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教育

早稲田大学の准教授が学生の修士論文を元にした論文を自分名義で発表していたことが明らかに 54

ストーリー by hylom
また早稲田か 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

早稲田大学・商学学術院の准教授が学生の修士論文を無断で使用して論文を作成し、自分の単独論文として発表していたことが明らかになった(ITmedia)。

問題の論文は計4本あり、うち2本は日本経営学会の学会誌に、2本は大学内での紀要「早稲田国際経営研究」に掲載されたという。論文内のデータが当時の教え子3人の論文で使用されたものとほぼ同一だったほか、似たような表現も多用されていたそうだ。引用の表記などはなかったという。

准教授は当初3人の論文を元に「共著」として論文を執筆しており、その後それを元に単独名で論文4本を執筆。そのうち学会誌に掲載されたものと「早稲田国際経営研究」に掲載されたものの内容がよく似ていたため、二重投稿の疑いが出たことから問題が発覚したという。准教授側は不正行為を認めたが、故意の流用ではなく、学生の論文を論文誌に載せるためのリライトだったとしている。

なお、准教授に対しては停職4か月の処分が行われたとのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2015年12月02日 2時44分 (#2926831)

    修士論文や学内紀要などは Google で検索できない Web コンテンツと同じで、誰も見ないので存在しないのと一緒です。
    修論は手塩に掛けて指導した学生がまとめた研究成果ですので、普通は教員が外に出しても恥ずかしくないように書き直して、しかるべき学会誌に投稿します。当然共著者には学生の名前が入ります。そして peer-review(査読)を経て学会誌に掲載されて、はじめて同業の研究者がその存在を知ることができるようになります。
    そこまで至って初めて研究業績として認められるのが、少なくとも理系では普通です。
    文系のことは正直よくわからん(理解できん...)のですが、今回は学会誌に投稿した論文(学外向け成果報告)を、学内紀要(学内向け成果報告書)に再利用したので、ふだん学会誌に研究成果を投稿しない教授達からいちゃもんが付いたのでしょう。全く責められるような事ではないと思うのですが...
    「早稲田国際経営研究」なる学内紀要は、投稿規定 [waseda.jp]を見るに単なる学内向け成果報告書にしか見えませんので、「処分案に反対する一部の教授から異論が続出」というのは至極当然に思えます。

    • by Anonymous Coward

      > 文系のことは正直よくわからん(理解できん...)

      こっちも、まったく理解できん...

  • 小保方氏の件ではディプロマミルを露呈してしまったし、
    スポーツ科学とかってアホな学部作ってブランド切り売りしてるし。

    • by Anonymous Coward

      スポーツ科学とかってアホな学部作ってブランド切り売りしてるし。

      早稲田の「スポーツ科学」にどんな問題がありますでしょうか。
      僕が他大学で受講した「スポーツ科学」の内容は「運動生理学」と「スポーツ社会学」で、至極まっとうに思えましたが。

  • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 17時44分 (#2926573)
    >引用の表記などはなかったという。
    引用とは出所の明記の他にその部分がはっきり分かるようにする事、主文に対して従属になる(目安として全文の半分以下)である事。
    弟子の論文の流用はそもそも引用にあてはまらないでしょ。
    • by Anonymous Coward

      > これらの論文で使用された企業の事例研究データ部分が、当時専門職課程だった教え子3人の専門職論文で
      > 使用されたものとほぼ同一だった。さらに複数箇所で似たような表現が多用されていたという。

      この書き方だと、データは丸々流用(無断引用)した上で、文章は全面的に書き直したように読めるけど。
      元々共著だったのなら、表現が似るのは当然のことだし。

      データを記載した横に引用元を明記しておけば、問題なかったんじゃない?

  • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 18時58分 (#2926617)

    倫理違反程度の解釈で、停職4ヶ月としたのだろうけど、この弟子の成果の取り上げの問題は、特に、
    有名な上司が共同研究者として名前を載せさせるときに、虚偽の論文でも何報でも重ねられる可能性が
    あるし、実際にあった。
    しかも、ばれたとき、成果をとりあげた本人は知らん顔をするんだよな。
    こういう無責任な態度は実際にあって、指摘されているのだが。でも、停職4ヶ月なんだよね。

    まあ、早稲田大学だし、しかたないか。学位取り上げれば恥を雪げると考える程度の頭じゃ、反省もできなさそうだし。

    • by Anonymous Coward

      今田耕司がアイデアを教授に奪われたってドラマやってますね.
      あれもきっと元ネタがあるんだろうなと妄想.

