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宇宙

暗黒物質に迫るXMASSが完成、11月から試験稼働開始へ 45

ストーリー by kazekiri
見えない物質 部門より

tmp.tar.gz 曰く、

暗黒物質(ダークマター)を直接観測することを目指す東大神岡宇宙素粒子研究施設のXMASSが完成し、マスコミに公開されたとのことだ(時事通信読売新聞)。暗黒物質は、宇宙空間で観測されている物質の5-6倍を占めると考えられている存在が未確認の物質であるが、銀河や星の形成に 大きく関わってきたと考えられており、それを観測することには大きな意味がある。

観測施設は深さ1000mの地中に建設され、直径10m、高さ10mの円筒形の純水タンクの中に、直径80cmの銅製の球形検出器が収められている。 検出器内部は、零下100度の液体キセノンで満たされ、宇宙から飛来する暗黒物質が、キセノンの原子核に衝突する際に発生する微弱な光をとらえることになっている。来月から試験稼働し、来春にも本格観測に着手するとのことだが、最低でも月に1回衝突すれば検出できるそうで、観測開始から約1年半で、検出可能かめどが立つということだ。
ニュートリノのカミオカンデに続く神岡施設の快挙となるだろうか?

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  • 空目 (スコア:5, おもしろおかしい)

    by eukare (2230) on 2010年10月11日 19時52分 (#1838470) 日記

    暗黒のクリスマスが迫ってきたのかと。

    • Re:空目 (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2010年10月12日 9時08分 (#1838621)

      12月中旬までに
      「今年のXMASSは中止になりました」
      というニュースが流れたりするわけですね。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        追跡されている筈のアレの位置を幾ら目で探しても、アレが見えない理由を調べているのです。

    • by Anonymous Coward

      満たされているのに満たされない感覚の謎が解明されるのですっ

    • by Anonymous Coward

      祝ってやる?

  • 容器の銅 (スコア:4, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2010年10月11日 21時39分 (#1838508)

    容器の銅は、通常だと宇宙線等で放射化されてしまってノイズ源となるので精練したてのを持ってきてくれといわれ難儀しました
    #まさか銅で鮮度が問題になるとわ(苦笑)

    • Re:容器の銅 (スコア:4, 参考になる)

      by bakuchikujuu (16666) on 2010年10月12日 1時29分 (#1838568) ホームページ 日記

       精錬前に放射化しているのでは…?と疑問に思いました。が、銅の放射性同位体はどれもこれも半減期が短いのですね。

      >銅(Cu)は63Cuと65Cuの2種の安定同位体と多くの放射性同位体を持つ。放射性同位体の大部分は半減期が分単位かそれ以下であるが、最も長いのは67Cuの61.8時間である。
      http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%85%E3%81%AE%E5%90%8C%E4%BD%8D%E4%BD%93 [wikipedia.org]

       ならば、化学的に高純度な銅はほとんど放射性はない、と。なるほど。

      親コメント
      • Re:容器の銅 (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2010年10月12日 9時37分 (#1838629)

        高純度といっても4N8ぐらいですけどね(ガス成分(S,O)も計算に入れて)
        ほんとは6Nがよかったんでしょうけど、あれだけの量になるとお値段のほうが・・・・(汗)

        親コメント
    • Re:容器の銅 (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2010年10月12日 4時50分 (#1838593)

      こらこらそんな話をすると、

      「放射線を通さない厚い岩盤下の倉庫で十年寝かせた銅で作ったノイズレスオーディオケーブル」

      とかピュアオーディオ業界に新たな材料を与えちゃうでしょ。

      親コメント
      • by saitoh (10803) on 2010年10月12日 14時15分 (#1838832)
        いやいや、「銅線は自然放射線で劣化するので、半年ごとに買い換えないといけない」っていうほうが儲かって良いのでは?
        親コメント
        • by Anonymous Coward

          む? 両方でいいんじゃね?
          「放射線を通さない厚い岩盤下の倉庫で十年寝かせた銅で作ったノイズレスオーディオケーブル」は放射性が完全になくなってピュアな音を出しますが、これですら「自然放射線で劣化するので、半年ごとに買い換えないといけない」
          って感じで。

