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IBM

専門医でも判断が難しい特殊な白血病を人工知能が見抜く 67

ストーリー by hylom
その後人間とコンピュータとでわだかまりが起きなければよいのですが 部門より
NOBAX曰く、

東京大学医科学研究所附属病院が、IBMの人工知能システム「ワトソン」を使った診断によって「専門の医師でも診断が難しい特殊な白血病」を突き止めたという。このほかにも医師では判断が難しかったがん患者の病名を突き止めるなど、41人の患者に活用できたという(NHK)。

同病院は2015年7月からIBMなどと協同で「ワトソン」に2000万件に上るがん研究の論文を学習させ、診断が極めて難しく、治療法も多岐にわたるという白血病などのがん患者の診断に役立てる臨床研究を進めていた(日経新聞)。

この患者は当初医師から「急性骨髄性白血病」と診断されていたが、これに対する治療を行ったにも関わらず様態が悪化。そのため、この患者の遺伝子の変化データを人工知能で分析したところ、10分程度で女性が「二次性白血病」という別のがんにかかっているという診断とともに、抗がん剤の種類を変えるよう提案が出たという。これに従って治療を行ったところその後女性は回復、無事退院できたという。

2000万件の論文は積み上げると成層圏に達するらしい。

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  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 19時51分 (#3058819)

    STAP細胞騒動の時にも話題になった、医学生物学論文の70%以上が、再現できない [natureasia.com]という玉石混合状態で、
    症状診断に役に立つ論文と、エセ論文の判別をどうつけているのだろう。

    Googleの検索の重みづけのように、参照、非参照などのつながりを利用して信頼性の重みづけなどをしているのだろうか。
    そうすると、明らかに矛盾するエセ論文を弾き出すのにも使えるのかな。

    そのうち自動査読マシーンなんてのもできたりして。

  • 全部が全部ワトソン君に頼るより、
    セカンドオピニオンとして併用するのがよさ気に思えます。

    --
    一人以外は全員敗者
    それでもあきらめるより熱くなれ
    • これと罵倒AIを組み合わせると、患者と医者を罵倒しながら薬を提案しれくれるAIが出来上がり?

      親コメント
    • そうですね。
      人間の思い込みや考慮漏れをサポートする形で実績を積み上げて精度を上げていき、
      人間もうまくそれを活用するようになってもらえば患者側も心強いです。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        問診や触診から異変の有無をデータ化して入力するのであれば、適性に判断する技術や経験も一定レベルにないと、ワトソンも誤診しかねないのかなあと思ったり
        肝心なところはまだまだ人間様頼りな気もする
        ドクターGみてると、患者や家族に対するインタビューにもテクニックが必要ということがよく分かる

        • by Anonymous Coward

          今回のは遺伝子データの入力なんでデータ化の際の人為的ミスやスキルの差による揺れは無視できそう。

    • by Anonymous Coward

      ホームズではなくワトソンと名付けてるのもそういう位置付けなのかもしれない。

      • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 18時25分 (#3058757)

        ネタで言っているのかと思うけど一応マジレス。
        ワトソンという名前の元ネタはIBM創設者のトーマス・J・ワトソンからね。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          ここのネタ的にはこっち [wikipedia.org]の方が良かったかもね。

          「DNAの分子構造における共同発見者の一人として知られる、アメリカ出身の分子生物学者である。」

    • by Anonymous Coward

      そうかな。全部これにして欲しいよ。人間がセカンドオピニオンでいい。
      大病院の誤診で同級生死んだし。予後がよくない病気だったから
      誤診じゃなくてもいずれは死んだだろうけど、遺族の納得感が違うやね。

      手技もそのうちディープラーニングとロボットのほうが良くなると期待するよ。

      • by Anonymous Coward

        そんなの人の運転する車で知り合いが事故死したから全部自動運転にしろみたいな話じゃん。
        自動運転が普及して事故が増え始めたら今度は「欠陥のある自動運転なんか禁止しろ」って言うんでしょ。

