NORADのサンタ追跡ミッションも無事に終わり、サンタは全世界の子供たちに7,281,439,471個のプレゼントを届けて北極に帰り着いた。サンタ追跡の始まりはデパートが開設したサンタホットラインの広告で電話番号が間違っていたこととされているが、事実は少し異なるようだ(
Consumeristの記事、
Paleofutureの記事)。
NORADの公式ストーリーは以下のようなもの。1955年、コロラドスプリングスのシアーズローバックが子供向けに、サンタと電話で話せるホットラインを開設。しかし、広告の手違いでNORADの前身であり、ソ連の核ミサイルを監視するCONADのホットラインの電話番号が印刷されてしまう。クリスマスイブに子供からの電話に出た責任者のHarry Shoup大佐は、部下にレーダーを調べさせ、サンタは北極から南へ向かったと答えたという。その後も子供たちからかかってくる電話に対して最新のサンタの場所を回答したことが伝統の始まりとなった。
しかし、実際には電話番号のミスプリントではなく、子供が電話番号を間違えただけだったという。また、電話がかかってきたのもクリスマスイブではなく、11月30日だったそうだ。1955年12月1日付のPasadena Independent紙によれば、サンタクロースが北極にいるのかという質問に対し、大佐は「サンタクロースという名前の奴が北極にいるかもしれないが、私がその方向から来るのを心配しているのは彼のことではない」と答えたとのこと。
ただし、この件がきっかけとなり、CONADではその年のクリスマスイブからサンタの安全を確保するミッションを開始することになる。実際にソ連がサンタを攻撃することなどはなかったが、子供たちに対するイメージアップは大成功。軍のPRキャンペーンとしては最も成功したものになったとのことだ。