    • by Anonymous Coward
      一番いい銅を頼む。
  • by Anonymous Coward on 2010年10月11日 20時12分 (#1838473)
    「零下100度の液体キセノンで満たされ」た「直径80cmの銅製の球形検出器」を「純水タンクの中」においたら水が凍結するような気がするのですがそんなことはないんですね
    • まあ当たり前の話ではありますが,断熱層で囲まれてます.
      たれ込みのリンク先にある現状報告やらに建設中の図やら断面図がありますのでご覧ください.

      http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/status.html [u-tokyo.ac.jp]
      http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/gallery/index.html [u-tokyo.ac.jp]

      http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/gallery/XMASS800kg_vessel_v9_tr... [u-tokyo.ac.jp]
      ↑の銅製の外殻容器が二重になっていますが,この中を真空に引いて断熱層にします.
      (もっと極低温まで冷やす装置の場合は間を真空に引くだけでなくスーパーインシュレーターを入れたりしますが,このぐらいの温度だとそこまでは要らないかな)

      親コメント
    • 同じく馬鹿なので分かりませんが, 液体の水と固体の水で, 大きく違っていそうなのは分子の配置が結晶化してそろっているかどうかだけのような気がするので, 今回の実験に関してはあまり影響が無いようにも思えるのですが, 実際のところどうなんでしょう?

      親コメント
      • >分子の配置が結晶化してそろっているかどうかだけのような気がするので

        この推測は正しいです.だからこそ,わざわざ凍らせないわけで.
        凍らせたらメンテが大変でしょ?

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          >この推測は正しいです.だからこそ,わざわざ凍らせないわけで.

          水と氷とでは体積も違えば光の屈折率も違うことは小学校でも習いますよね?
          水槽側面にはカミオカンデのように光電子増倍管が取り付けられるんですよ?
          なにがどう正しいのか意味がわからないんですが

          • by rhodamine (32563) on 2010年10月12日 15時32分 (#1838877)

            わかりやすく説明しましょう.

            水か,氷かというのは,計測対象であるチェレンコフ光の発生とい
            う現象の本質にはほとんど影響しないと言うことです.

            屈折率とか,膨張するとか,そういうことは技術的な問題で,仮に
            どうしても氷でなくてはならない理由があれば科学者は万難を排し
            て氷からのチェレンコフ光を捉えようとするでしょう.

            屈折率に至っては技術的な問題にもなりません.

            これでお分かりだと良いのですが.

            親コメント
          • えっと間違っていたら教えてほしいのですが, 今回の装置は暗黒物質を捕獲するのはキセノンで, 水槽はバックグラウンド雑音を遮蔽するために存在します. したがって光電子倍増管が設置されるのは銅球の内側で, 水槽側は関係ないと思うのですが.

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            屈折率はどうでもいいが、普通に凍結したら体積の膨張で壊れますな

            実際には体積と比熱の差で、液化キセノンがあったまるだけだと思うけど

            • by Anonymous Coward

              >屈折率はどうでもいいが
              チェレンコフ光は屈折を起こさないとでも?

      • by Anonymous Coward
        水の方は常時浄化して循環させるらしいので、凍ってしまうと循環が止まるからダメじゃないかと。
        循環してる以上、液体キセノンとの間の断熱がそれなりにあれば凍らないとは思いますが。
      • by Anonymous Coward

        水タンクはキセノンタンクよりも外側にあるので、
        水はキセノンに接していると同時に外界にも接しています。
        水をキセノンと同じ温度にするとしても、
        水と外界との間に断熱が必要で、断熱が必要なことに
        変わりはありません。(水を凍らせる選択をすることに
        よって、断熱を省略できるわけではありません)

        それに、1トンのキセノンに加えて本来冷やす必要のない
        800トンの水を冷やすより、1トンのキセノンだけを
        冷やす方がずっと楽です。

        ですので、水は液体のままのほうがいいです。

  • by Anonymous Coward on 2010年10月11日 20時54分 (#1838494)
    小柴先生にはヨーダのコスプレをしてもらい杖をついてほしいぜ
  • by Anonymous Coward on 2010年10月11日 21時39分 (#1838509)
    どうやって埋め込んだの?
  • by Anonymous Coward on 2010年10月11日 21時42分 (#1838510)

    >宇宙全体の物質エネルギーのうち、74%が暗黒エネルギー、22%が暗黒物質(暗黒物質 [wikipedia.org])

