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日記

箱根山の噴火警戒レベルが3に、ごく小規模な噴火が発生 24

ストーリー by hylom
やっぱり噴火だったというオチ 部門より
masakun 曰く、

6月29日正午から夕方にかけて、箱根山の大涌谷周辺で粒子状のものが降りました(NHK ニュース47News)。

29日午前7時32分から5分間、箱根山で常時観測を始めた2010年11月以来、この日初めて火山性微動を観測。その後地震回数が増加し、9時と12時台に有感地震も発生しました(箱根山 火山の状況に関する解説情報 第60号読売新聞)。12時45分ごろ大涌谷に近い県道を通行していた気象庁機動観測班の車両の窓ガラスに「雨にまじった灰のような降下物」が確認されました。この後箱根登山ケーブルカー早雲山駅でも小雨に混じった降下物が確認されました(NHK ニュース)。

しかし現地調査の結果、大涌谷の地すべり地帯に「新たな噴気孔を確認」、大涌谷の周辺に降ったものは「この噴気孔からの土砂の噴き上げによるものと推定され、この現象は噴火ではないと考えています」と気象庁は発表しました(箱根山 火山の状況に関する解説情報 第61号)。

これに対し火山学者らがTogetterで異議を唱えています。というのも気象庁による噴火記録の基準は「固形物が噴出場所から水平若しくは垂直距離概ね100~300m の範囲を超すものを噴火として記録する」とあるのですが、この固形物がマグマ由来である必要はないのです。地質学で火山灰とは粒子サイズ 2mm 以下の「火山の噴火によって放出された火山砕屑物」であり、溶岩以外であれば何でもよいことになっているそうです。

箱根火山がきわめて小規模な水蒸気爆発を起こしたと気象庁が認める日は来るのでしょうか(Togetter)。

その後の30日、気象庁は大涌谷でごく小規模な噴火が発生したとみられることを発表、噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き上げた(産経新聞)。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 東京新聞:大涌谷周辺で降下物 地元、県、対応に追われる:神奈川(TOKYO Web) [tokyo-np.co.jp]

    四月下旬から始まった火山活動で初めて火山性微動を確認したことについて、県温泉地学研究所の研究員は「浅い所で起きており、地下十キロ付近にあるマグマの移動に伴う微動ではなく、熱水の移動に伴うものではないか」と分析。「単発なのか、続発するのか数日間は見極める必要がある。山体膨張のペースは六月から鈍化している」と話した。
    (略)
    同日夕記者会見した片山真応急対策担当課長は「現場は蒸気がすごく、目視できない状況だった。視界の状況をみて規制区域内の確認をする」と話した。杉原英和災害対策課長は「地殻変動が鈍化していることもある。気象庁の判断があると思うが、今のところは想定の中ではないか」と、警戒レベル引き上げには否定的な見方を語った。

    昨日の火山性微動後の地震活動は回数こそ5月より下回るが依然として活発で、温地研によると6/30 8:00 までの 24 時間の地震総数は 409 回、主に中央火口丘の深さ 0-5km で発生。低周波地震が起きてないからマグマが上がってきてないとしても、明日は梅雨前線による降雨の予報もありさらなる地すべりで噴気孔が拡大する恐れもある。

    火山性の噴気が強いところでは、火山ガスの影響で岩石が変質して粘土のように柔らかくなり(火山性変質)地すべりが起こりやすい。大涌谷は地すべり対策工事が行われているが、現在は立ち入れない状況。すでに「目視できない状況」というのに、今ある噴気孔が「火口」でないとどう判断したのか気になるところだ。

    --
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    • by Anonymous Coward

      降下物を分析すれば分かるんではないですかね。
      新しいマグマ起源の岩石や火山灰であるのかは、降下物を分析すれば判定できます。

      • by Anonymous Coward

        火山学者が異議を唱えているのは新しいマグマ由来であるか否かで噴火を判定することの是非を言っていて、現状の気象庁の基準で新しいマグマ起源の物質を噴火認定の不可欠な一要素としているのなら、判定そのものには問題は無い。

      • by Anonymous Coward

        熱水による水蒸気噴火とかでも十分危ないのは御嶽山で実証されたんだから、
        「新しいマグマ起源の岩石や火山灰」であるかどうかは分類以上の意味は薄いのでは。
        予測のヒントにはなっても、被害予測のヒントとしては微妙でしょう。