  • by Anonymous Coward on 2015年12月02日 2時09分 (#2926820)

    データのチェック、文章のチェック、助言をもって共著とするのが間違い
    その程度で名前を入れたいのなら共著でなく推敲として名を入れろ
    がっつり共同研究してる者や文章を書いてるみ共著すればよい
    そういう文化じゃないというのであればその文化を変えろよ

    • by Anonymous Coward

      メインの学生が全く研究内容を理解しない場合はどうすればいいんでしょうか
      そういう学生にも学位を取らせろと上から言われるんだが

      • by rurusonic (47233) on 2015年12月02日 11時02分 (#2926971) 日記

        学位を取るためのノルマを達成できない学生が学位を取れるわけがないのでは?
        そんな指示が上から飛んでくる時点でおかしいとしか思えないです。
        素人考えで申し訳ないですけど。

        親コメント
  • 学生だってパクるんだもの、准教授だってパクるさ ;P

  • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 17時36分 (#2926568)

    学術誌の二重投稿ってなんでダメなんだっけ

    • Re:二重投稿 (スコア:3, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2015年12月01日 18時29分 (#2926600)

      科学論文が過剰生産されるからです。
      実際のところ、科学論文のほとんどは読む価値がないことは知ってますよね。
      読む価値がある論文の見落としを減らしたり、虚偽の投稿をフィルターにかけたり
      するには論文の本数を減らさないといけません。

      また、盗用の問題もあります。関係ない論文でマイナーな雑誌の物は誰も読まないですよね。
      それを狙って数十本も盗用を重ねた人が過去にいました。そういう人を見つけ出すためにも、
      論文の本数は少ない方がいいのです。

      つまりが、世に出る論文そのものを減らすことで、虚偽の投稿が目に触れる機会を増やそう
      とする流れがあります。

      そういうことです。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2015年12月02日 8時05分 (#2926877)

        論文の本数が少ない方がいい、というのは言い過ぎ。
        研究成果が出たら論文として発表するべき。
        読む価値があるかないかは読む人が決めればいい。
        ただし、研究成果がひとつしかないのに論文をふたつ出すのは、研究成果の水増しにあたるのでNG。

        二重投稿がだめなのは昔からの常識だけど、かといって、世に出る論文そのものの数を減らそうという流れなんてない。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        最近はGoogle Scholarで被引用数が分かるからそういうこと考えなくてもいいんだけど

        • by Anonymous Coward

          いや、最近じゃなくてもweb of scienceとかいろいろ昔からあるじゃん

      • by Anonymous Coward

        「さよう、投稿は三重にかぎる」

    • Re:二重投稿 (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2015年12月01日 18時02分 (#2926580)

      論文の版権はその学術誌の出版元に帰属するから、同じ論文を多重投稿されると権利が分からん事になって宜しくない。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        なるほど。thanks

      • by Anonymous Coward

        国内(日本語)と海外(英語)の論文誌で内容がほとんど同じというのは結構見かけるように思う。

        • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 19時00分 (#2926620)

          国内(日本語)と海外(英語)の論文誌で内容がほとんど同じというのは結構見かけるように思う。

          これの扱いは難しい.というのも、例えばロシア語で書かれた論文を思い浮かべればわかると思うけど、外国の人から見れば英語で書いてくれないと事実上読めない論文なわけで.

          つまり、多少のカブりが生じてでも英語化してくれたほうが人類全体の利益になるので、こうした行為にはある程度目をつぶったほうがいいというインセンティブが生じる.

          もちろん、これを悪用されるとまずいので、「よろしくないのでやめてね」と言い続けることになる.

          で、結果どうなるかというと、最終的には皆が論文を英語で書くことになる.

