward on 2007年05月01日 10時01分 (#1150803)
    >女性の不安が典型的に表れたのが「遺伝子組み換え食品」への拒絶反応で、
    >この技術が食品に使われているか「気にする」が69%、「気にしない」が30%だった

    遺伝子組み換え原料不使用とか言ってるものでも,遺伝子組み換え酵素を大量に使って
    生産されているという事は全然知られてないようですね...
    #例えばヨーグルトの中にはうじゃうじゃと....

    #ちょっとオフトピ気味でごめんなさい.
    • 女性の不安が典型的に表れたのが「遺伝子組み換え食品」への拒絶反応。この技術が食品に使われているか「気にする」女性が69%。「気にしない」30%を圧倒的に上回った。男性では逆に「気にしない」が53%で、「気にする」43%を上回った。

       「遺伝子」についての知識の有無が、こういう結果に結びついている。
      …と私は思います。

       啓蒙レベルや高校生物レベルの知識があれば、普通の農産物に含まれる組み替えたDNAそのものが人体に直接影響を及ぼすことなどありえない…と判断できるでしょう。一方、基礎的な知識がなければ、「遺伝子組み換え食品」は得体の知れない怪しげなものだと感じることでしょう。

      …という勝手な解釈が合っているとすると、この男女でのアンケート結果の差は、科学知識の性差やそれの生み出す環境などの色々と根の深い問題を含んでいそうです。

      #個人的には遺伝子を直接操作してでも食料の生産効率を上げるべきだと思っているのですが、農薬に対する耐性があるので雑草を根絶やしにしつつ栽培できるとかは「それでいいのか…?」と思いもします。
      親コメント
  • 結局…… (スコア:2, すばらしい洞察)

    by 9nu (12793) on 2007年05月01日 11時23分 (#1150858)
    この種のアンケートは「漠然とした不安」を利用してるだけで、実質そこいらの
    拝み屋と変わらないと思うのだが……

    日本の科学技術の発展に最も寄与していない、いいかれば最も足を引っ張っている
    のが、このアンケートに見えるのだが
    --
    犬が犬であるように、猫でありたい
  • 国語力 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2007年05月01日 12時49分 (#1150915)
    • 科学技術の発展に「期待を感じる」は54%、「不安を感じる」は37%だったが、女性に限れば逆に各42.48%
    • 女性の不安が典型的に表れたのが「遺伝子組み換え食品」への拒絶反応で、この技術が食品に使われているか「気にする」が69%、「気にしない」が30%だった(男性では逆に「気にしない」が53%で、「気にする」43%)。
    この文章をみて、逆に国語力について不安を感じる。
  • by SNT (23129) on 2007年05月01日 9時13分 (#1150779)
    70点を100人生産するのが、これまでの教育方針だとすると、
    ゆとり教育とかは1人の100点と99人の50点を生み出す。
    その結果平均点は確かに下がったが、
    飛びぬけて優秀な人を作り出すことには成功した。

    その結果、その100点の人々が日本の科学技術をリードするような研究をするようになった。
    (70点が不足するので、研究者と労働者は足りても、技術者は足りなくなりますが)

    っていう楽観論はだめですかね?
    • Re:少数精鋭化 (スコア:5, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2007年05月01日 9時22分 (#1150782)
      99人が1人の足を引っ張って、引きずり落とそうと躍起になります。
      結果、100点を取れる一人はそれから身を守るのに一生懸命で、1点分の仕事しかできなくなります。それがゆとり社会。
      親コメント
      • Re:少数精鋭化 (スコア:2, すばらしい洞察)

        by hokuto (16888) on 2007年05月01日 13時56分 (#1150955) ホームページ
        ゆとり教育以前の社会が、トップクラスの人間を引きずり落とさなかったかというと、疑問が残ります。
        いわゆる受験戦争の時代から、「ガリ勉」というのはある種蔑視の対象でしたよね。
        受験戦争という言葉自体、ほぼ常に否定的な文脈の中で登場していましたし。
        少なくとも、僕の知る限りでは、「勉強に没頭すること」そのものへの批判というのは確実にありました。