    らしいので、観測を開始すればしょっちゅうぶつかるような気がするんだけど。

    • 問題は相互干渉の発生率じゃないかと。

      すでにスーパーカミオカンデを含む、幾つかのニュートリノ検出器が稼働していても、通常の物質以外でニュートリノ以外な反応はノイズに埋もれるレベルか、そもそも検出されてなかったんだと思います。

      # あればどっかが報告出すでしょう。
      # そもそもカミオカンデ当初は陽子の崩壊を観測しようとしてたんだし...

      なんで、とにかくいままでの検出器レベルでは相互作用が見えないので、さらに高性能というか高感度な装置にしたんでしょう。
      さらに言えば、ニュートリノでの検出も排除できるような仕組みになってるのかも?

      スーパーカミオカンデと違うのは、検出に期待するパラメタが違うからかな...?

      --
      M-FalconSky (暑いか寒い)
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2010年10月11日 22時09分 (#1838517)

      まず、全エネルギー量と数は一対一には対応しません。
      例えばニュートリノは数eV以下の質量で、暗黒物質がニュートラリーノなら数GeVとか数百GeV以上ですので、もし両者の総エネルギーが同じぐらいならニュートラリーノの数は9桁以上少なくなります。まあ、実際にはトータルではニュートリノよりも暗黒物質の方が総エネルギーはかなり大きいのですが、このように質量も絡むため単純に数が多くはなりません。
      #ちなみに電子は1MeV、陽子が1GeVぐらい。

      また、(何が正体かにもよりますが)暗黒物質自体がニュートリノと同じかそれ以上に相互作用しにくいため、原子核のごく近傍まで接近しないと相互作用がほとんど起こりません。原子核は非常に小さいため物質中で占める体積は極端に小さく、このため大部分の暗黒物質は物体に突き当たってもほとんどすべてがすり抜けて行ってしまいます。これは、ニュートリノは膨大な数が飛び回っているけれど、検出しようと思ってもなかなか引っかからないのと同じです。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      一様に分布しているから、低密度過ぎてなかなかぶつからない、ということはない?
    • by Anonymous Coward

      修正ニュートン力学 [wikipedia.org]が正しいとすると、そもそも暗黒物質はないので心配ないですyo

      # 似非科学じゃないよ。こういった説も一定の説得力を持つほど、まだ不確かなところもあるということで。

  • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 6時54分 (#1838597)

    > 検出器内部は、零下100度の液体キセノンで満たされ、宇宙から飛来する暗黒物質が、
    > キセノンの原子核に衝突する際に発生する微弱な光をとらえることになっている。

    じゃあ水は何のためにあるの?
    暗黒物質はまず水(水素か酸素)の原子核に衝突するのだと思ってた。
    だからこそ、巨大なタンクにたっぷりと水を入れるわけで。
    キセノンは単なる冷媒じゃないのかなあ?ちなみにキセノンの沸点は-108℃、融点は-112℃。

    • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年10月12日 8時40分 (#1838615) 日記

      >キセノンは単なる冷媒じゃないのかなあ?

      たれ込みリンク先の修論にいろいろ書いてありますが,Xeを利用することにはきちんと意味があります.
      #専門外の分野だと修論ぐらいが一番読みやすくて詳しくていいんですよね.
      この辺が分野外でも読みやすくてわかりやすかったかも.
      http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/publist/master-hosaka.pdf [u-tokyo.ac.jp]

      ・密度が高い(衝突回数の増加)
      ・蛍光物質として発光量が多く波長もまあ適切(検出が容易)
      ・自己遮蔽性がある(外部からのノイズの影響を受けにくい)
      ・循環精製がしやすい
      ・沸点が高く,それほどごてごてとした断熱や液化機が要らない

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 8時50分 (#1838617)

      > 暗黒物質はまず水(水素か酸素)の原子核に衝突するのだと思ってた。

      ちがうよ。

      http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/detector.html [u-tokyo.ac.jp]

      にあるように、キセノンは暗黒物質と衝突することで暗黒物質を検出するためにあります。一方、水は、

      http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/index.html#xmass [u-tokyo.ac.jp]

