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212604 story

Linux カーネル開発者の高齢化が進んでいる 82

ストーリー by reo
長老たちのバザール 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

LWN.net の編集長 Jonathan Corbet 氏は「Linux カーネルの開発者は高齢化が進んでおり、若い開発を惹きつけていない」と指摘したそうだ (InformationWeek の記事japan.internet.com本家 /. 記事より) 。

これは 4/14 〜 16 の日程でサンフランシスコで開催されていた Linux Foundation Collaboration Summit のパネルディスカッションでの発言。Linux カーネルの開発者 Andrew Morton 氏も開発者の高齢化を認めており、それと共に開発者らが「疲れてきており、以前のようなやる気や熱気で開発に取り組む人々は減った」と指摘する。ただし、これは開発者がより深いレベルでカーネルを理解し、修正に伴う複雑さに取り組む姿勢があることも意味しているという。コードも人も複雑になり、現在の開発プロセスには「我々でさえ 10 年前なら投げ出したような」要素もあるとも述べたとのこと。

2 ヶ月ごとにリリースされるカーネルには毎回およそ 1 万の修正が含まれており、これに貢献している開発者は 1,100 〜 1,200 人いるとのこと。この多くが Linux カーネルに貢献するのは初めてという開発者であり、プロセスそのものが衰えているわけではないと Morton 氏は補足する。

開発者の高齢化に関しては、他にも「髭に白いものが混じるようになった人は増え、それと共にコーディングに関する知識も増えた。Linux カーネルの高齢化は開発者らが死に始めるまで続くだろう」といったコメント (SCSI サブシステム開発者 James Bottomley 氏) や、「上層部での新陳代謝は起きておらず、(昔からいる) 我々がまだそこにいる。もし我々が邪魔なようであれば言ってくれ」といったコメントなど (sysfs サブシステム開発者 Greg Kroah-Hartman 氏) もあったそうだ。

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  • だいたい (スコア:5, おもしろおかしい)

    by gonta (11642) on 2010年04月20日 12時11分 (#1751337) 日記

    毎年1歳ずつ平均年齢が上がっているそうです。
    #*BSDのコミュニティが元ネタ

    --
    -- gonta --
    "May Macintosh be with you"
    • ずいぶん違うぞ (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2010年04月20日 12時40分 (#1751370)
      Linux:毎年1歳ずつカーネル開発者の平均年齢が上がるが、利用者の平均年齢は大きな変動がない。
      *BSD:毎年1歳ずつ開発者・利用者の平均年齢が上がる。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        BSDはミニコン世代、Linuxはマイコン世代が中心と言われますね。
        マイコン世代の次は、AmigaのDEMO世代?
        優秀な人は映画制作とかゲームのミドルウェアとかに流れてるのかな。

    • by Takahiro_Chou (21972) on 2010年04月20日 20時06分 (#1751693) 日記

      大丈夫、後、何十年か後には、平均年齢を求めようとしても、NaNが返されたりする事態が発生し、その後、半永久的に、同じ状態が続きます。

      親コメント
  • もうそろそろ新聞記事に (スコア:4, おもしろおかしい)

    by fx (21145) on 2010年04月20日 12時14分 (#1751338) ホームページ 日記
    「若者のLinuxカーネル開発離れが深刻に」
    • by Anonymous Coward
      既出 [srad.jp]。しかも「離れるにはまず近づかなきゃダメだろ」とか思ってたらそれもすでに言われてた。
  • 見習いたい (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2010年04月20日 12時10分 (#1751335)

    >「上層部での新陳代謝は起きておらず、(昔からいる) 我々がまだそこにいる。
    >もし我々が邪魔なようであれば言ってくれ」

    年寄りには、若い者に座を譲る寛容さが必要だ。

    いや、別に面倒な仕事を押し付けてるわけじゃないんだ。
    君に経験を積ませるために任せてるんだ。マジだって。
    後で松屋一回おごるから。

    • Re:見習いたい (スコア:3, すばらしい洞察)

      by elderwand (34630) on 2010年04月20日 13時15分 (#1751405) 日記

      > 年寄りには、若い者に座を譲る寛容さが必要だ。

      定年が無いからね。

      #ご近所の老人会が似たようなものって聞いた事がある。
      #もっとも、この場合の若い者は定年後なんだけどね。

      親コメント
  • タネンバウム教授 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2010年04月20日 12時25分 (#1751350)

    Linuxの開発が崩壊したら、ここぞとばかりにアンドリュー・タネンバウムが
    「私が20年ほど前に忠告したとおり、Linuxはモノリシックカーネルを選ぶ
    べきではなかった。Minixのようなマイクロカーネルの方が(以下略」
    とか言われそうだなw

  • 魔法使いだけに技術の継承が出来ませんでした。

  • 例えば、Windowsだと、高齢化問題を抱えていないのでしょうか?