        ゆとり教育が盛んに行なわれるようになってからは、例えば学習塾などの地位は大幅に向上しましたね。
        子供を塾に通わせることに抵抗感を感じる親も随分減ったように見えます。
        博物館や大学の科学教室を見ても、特に教育熱心でなくとも、娯楽として科学そのものと接する親子が大勢います。
        これは、古い時代にはとても考えられなかったことではないでしょうか。
        (見世物としての科学、あるいは科学の成果は昔から親しまれていたでしょうが)

        ゆとり教育とその成果の最大の問題はもっと別のところにあるのであって、勉強ができる子への社会の風当たりは、むしろゆとり以降では弱まっている、というのが僕の見方です。
        親コメント
    • by sunnydaysundey (32697) on 2007年05月01日 10時49分 (#1150826)
      私も少数精鋭のほうがいいと思っています。

      こういう話って
      「野球で世界をリードするために日本の学生全員を甲子園に出場できるレベルにしよう」
      と言ってるようなもので、ついていけない。

      科学好きなGeekの多い/.-Jでは「もっとやれ」という論調になるでしょうけど
      生徒の大半には迷惑です。
      野球好きな人から野球押し付けられても迷惑なように。

      野球だって楽しいけど、全員に無理に押し付けられて特定のレベルに達しろと言われたら苦痛でしかない。
      科学の話自体は面白いものでも、結局はテスト項目を増やすものであって
      後で暗記する苦労を増やすものだと分かってる状況では。

      学校の体育の授業だけで甲子園にいけるレベルにはなれないけど
      だからといって生徒全員の体育の授業をそんなレベルに上げられても困る。
      科学教育は、野球やサッカーと同じように、少数精鋭で
      早期から専門教育・トレーニングを施すほうがいいだろうと思います。
      実際、学校でやる内容と先端的な研究との乖離が大きくなると
      そういう方向へ進まざるをえないのではないかとも。

      #トピックとあまり関係ないことですが、ゆとり教育の話になると
      #自分ではろくに勉強しなかった人間達ですら「今の生徒にはもっとやらせろ」の大合唱ですね。

      親コメント
      • Re:少数精鋭化 (スコア:3, すばらしい洞察)

        by taka2 (14791) on 2007年05月01日 14時04分 (#1150960) ホームページ 日記
        上を伸ばすよりも、下を持ち上げて欲しいですね。野球で例えるなら、
        「学生全員が野球のルールを理解しているようにしよう」
        ぐらいで。
        ルールぐらいは知っていれば、野球を見ることを楽しめるでしょうし、
        次の世代がが野球選手になるなどと言ったときなどに、その意志を理解しやすくなります。

        全員が科学技術の深いところを知っている必要はないけど、基礎的なところは全員が知っていて欲しい。
        それだけでも、疑似科学に騙されたりとかする人はだいぶ減るんじゃないでしょうか。

        こういうのは科学に限った話じゃなく、そういう広く浅い基礎知識を習得するのが「義務教育」だと思います。
        親コメント
    • by saitoh (10803) on 2007年05月01日 11時16分 (#1150852)
      昔は勉強のできる子はクラスの中でもちょっと偉い存在でした。浮いた存在になることはあっても、迫害はされなかった。 今では勉強ができるといじめられるらしい。 これで、「一人の100点」が出てくるとはとても思えない。

      実際、成績の良い「上澄み」が行ってるはずの旧帝大あたりからも学生のレベル低下を嘆くこえが聞こえてくるし。

      結局、「勉強すれば良い暮らしができる」という欲が復活しない限りダメじゃないかなぁ。

      親コメント
    • by ken2 (27347) on 2007年05月01日 10時33分 (#1150819)
      労働者も作業マニュアルなど日本語を読める必要はあるわけで。意味を勘違いしたまま作業して異常を知らせず、加工した材料が無駄になってしまった、ってのがNHKでやってました。材料の損害ならかわいいほうで、いずれ命も落とすことにもなるでしょう。
      こちらの記事 [sankei.co.jp] でも似たようなこと触れてますね。