        • 新版地学教育講座2 『地震と火山』(東海大学出版会)7章 火山災害を防ぐ [hayakawayukio.jp]より

          火山で噴火が始まったとき,翌日あるいは一週間後に何が起こるかを予知す
          るためには,現在進行中の噴火の状況を正確に把握することが欠かせない.目
          の前で起こっている噴火を理解することなしに未来を予測しようとすることは
          無謀である.噴火を観測して記述する目的のために,人工衛星・気象レーダー
          による噴煙の観測,テレビや新聞で報道されるものも含めたビデオ映像とスチ
          ル写真の解析,噴火堆積物の調査が積極的に推し進められる必要がある.

          箱根火山でも堆積物の調査が続けられた結果、65万年前から3000年前(冠が岳の溶岩ドーム)までのマグマ噴火の歴史が紐解かれ、3000年前以降から現代にいたるまで少なくとも5回の水蒸気爆発(大涌谷テフラ1~5)があったことが知られている。その最後の3回は12~13世紀に起こっている。今回の地震活動で再三水蒸気爆発の可能性が示唆され続けた一方、20万年前と同様のプリニー式噴火で軽石流が神奈川県を埋め尽くす心配を大勢の人がしていないのは、これらの研究のおかげ(再生回数を上げて稼ぎたい一部の Youtuber がプリニー式噴火の危険を煽った動画を作成していますけど)。

          噴出物の調査は、今後の被害予測のヒントに十分つながるものですよ。

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    • by Anonymous Coward

      噴火警戒レベルが3 [jma.go.jp]になっちゃいましたね。

  • 箱根山 新たに3つの噴気孔を確認 NHKニュース [nhk.or.jp]

    気象庁によりますと、箱根山の大涌谷では、30日、新たにできた噴気孔でごく小規模な噴火が発生したことが確認されたほか、1日も大涌谷にある建物のガラスに火山灰の付着が新たに確認され、気象庁は、断続的にごく小規模な噴火が発生している可能性があるとしています。
    気象庁が、2日、神奈川県の温泉地学研究所と行った現地調査の結果、先月29日に見つかった新たな噴気孔は直径が20メートルほどあり、そこから100メートルほど北西の場所に3つの噴気孔ができているのが新たに確認されました。
    3つの噴気孔からはいずれも白い噴気が勢いよく噴き出しているということです。

    火山名 箱根山 火山の状況に関する解説情報 第64号 [jma.go.jp]

    本日(2日)、神奈川県温泉地学研究所と気象庁が実施した現地調査の結果、大涌谷の新たな噴気孔から白色の噴気が勢いよく噴出しているのを確認しました。

     火山性微動は6月29日07時32分に観測した以降は発生していません。

    https://twitter.com/usa_hakase/status/616564030509985792 [twitter.com]

    うさはかせ Prof.Lièvre @usa_hakase 1時間前

    なんで夕方の解説情報にないことがいきなり報道されるの?

    夕方の解説情報に出てくる「新たな噴気孔」を NHK が具体的に報道したのではないかと。

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  • by Anonymous Coward on 2015年06月30日 14時18分 (#2839385)

    一般市民にはどうでもいい。
    ハッカーかクラッカーかみたいなもの。

    一般市民が必要なのは言葉の定義じゃなくて危険かどうかって話だけ。

    てか、身も蓋もないことを言えば・・・
    昨日一昨日と風強かったからそれで巻き上げられただけなんじゃってのは言ってはいけない空気なの?

    • 噴火の完璧な予知をするには、まだまだ人類の能力は足りてない
      富士山や箱根の噴火の影響を受ける東京に人をたくさん集めるのは、卵を一つの籠に盛るようなもんだ

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    • by Anonymous Coward
      気象庁が決めた気象庁の定義でしょ
      「大衆の関心が高まっており、社会的影響を考慮して噴火扱い」
      みたいな柔軟な運用は嫌だな。
      • 今回は逆でしょ。噴火したにも関わらず、「地すべりが起きただけ。警戒レベルも上げる気はない」なんて答えていたんだし。
        地元自治体に配慮して地すべりで片付けようとした魂胆バレバレ。

        さらに昨夜の会見では 「噴火に伴う空気の振動をとらえる空振計に変化はなかった」 [mainichi.jp]としていたのに、今日のお昼の会見では説明が一転。

        箱根山 気象庁が引き続き警戒を呼びかけ NHK ニュース [nhk.or.jp]