    今ではLinuxも趣味ではなく、RedHatなりのLinux関連企業に雇われて開発している人も多いと聞きます。本文中にも

    これに貢献している開発者は 1,100 〜 1,200 人いるとのこと。この多くが Linux カーネルに貢献するのは初めてという開発者であり、プロセスそのものが衰えているわけではないと Morton 氏は補足する。

    とありますので、若い開発者が少ないとかではなく、全体像が見えている人や本当に複雑な部分を理解している人、Linuxに命を賭けている本当に熱心な人が増えていないということでしょう。

    けれどもそれは、金を積めば何とかなる問題でもないように思うのです。
    Linux以外のプロジェクトで、長年続いていてコード量や複雑さも年数に応じて複雑化しているのに、同様の問題を抱えていないプロジェクトってのはあるのでしょうか。
    または、あったとしたら、どのようにして問題を回避しているのでしょうか。

    # それよりも、Linusが引退したら誰がまとめていけるのでしょうか?
    # そのへんはMicrosoftはうまくやったと思いますが。

    --
    1を聞いて0を知れ!
  • 「気に入った!家(LKML)に来てカーネルをハックしていいぞ!!」-新人カーネルハッカーの勧誘および養成について、Greg Kroah-Hartman

  • いまどきC言語でHW hackingなんて、あまりにも地味な作業に見える。

    20~30年前には、実用OSをフリーウェアとして継続的に開発できるかどうか(GNU OS)、という命題の他に
    オブジェクト指向言語で分散OSを開発するためのアーキテクチャとか
    家電・携帯に組み込み可能なフットプリントの小さなマイクロカーネルの是非とか
    いろいろ人を惹きつける要素があったわけだけど
    ・ オブジェクト指向はユーザインタフェースやシステム設計の中に吸収
    ・ 分散OSは、インターネット対応でおしまい
    ・ 組み込み系は廉価1チップマイコンの高性能化でLinux移植可能に
    ・ 90年代初頭のマイクロカーネルはリアルタイム性に難があると言われつつ、主流OS(Win&Mac)に
    みたいな感じで、とっくにフロンティアが他に移動しているのが最大の原因のように思う。

    • コミニュケーションに問題のある人が話題を逸らしてしまったので、話を仕切りなおします。

      いまどきC言語でHW hackingなんて、あまりに地道で流行らない作業に見える。
      20~30年前のBSD~Linuxは、OSの研究開発というフロンティアへの
      判りやすい入り口としてそれなりに機能していた。
      しかし現在、OSの研究開発はフロンティアではなくなり、
      野心を持った優れた開発者を惹き付ける魅力を失っている。

      こうした長期衰退傾向は何もここ数年の話ではなく、
      Linuxが始まったその瞬間からわかりきった話だったはずだ。
      20年前Linuxムーブメントが始まった頃(1991年UsenetでLinux Kernel v0.01公開)
      すでにインターネットとWebが次の時代の革新の原動力となることは明らかだった。
      Linuxはその前の時代の問題(OS戦争、UNIXライセンス問題)の最終解決手段の一つであり、
      新しい時代への露払いに過ぎなかった。

      いまLinuxに優れた開発者を集めるには、魅力ある新たなビジョンの提示が必要だ。
      だがOSという枠組みで、それを提示するのは難しいように感じる。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年04月20日 12時33分 (#1751363)
    カーネルおじさんですね、わかります
  • by Anonymous Coward on 2010年04月20日 12時54分 (#1751385)
    人類を救う使命を背負った若者が
    大冒険の末にたどり着いたそこにいるのですね
    ヨボヨボの Linus が
  • by Anonymous Coward on 2010年04月20日 13時12分 (#1751403)
    GKHほどの人がいなくなったら代わりのできる人間なんかいねーだろ

    #という組織と仕組みになってしまっていること自体が問題なのかも
  • by Anonymous Coward on 2010年04月20日 13時35分 (#1751416)

    OSS界隈でこれほどまでに高度に、また複雑化したプロジェクトが存在せず
    また単なる1プロダクトではない性質を踏まえると、この話の終着点がOSSの限界を表してるかもしれませんね

    高度に洗練された技術は魔法と区別がつかない、というのはクラーク先生の原則でしたか
    既に素人から見たら魔法レベルまで昇華されたカーネル開発に入るのは高度な技術と
    尋常じゃないプレッシャーに耐えうるハートが求められるんでしょうね
    モノリシックカーネルの限界、とも言えるんでしょうかね。