      にあるように、外部からの放射線を遮蔽するためのものです。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      今回は周囲からの放射線バックグラウンドを遮蔽するために純水が使われています。
      検出器の外側を銅で覆ってさらに約800トンの純水で周囲のノイズを遮るわけです。
      ちなみに約-100℃ [u-tokyo.ac.jp]だそうですが、沸点や融点は圧力で変化します。

      #10×52π≒785.4トンだしね

      • by Anonymous Coward

        >#10×52π≒785.4トンだしね

        10×52π≒785.4トン、です。すみません。
        #supダグ打ってプレビューするつもりがうっかり投稿orz

        で、これを約800トンて発表するのはどうなの?と思ったんですが、
        内径10mで実際の高さが10.2Mくらいあれば800トン越えますね。 
        #「約○○」に突っ込んでも不毛だねw

      • by Anonymous Coward

        > ちなみに約-100℃だそうですが、沸点や融点は圧力で変化します。

        XMASSの800トンの水は、どのような圧力に置かれるのでしょうか?

        • by Anonymous Coward

          > XMASSの800トンの水は、どのような圧力に置かれるのでしょうか?

          1気圧、というか大気圧でしょうね。
          それでも底面付近は1kg/cm^2の水圧になります。
          たいしたこと無いと思うかもしれませんが、底面1平方メートルあたり10tonの力が常にかかります。
          側面は上に行くほど水圧が小さくなりますが、分厚いステンレス鋼板が変形して膨らみます。
          もし加圧するとしたら原子炉のようにコンクリートで固める必要があるのでは?

          一方、キセノンは沸点と融点が近く、気化や凍結が防ぐために温度と圧力を一定に保つ必要があります。
          キセノンも

  • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 9時51分 (#1838639)
    肝心の暗黒物質相互作用は観測されず、陽子崩壊が検出されたりしてな。
  • by Anonymous Coward on 2010年10月13日 9時45分 (#1839356)
    暗黒物質を検出するための装置だそうだけど、
    暗黒物質って書かれると分子と思ってしまうんだけど、
    分子みたいに大きければ、数十メートルの岩盤を透過してたどり着くことなんか出来そうにないと思いますけど。。。
    仮に粒子だとして、ニュートリノ並みの透過性を持っていることになるけど、
    まだ発見もされてしない物なのに、なんでそんなことがわかるんだろうか?
    • >まだ発見もされてしない物なのに、なんでそんなことがわかるんだろうか?

      発見されていないからです.
      経緯としては,銀河だのその中の星だのの運動から,重力による相互作用を持つ何か(でも見えない)がたくさんいないといけないことがわかりました.
      当初はブラックホールだのなんだのじゃないかと言われていましたが,いろいろ調べるとそれでは全く重さが足りないことがわかりました.
      この当時,「見えない何かの物質がいる」と言うことから暗黒物質という名前が付けられましたので,本当に「物質」なのかどうかも確定ではありません.なお,分子など以外でも,素粒子でも物質に分類されたりしますので,「物質」と言うだけでは特に分子のようなものを意味はしません.

      さらに,星の運動などからすると,銀河系内に比較的満遍なく散っていることもわかります.
      凄くたくさんの量の「何か」が,そこらじゅうに沢山いるのに見えない,と言うことは,その「何か」は他の粒子とほとんど相互作用しないことがわかります.
      #相互作用するなら,衝突などによって光を発するため.

      つまり,
      ・そこらじゅうに沢山いる
      ・でも発見できない
      という二つの情報から,相互作用がほとんど無いことは確実になるわけです.

      ではその正体は何か,と言うところはまだ結論が出ていません.一応,現代物理の理論の延長上で,「多分これなんじゃないか」という候補は出ていますが,発見されていないので確定ではありません.「今の理論からすると,あり得るのはこれ.だから観測するにはこういったことをすれば良かろう」という推定で実験をしています.見つかればその予測が正しいのかどうかがわかりますし,予想外に見つからないなら理論のどこかに問題があるんだろう,と想像が付きます.

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      暗黒星雲や星間物質のような物がダークマターでは、と言われてた時期もありますね。
      あえて何かに例えるなら、エーテル的な何かだと思ってください。

      #そのうち暗黒物質推進とかサブ暗黒物質時空とかが実用化されるかも(違

      • by Anonymous Coward

        サブ暗黒物質時空

        アドン [wikipedia.org]的な何か?
        #アッー

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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級

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