       「『怠惰』って何」
       「『まごまごする』ってどういう状態?」
      科学教育は国のみのためではありません。「あるある」や「水からの伝言」、ひいては水質やドロドロ血や水子がどうのこうのといった詐欺から身を守るためのものでもあります。数学を少し知っていればねずみ講にも引っかからないでしょう(日本の詐欺的保険には引っかかるかもしれませんが)。

      #「科学技術」って用語も何とかならんかな。
      #「科学を利用した技術」という意味にしかならん。
      #「科学と技術」とか「技術科学」とか。
      親コメント
      • >70点を100人生産するのが、これまでの教育方針だとすると、
        >ゆとり教育とかは1人の100点と99人の50点を生み出す。
        >その結果平均点は確かに下がったが、
        >飛びぬけて優秀な人を作り出すことには成功した。


        どうしてこういう事を思いついたのか分かりませんが、ゆとり教育でこんな結果が生まれたという統計上のデータというのは存在するんですかね?ゆとり教育の批判と言うときに、何故ゆとり教育という物が主張されて(これは今現在ゆとり教育を批判しているメディアの力が大きいですよね?)、誰によってどのように実行されて結果どのような現実に至ったのかという調査って見たことがないのですが。
        この記事 [sankei.co.jp]
        「『怠惰』って何」『まごまごする』ってどういう状態?」
        なんかもそうですがメディアの印象操作ではないかと思う。
        ゆとり教育が提唱され学習指導要領に反映された1977年 [wikipedia.org]の大学進学率は38.4%(22-17進学率と就職率 [stat.go.jp])(昭和52年ですが50年のデータしかないので50年のデータ)です。じゃあ今はどうかと言えば平成17年度は51.5%な訳です。パレートの法則ではありませんが、一定以上の学力を持つ人間というのが全体の割合に占める率というのは往々にして半分より遙かに低いわけですから、大学進学率が上がれば昔なら大学に来なかった"出来ない学生"も多量に進学してくるわけです。

        よくブログが流行しだしてから、インターネット上のコンテンツの質が落ちたとか、Googleの検索結果の精度が落ちたとか言いますが、ネット上のhtmlデータは年を追うごとに倍々ペースどころじゃない増え方をするのに連動し、ライトユーザーも大量に発生しているわけですよね。結果的に質の高いデータの全体に占める割合というのは減ってゆく。

        ですから、出来ない大学生が増えていることが事実であっても、出来る大学生の絶対数が減っている事にはなりませんよね?中学生レベルの分数計算を10人にやらせて正答率8割という事実を前にして、2人も出来ない奴がいると驚くのは勝手ですが、仮に正答率がかつて9割を超えていたとしても大学進学者の絶対数を考慮してみれば、出来る大学生の絶対数がどれだけ変化しているのかは分からないはずだと思うわけです。

        仮に分母が増えたせいで現状に問題が起きているならば、大学進学率を下げればいいのかというと、それはちょっと違う気がする。昔は怠惰や、まごまごすると言う言葉の意味が分からずにそのまま就職していた人が、大学に来ることでその意味を知るチャンスを得たと考えるべきだと思う。このテの問題についてのメディアの報道というのは常に、「昔はこんな大学生はいなかった」と誘導するような報道が多いですが、そもそも「昔はこんな大学生はいなかった」と言う発想の裏には、「自分が大学生の時はこうではなかった」と言う記憶の捏造があるとおもう。(何故記憶が捏造されていると断言するかと言えば、例えば20歳上の世代を見ると彼らは学生時代に学生運動をしていた世代ですから、学校で勉強していたはずがないわけです。また、いま大学で研究者として第一線で働いている人達と話しても、学生時代は殆ど遊んでいたという人って少なくないですよね。)