    #まさかのGNU Hurd復活フラグか?
    ##まだはじまってもなかったか

    • by Anonymous Coward
      それをやったからといって報酬がもらえるわけでもないし、苦労に見合った
      名誉が得られるわけでもない。
      まだ単純だったころに参加して、ずっと続けていたのならまだしも、新しく
      参加することはすごく大変。

      プロプラなソフト開発なら、強制的に若い奴を参加させ、教育することも
      できようが、ボランティアではそれもできない。

      クローズドソースと違い、オープンソースだから大勢の開発者が見てくれる。
      だから安定して安全なのだ。
      と言われたのは最近の話だっただろうか。
      実際にはそんな理想的な結果にはならなかった。

      IBMはじめ、最近は大企業もLinuxへの技術提供を渋り始めている。

      抜本的な開発体制の改革が無い限り、Linux(カーネル)の技術的向上は
      あと10年、20年で限界に達して崩壊するんじゃないだろうか?

      周辺部分を集めて設定するだけのディストリだけは増えたが。
      • by kuramori (38110) on 2010年04月20日 17時06分 (#1751568) 日記

        IBMはじめ、最近は大企業もLinuxへの技術提供を渋り始めている。

        実例かソースをお願いします。初耳です。 AIXって見たことないな〜。Solarisがついてきたら笑える。

        親コメント
        • 世の中にはAIXの稼動数の方がLinuxのそれよりも多いデータセンターだってあります。

          ##あなたの知っている範囲は世界のすべてではありませぬ。
          ##亀の背中に世界が乗っていると空想した昔の人の方が想像力は上をいっている。
  • by Anonymous Coward on 2010年04月20日 15時13分 (#1751485)

    そもそもコアな部分を触る事ができる技術者の絶対数が世代的に減ってきてるだけのような気もする。

    今時は組み込み系やドライバですら
    高級言語と強力なライブラリやAPIを用意されてて気軽に開発できる。

    昔は在野にそういうのをガリガリとハンドスクラッチできる技術者がたくさんいたんだろうけど、
    今はわざわざ覚えようと思わないと身に付かないスキルなのかも。

    • 違うだろう (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2010年04月20日 20時22分 (#1751697)

      最近の若者は、
      (良い身でも悪い意味でも)ソフトウェアは何でもタダ(無料)でインターネットから入手できて、
      ちょっと際どい事でも調べれば何かしらの情報があって、
      見知らぬ誰かが勝手にバグを直してくれて、
      という状況に慣れすぎているのだと思う。
      だから技術レベル云々はもちろんの事、
      自ら何かを作り上げる気持ちはもっと退化していると思う。
      自分で調べる(ネット情報を集めるという意味ではなく)とか自分で何かを作り上げる
      という気持ちと共に、欲しい物、良いと思う物に対価を支払うという気持ちが薄れてきているだろうし、
      そういった状況に育った人は、
      [何でもある]、[誰かが作ってくれている]という期待ばかりで
      [じゃぁ自分で作ろう]とか[自分で改良しよう]という気持ちももてないのではなかろうか?

      元々がそうなのかもしれないけど、
      こういったプロジェクトに参加する人ってごくごく限られたマニアックな人だけども、
      既に世の中にあるもので満ち足りているのにさらに何かを作る/改良する人は
      さらに少なくなって当然だと思う。
      だって、自分で作るより誰かが作った物の方が早いし(場合によっては)安心だもん。

      # まとまりないですが、ここ1,2年に入社した奴らはとくにそんな気がしている。
      # プログラム作って「○○に紹介されていたのでコピペしたんですけど・・・」なんて言いやがる。

      親コメント
    • 教育にはコストがかかりますからね。

      アプリケーションソフトウェアの開発環境なら5万円程度で揃えられますが、カーネル開発に必要な機材を揃えるとなると、かなり敷居の高い事になります。USBやディスクの動作状態を把握するためにはラインモニターが必要ですが、通信の高速化と共にモニターの価格も高くなっています。232Cのころなら自作も可能でしたが、USBあたりになると不可能に近いです。

      元々お金のない若い世代が、それらのコストを捻出し、利益を生まない教育に投資するのは無理のある話です。職業プログラマであっても、コンポーネント化により低レベルなプログラムをおこなう機会は減っているので、カーネル開発能力を有するエンジニアは今後も減っていくでしょう。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      「自分で切り拓くしかない!」って状態じゃないと燃えないんだよね。
        え、ライブラリがある?そうですか。
        はぁ、このHowTo文書を読めば多い日も安心と・・・。
      って感じ。
      求めてるのは、
        何だよググってもろくな情報でてこねーぞ、誰もやってないのかよ!(怒)
        これじゃ自分で作るしかねーじゃん!
        ヤバくね?俺、超ヤバくね!?(ちょっと嬉しそう)
      みたいなブルーオーシャンでさ。

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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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