        • by Anonymous Coward

          全部自動運転がいいんじゃない?
          いまの技術レベルでも明らかに事故減るでしょう

      • by Anonymous Coward

        何もないところからいきなりこの結果が出せるわけじゃなく
        学習する元ネタがたくさんあったから結果を出せたわけだしなぁ
        手術とかをやらせる場合
        やっちゃダメなこと、どうすれば成功になるのかを学ぶまでに死体の山がたくさんできあがりそう

        • by Anonymous Coward

          すでに業界には4kの膨大な映像ライブラリがあるから。
          恥を忍んで失敗例の映像とバイタルを医療機関が提供すれば、
          あっというまでしょ

    • by Anonymous Coward

      と言うか、全部頼ってしまったら薬事法違反か医師法違反だろう。
      今回のも研究と言うことで許可を取ってると思うけど普通に製品として
      やったら少なくとも薬事申請いるんじゃないかな。

  • 山下さんの遺伝子を詳しく調べ変化が起きている箇所を1500箇所ピックアップ。これらの変化がどう関わって病気を引き起こしているのか人工知能に分析させたところ僅か10分後には「STAG2」[人工知能 病名突き止め患者の命救う 国内初か 8月4日 19時10分] [nhk.or.jp]

    ワトソンは採血したり、遺伝子を読む対象の腫瘍細胞の抽出をして呉れない。

    いっぽうで全ゲノム相関解析とか全塩基配列解析は前々から電算機の得意分野。
    「ググれ滓」というのと同じ。
    遺伝子異常の論文を解析するんじゃなくて、ググって調べるのはヒトの及ぶところではない

    解説に出る宮野教授というのは、DeNAにもヨイショ [mycode.jp]

    している。

  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 18時37分 (#3058763)

    > 2000万件の論文は積み上げると成層圏に達するらしい。

    2000万件ってすごいんだよ、ということを表現するには、積み上げるよりも、人間の医者には読み切れない量だということを表現したほうが適切なのでは。

    たとえば、1日10件のペースで毎日論文を読んだとして、約5500年かかる計算になります。

  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 21時10分 (#3058852)

    白血病の診断って、こんな手順ですよね

    1 症候診断
    白血病の症状は、発熱、貧血、出血など。全ての患者に精密検査するわけにはいかん。
    診察や一般的な血液検査から、急性白血病らしい例のみ、精密検査をやる。
    普通の医者の仕事としては、ここが最も重要である。
    (この例の場合、「極度の貧血」から白血病を疑ったみたいですね)

    2 病理診断
    白血病くさければ骨髄検査をやる。骨のど真ん中に針刺すので痛いよ。
    骨髄検査で似たパターンを示す白血病は、同じ治療が効く可能性が高い。
    なので、普通は、ここで治療を開始する。
    (この例の場合、通常の治療では効かなかったみたいですね)

    3 遺伝子解析
    正常な遺伝子をもった骨髄細胞は、増え続けたりはしない(フィードバック制御)。
    遺伝子異常が白血病の原因とすれば、同じ遺伝子異常なら、同じ治療が効くはず。
    (この例の場合、治療が効かなかったので、ここでワトソンくん登場→有効な治療に辿り着く)
    でも、全ての白血病患者で遺伝子解析するのは(今のところ)非現実的ですよね。

    ワトソンが人間の医者より優れていると言いたいなら、1か2で勝負すべき。
    3で勝負したいなら、競争相手は人間の医者じゃなくて、gene bank。

    • 二次性白血病って言うから、
      最初の、人の手による、急性骨髄性白血病という診断自体は、恐らく合っていた。
      治療を行ったにもかかわらず、容体が悪化。

      治療薬が効かなかった訳でもなく、治療薬の副作用でもなく、治療薬が原因で別の血液癌になってしまったということ?