        「昔は良かった」「自分or昔はそうでなかった」という「今を憂いて過去に想いを寄せる」思考の軌跡は、「最近の若者は・・・」と壁画に描いていたメソポタミアの粘土板から今に続くデジャブーとしか思えない。
        親コメント
    • Re:少数精鋭化 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2007年05月01日 9時42分 (#1150794)
      70点の人が上にいるので100点分の能力を発揮することができません
      親コメント
    • Re:少数精鋭化 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Tamanegi99 (33395) on 2007年05月01日 9時57分 (#1150801)
      そして、優秀な1人は研究環境と待遇のよい海外へ出て行き、
      日本には、使えないその他大勢が残ると。
      親コメント
    • Re:少数精鋭化 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by gonta (11642) on 2007年05月01日 11時55分 (#1150883) 日記
      その1名が、「待遇改善」「発明対価」などを要求するが、却下され、残り99名とあまり違いがない待遇を受ける。アホらしくて、海外に逃亡。

      人事とか評価システムに問題があると思うよ。がんばって「できます」「やります」っていって、仕事が集中し、以降これらの言葉を絶対に言わなくなった人、/.erにもいるでしょ?
      --
      -- gonta --
      "May Macintosh be with you"
      親コメント
      • by e2718 (23583) on 2007年05月01日 12時54分 (#1150920) 日記
        >以降これらの言葉を絶対に言わなくなった人

        で思い出したのだが、

        古代文明を支えてきた奴隷達は、現在の歴史認識よりも遙か昔に
        車輪やテコなどの画期的な発明をしていたそうな

        しかし彼らは、
        「これらの画期的な発明は、
         自分たちを苦役から解放してくれる物ではなく
         新たな、そしてより過酷な苦役をもたらす物である」
        と考えたらしい
        そのため、いくつもの発明が歴史に埋もれてしまったのだト

        当時の人間に直接話を聞くわけにはいかないから
        真偽の程は定かではないが、
        今の自分には、妙に納得できるなぁ〜
        親コメント
    • Re:少数精鋭化 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2007年05月01日 12時25分 (#1150900)
      問題を簡単にすればみんな100点じゃね?ってのがゆとり教育です。
      親コメント
    • by mola (29791) on 2007年05月01日 12時05分 (#1150887)
       日経ビジネスの記事「あえて変わり者になれ [nikkeibp.co.jp]」を読んで思ったのですが、技術というのはどういった信念の上に成り立っているか、どんな経験を経て取得するか、そしてそれをどうやって継承するかに尽きるのではないかと思います。
      親コメント
  • 科学オンチ大国・日本 (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2007年05月01日 9時41分 (#1150793)
    スラドの住人はともかく、 日本人はこういうアンケートに答えるには科学オンチ過ぎるでしょう。
  • 【大丈夫か日本語・上】大学なのに…中学生レベル6割!? [sankei.co.jp]

    割り引いて読んだとしても結構恐ろしい未来が待っているような気がする。
    技術・研究云々よりもそのベースとなる言語能力や教養がないってことだと将来は暗そうだなぁ。
  • 日本の妄想科学・技術 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2007年05月01日 10時37分 (#1150820)
    日本の妄想科学・技術が世界の科学・技術を触発し、牽引しているのだから、心配ご無用。
  • by fiercewinds (22740) on 2007年05月01日 12時55分 (#1150922) 日記
    NEETと一緒で、力を持たない存在は食い物にされるんだよね。
    基本的に企業のバックアップがメインになるから、世界をリードするような革命的な発明への投資は少なくなるし。

    アメリカみたいに科学者のバックアップ団体があると少しは違うのかな [hatena.ne.jp]?
    従来は大学が担っていたところだけど、今はすっかり骨抜きだからね……
typodupeerror

一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy

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