          これは研究者にとっては問題ないし、良いことなんだけれども、英語論文を読むことが苦手な人(日本では珍しくない)からみると読めない資料が増えるということになり、なが~い目でみると通常レベルでのリテラシーが下がることになりかねない.

          うん、どうしたらいいだろうな…

          親コメント
          • by nim (10479) on 2015年12月01日 19時25分 (#2926642)

            支配的な言語は学術分野によって異なるわけで、自然科学系の論文に関しては、「英語論文を読むことが苦手」というのがそもそもダメ(入り口に到達していない)とせざるを得ないと思うけどなあ。
            一方で、平安期の日本文学に関する論文なら、むしろスタンフォードの研究者も日本語で書けとなるのも仕方ない。

            親コメント
            • Re:二重投稿 (スコア:2, 興味深い)

              by Anonymous Coward on 2015年12月01日 20時18分 (#2926679)

              原理主義的な理想は、英語が苦手な天才の芽を摘むことになるかと

              親コメント
              • by Anonymous Coward

                実際にいるかどうか分からない「英語が苦手な天才」のために、全ての論文を全ての言語に翻訳するとか英語と自国語の2言語で書くとかいうのは、コストに見合わない。そのコストは誰が負担するのか?

                学生や研究者の卵のための教育的配慮から解説文を日本語で書くというのはありえるけど、実際に研究成果を発表するのは英語がメインとなる。

              • by Anonymous Coward on 2015年12月02日 9時55分 (#2926935)

                >実際にいるかどうか分からない「英語が苦手な天才」

                こういう人なら実在しますね
                https://ja.wikipedia.org/wiki/ [wikipedia.org]益川敏英

                趣旨には同意しますが

                親コメント
            • by Anonymous Coward

              結果、日本語もわからないやつが日本の調査をしてあることないとこを弁護士たちに吹き込まれるわけだ

          • by Anonymous Coward

            これの扱いは難しい.というのも、例えばロシア語で書かれた論文を思い浮かべればわかると思うけど、外国の人から見れば英語で書いてくれないと事実上読めない論文なわけで.

            つまり、多少のカブりが生じてでも英語化してくれたほうが人類全体の利益になるので、こうした行為にはある程度目をつぶったほうがいいというインセンティブが生じる.

            工学系の和文誌では同じ内容の英語での再投稿を認めていることが多いようですね。
            二度手間だから、最初から英文で投稿すればいい(それならそもそも英文誌に投稿すれば良い)と思いますが。

  • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 18時28分 (#2926599)

    引用か盗用かという判断は置いておいて

    まともな指導教員だったら、文章のチェックを含めて修論の見直しをするし
    データーだって学生が出してきたデーター鵜呑みになんてとても出来ず
    学生とともに検証作業などはするでしょ?
    このような作業をきっちりやっていたら、(学生の単著で書かれた)修士論文とはいえ
    とても、学生単独の成果とは言えないから、さほど目くじら立てることは無いと思うけど、、、、
    問題になるのは、共著にしなかった点かな?

    もし、学生が(ほぼ)独力でデーター集めて論文書いたなら、話は変わる
    修士学生が書いた文章とデータをそのまま載せて、受理される学会誌ってどんだけレベルが低いのか?
    また、指導者として何をやっていたのだ?

    • by Anonymous Coward

      >>学生とともに検証作業などはするでしょ?

      指導教員1名あたり学生何名の想定ですか?
      ちょっと現実的じゃない…

      • by Anonymous Coward

        学生10人くらいでも月1で研究発表会とかするけど…。

        • by Anonymous Coward

          だから指導教員が学生と共同で検証作業なんかできないじゃん

      • by Anonymous Coward

        >ちょっと現実的じゃない…

        何人を想定されているかわかりませんが、
        1) 他のコメントにあるように、10名程度なら十分可能な範囲
        2) 非現実的な人数を配置しているなら根本的な教育システムに問題がある
        3) 検証作業も推敲もできていないデータ・文章で論文を書き
         なおかつ受理されるなんて、関係大学と学会のレベルが知れますね

        • by Anonymous Coward

          10人…ああ、たいしてデータもとらない分野でしたか

      • by Anonymous Coward

        検証作業って、まさか、学生がやった実験を全部指導教員が追試するとか思ってる?