        また、大涌谷周辺に設置された、空振と呼ばれる噴火に伴う空気の振動を捉える空振計では、29日の午後4時ごろから断続的にごく小さな振動を観測しているということです。これについて北川課長は「空振が観測された時に、何かが噴出した可能性はあるが、波形のデータなどからは空振と噴火

        • 箱根山大涌谷 水蒸気噴火を裏付ける映像 NHKニュース [nhk.or.jp]

          映像は、箱根山の火山活動を24時間体制で監視している神奈川県温泉地学研究所が大涌谷に設置した定点カメラなどに記録されていました。
          このうち定点カメラの映像には、先月29日の午後0時半ごろ、水滴のようなものが付着し始めた様子が写っています。
          水滴は雨粒のようにすぐに流れ落ちず粘着性があったことから、研究所は水蒸気噴火に伴う火山灰を含んだものであると分析しています。
          気象庁は最初の噴火について「29日夜から30日にかけて発生したとみられる」と発表していますが、この映像は、それよりも半日ほど早く噴火が起きていた可能性を示しています。
          さらに、同じ日の午後3時ごろ現地調査に訪れた研究員が撮影した映像には、噴き出た蒸気が地表付近で急激に冷やされ周りの土砂と混ざって流れ出る小規模な火山泥流とみられる現象も記録されていました。

          https://twitter.com/HayakawaYukio/status/616902059493859328 [twitter.com]
          「2007年12月に気象業務法を改正して噴火警報を出すことにしたけど、気象庁にそれができる能力ありません。予算消化するだけで成果上げてません。昨年、御嶽山でむざむざと63人も死にました。」

          https://twitter.com/HayakawaYukio/status/616903073517174784 [twitter.com]
          「噴火予知などといったできもしない野望は捨てて、噴火が起きたら直ちに把握して迅速に広報するのに専念するのがよい。」

          https://twitter.com/HayakawaYukio/status/616903320972754944 [twitter.com]
          「火砕流出たのに、噴火したのに、丸一日以上もそれがわかんないようないまの状態を早く脱却すべし。」

          https://twitter.com/usa_hakase/status/616906267622125569 [twitter.com]
          「「噴き出た蒸気が地表付近で急激に冷やされ周りの土砂と混ざって流れ出る」てのは変だな。熱水が火口から直接あふれ出るのが普通の火口溢流型の火山泥流。」

          https://twitter.com/HayakawaYukio/status/616906491786829824 [twitter.com]
          「ようするに、温泉がじゃあじゃあ出たということです。」

          https://twitter.com/HayakawaYukio/status/616906734356037632 [twitter.com]
          「70軒の温泉旅館に配られるべきはずだった温泉が、泥流として大涌谷を下ってしまったということでしょ。」

          https://twitter.com/HayakawaYukio/status/616910858397089792 [twitter.com]
          「というより、4日前の映像をなにをいまさら。」

          https://twitter.com/HayakawaYukio/status/616913771274051584 [twitter.com]
          「熱泥流こそ、29日夜に気象庁がこだわって噴火を否定した表面現象ではないのか。そういえば、噴火を否定する根拠として地すべりに言及したが、その後どうなったの?」

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        • 遅ればせながら「(全録)箱根山 噴火警戒レベルを「3」に引き上げ 気象庁が会見 [youtube.com]」を見た

          * 30日10時にマウンドの形状を視認、火口から最大30メートル程度噴石(30センチメートルの大きさ)が飛び、かつヘルメットについてくる程度の降灰を確認したので、噴火とした。29日18時までの調査で地形が確認できなかったので、噴火としなかった。
          * 警戒レベル引き上げにあたって、温地研と予知連の藤井会長と意見交換(17m30s)「その判断もやむをえない」(19m27s)
          * 長期化すれば「噴火の規模が大きくなる心配もある」。GPSの伸びのデータもあり深いところからのマグマ供給のある程度可能性もあるが、今のところ「大規模な噴火になることは示していない」
          * 非常に小さい空振のデータは処理しないと見られないので、29日の会見では分からなかった
          * 「地すべり説はなくなったのですか?」の問いに、「12時に起こっていた現象がそれかどうかは今分からないのですが、マウンドができていないからそういう風に考えたということです」(26m33s)
          * 「有史以降初めてか」、非常に小さい規模なので文献や地質データが残らないレベルであり、20世紀はおそらくないと思われるが「いつ以来とすることはできない」(30m30s)

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    • by Anonymous Coward

      固形物の落下による危険とマグマや水蒸気などの噴出による危険の違いでしょう。
      危険かどうかならどちらも危険だけど、対策が異なるものを同じ「危険」という判断だけにしてもいいの?

      • by Anonymous Coward

        今回危険な固形物なんて降下してないでしょ?

        • 箱根山 幅10メートルの噴気孔を確認 NHK ニュース [nhk.or.jp]

          29日から30日にかけて行った現地調査の結果、大涌谷で新たに幅10メートル噴気孔が見つかったということです。この噴気孔からは蒸気が勢いよく噴出しているほか、周辺50メートルには噴石が飛び散っていたということです。

          気象庁も「警戒区域エリア外に小さな噴石が飛んでくるかも」と言っているくらいだし、昨日起きたと言われていた幻の地すべりがいつ大規模に発生してもおかしくないから。

          とはいえ「噴火」は必ずしも危ないわけではない。いくらかの条件が重なると、御嶽山の観光客が巻き添えをくった大惨事になりえるが、箱根や東部伊豆火山群は一年を通じて火口近くに住んでいる人が多いので、万一の時の悪条件がそろいやすい。

          で、今回のタレこみで「噴火」にこだわったのは、固形物の落下の危険なんて念頭になく、気象庁が変な理屈をこねて「噴火じゃない」と言い切ってしまったから。

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  • by Anonymous Coward on 2015年06月30日 15時48分 (#2839431)

    やけに神奈川県西部で弱い地震が頻発してると思ったら、箱根かぁ...

    • by nekopon (1483) on 2015年06月30日 16時48分 (#2839471) 日記
      箱根の山は神奈川県足柄下郡箱根町。
      # 「箱根八里」で
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    • by Anonymous Coward

      なんだ、ただの箱根か
      てっきり大震災が発生するものと思って構えてたのに

      • これが、「ただの箱根」で終わる話かというと、そうも思えないんですよね。
        5月30日に、小笠原沖の深さ約680キロを震源とするマグニチュード8級の地震が起こり [jamstec.go.jp]ましたが、上部マントルと下部マントルの境界面でこれだけ大きな地震が起こることは珍しく、過去の大絶滅を起こした破局噴火と結びつけて論じられるような事も少なくない訳です。
        要は、日本列島の地下のマントルの異変が、御嶽山や今回の箱根の噴火に影響してる可能性を否定する材料というのは、今の所現れてない訳で…

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        • by masakun (31656) on 2015年07月01日 19時46分 (#2840320) 日記

          可能性としてはなくはないけど、むしろこの手の小噴火は過去にも起こっていたと考えることもできる。

          https://twitter.com/HayakawaYukio/status/615983300230840320 [twitter.com]

          800年ぶりの噴火というけど、出た火山灰の量は1万分の1です。比較にならないほど(まだ)少ない。じつは、この程度の噴火はそのあと大涌谷から何回も起こっていたのではないか。地層もないし、文字記録もないから、私たちが知らないだけではないか。

          直近 3000 年間で箱根の中央火口丘付近で水蒸気爆発が少なくとも5回(大涌谷テフラ1~5)あって、最後の3回が12-13世紀ごろあったことが分かっている。それぞれの火山灰層は「いずれも層厚7cm〜10cm程度」ある(箱根火山大涌谷テフラ群一最新マグマ噴火後の水蒸気爆発堆積物 [nii.ac.jp])。

          一方で今回の噴火の火山灰はきわめて少量で、雨で洗い流されてしまうレベル。しかもいつ噴火したかどうかもはっきり分からない。

          箱根と言えば、江戸時代から箱根七湯(湯本・塔之沢・堂ヶ島・底倉・木賀・芦之湯)が知られていたが、中央火口丘の周囲(小涌谷、強羅、仙石原など)に温泉が開発されるようになったのは明治から大正にかけて。そして大規模な観光開発が行われるようになったのは戦後(箱ペディア [hakone-ryokan.or.jp])。

          つまり今回の噴火で火山灰が降ったエリアに人が住むようになったのは、長く見ても100年くらい。鎌倉時代から明治にかけて、降灰を伴う小規模噴火が人知れずあったと考えるほうが無難だと思うけどな。

          --
          モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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