    • by Anonymous Coward

      自分たちが学生の頃は、研究データは教授の論文の基礎データに使われ、それが機材を寄付してくれるスポンサーへ渡され、そのスポンサー企業がより良い商品を開発販売し儲けるのがあたりまえだったけど今は違うの?数十年後だけど、自分の研究が、そんなこんなでみんなの生活の役に立っているのを見るのはうれしい(美味しい)けどね。

  • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 18時30分 (#2926603)

    生徒がゴーストライターってのは珍しくもないが
    それがばれたらその生徒は他の先生からも疎まれるからなぁ
    学徒としても将来の伝手も終わっちゃってかわいそす

    # いっそ海外に行けばまだ芽はあるかも

    • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 19時05分 (#2926626)

      生徒がゴーストライターってのは珍しくもないが

      そいつは羨ましい状況だ.
      俺の知っている限り、教員が修論のゴーストライター、という状況の方が多そうだから…

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 20時36分 (#2926691)

        下請けが教員で孫請けが学生ってこったろう

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 22時32分 (#2926738)

          ネタかと思ったら興味深いモデついているのでマジレスすると

          元コメは、本来学生が書くべき修論を教員が書いているということでしょ?
          孫請けさせられるだけの能力の学生がいれば万々歳だよ

          卒業させるためだけにクズデータ集めて形だけの修論を学生の代わりに書いている教員も多いですよ
          当然ちゃんとした論文にもならないし、教員の直接的成果やメリットはほぼない

          親コメント
      • by Anonymous Coward

        今回の件もそれ、ともっぱらの噂
        本気で調べられたら、真っ白な人なんて10%いないんじゃないか?

        • by Anonymous Coward

          現在M2の大学院生を,主査として指導している大学教員です.主査になるのは初めてです.
          今まで,大学院生にはデータ作成と(最初の)文章執筆をさせて,私はデータのダブルチェックと文章のチェックを行ってきました.文章チェックの段階では,ほぼ全ての文章について,改訂を指示してきました.

          > 真っ白な人

          の定義が良く分かりませんが,私は真っ白ではないのだろうなと思っています.指導は,学術的な(もっと言えば私の)色に染める行為ですから,真っ白でありつつ指導をするのは,とても難しいです.
          因みに,このトピックを見て,今指導している学位論文を投稿するのは止めようと思いました.

          # 愚痴なのでAC.

          • by Anonymous Coward on 2015年12月01日 21時27分 (#2926711)

            共著として投稿するのではだめなの?

            親コメント
            • by Anonymous Coward

              #2926690のACです.
              今日,大学院生と相談してご意向を確認した結果,大学院生の単著として投稿していただくことに決めました.後は謝辞の書き方を指導して,私の職務は終わりです.

          • by Anonymous Coward

            投稿しないのは勝手だがろくな研究業績出さない大学教員は給料泥棒だからな

            • by Anonymous Coward

              #2926690のACです.

              > 投稿しないのは勝手だがろくな研究業績出さない大学教員は給料泥棒だからな

              研究業績の重要さについては,他の方に言われるまでもなく認識しております.実際,私自身は,所属しているプロジェクトの方で,研究業績をそれなりに蓄積しておりますし.
              ということで,わざわざ学位論文を投稿して対外的に公表するメリットが,私にはほとんどありません.

              • by clay (41656) on 2015年12月01日 22時18分 (#2926729) 日記

                出どころが大学か税金かは分かりませんが、何らかのリソースを使って得た新たな知であれば
                公表してみんなが使えるようにするのも、学術に関わるものの責任かと思います
                誰も読まないクズ論文量産するなよ!という声もありますが、そのデータを必要とする人が少なくとも1人でもいれば、公表する努力をしても良いのでは?

                もちろん、内容に嘘があったり、著者本人が価値を見出して無いならその限りではありませんが

                今回の件に限れば、ちゃんと共著者としても義理を通せるなら、論文にする選択肢もあると思いますよ

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                金が無いならarXivという選択肢もあるし

              • by Anonymous Coward

                >金が無いならarXivという選択肢もあるし

                ごくごくまれにだけど超弩級の成果が発表されるしね。

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人生unstable -- あるハッカー

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