      二次性かどうかは抜きにして、治療を開始しても容体が悪化した時点で、治療薬のswitchは考えないのかなぁ
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      シーッこれで予算獲得するんだから余計なこといいなさんな

    • by Anonymous Coward

      医者の代わりになるとか、医者より優れてるとかいう話じゃないように思ったけども。
      有効な時間内に答にたどり着かないと見込まれる場合の相談役みたいな位置づけでは?

    • by Anonymous Coward

      東大の先生は「こんな風に役にたちました」って論文発表ができれば良い。
      別に人工知能そのものの研究してるわけじゃないし。
      そもそも人工知能としては既製品適応してるだけだし。

      ついでに言えば、医者より優れてるシステムなんてものを一番嫌がるのは医者。

    • by Anonymous Coward

      勝手にワトソンと医者とを勝負させたがってろよ
      新しい薬や新しい医療器具で治療したところで、こんなこと言うやつはいない。
      お前がプログラムをただの道具以上の何者かだと信じてる証拠だな。

  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 17時55分 (#3058739)

    論文の査読の重要性!

    • by st1100 (45287) on 2016年08月05日 22時54分 (#3058893)

      査読は、下手すると、学会の多数派に迎合しない論文は通さない危険性をはらんでいる。
      良識ある科学者は、自分の考えと相容れない説であっても科学的に適切に論証していれば通しますが、なかには、そうじゃないエセ科学者が多数派を牛耳っていたりする。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 18時19分 (#3058752)

    派手に取り上げられる1件の成功の裏に数えきれない失敗があるはず。
    中には指示どおり抗がん剤の種類を変えたら即死の例もあるかもしれない。

    • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 18時49分 (#3058770)

      それはちょっと現在の医療に対する認識がずれてる。

      これは、医者が把握しきれないぐらいに無数にあるマイナーな病気の原因とその関連論文を探し出してきてくれるシステム。
      医者も、最新の研究成果に付いていくために、日々、勉強し続ける必要がある。
      ある程度以上に重要な論文については、医療関係者内で話題になってみんなが注目したりもするけど、
      細かい話まで全て把握出来ないぐらい、多岐に渡って医学の研究は進められてる。

      この手のAIが的外れな診断を出すというのは、的外れな研究論文をヒントと称して提示してくるような事態なので、
      読んだ結果、時間の無駄になる、というのが失敗にあたる。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 19時21分 (#3058796)

        この手のシステムは前から使われていますよね。
        アメリカだとIsabelというシステムが同様に患者の症状やデータを入力すると可能性の高い病気を提示してくれて、ずっと前から使われている
        Wastonもそうだけれど医者を代替することを目指してはおらず、見落としやすい稀な病気を見逃さないようにチェックリストとして使われているから最終的な責任が医者にあることに変わりはない。

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        • by Anonymous Coward

          エキスパートシステム [wikipedia.org]ですね。
          かつてはPrologやLispで書いてたらしい。

          • Re:印象操作 (スコア:2, 参考になる)

            by Anonymous Coward on 2016年08月05日 19時55分 (#3058821)
            今回のとは別物ですね。
            コンピュータが出来たときに、蒸気機関は人間の手や足の代わりになったけど、やっと頭脳の代わり
            になるものが出現したと喜んだわけだ。
            それで、人間の代わりをコンピュータにやらせようとしたけど、それは到底無理とわかり、
            土俵を狭くして、ある局面でのエキスパートの判断をコンピュータにやらせようとしたもの。
            そのため、その道のエキスパートにヒアリングして、その結果をPrologなどで記述した。
            プログラミングしたんだよ。
            しかし、間違った判断をすると大変ということで、安全サイドの判断しかしないようにしてしまった。
            そんなもの、実際の局面で役に立つはずもなく、あえなく挫折。

            今回のシステムは、深層学習とビッグデータ解析です。
            成層圏まで積みあがる論文なんか人の手では読み切れるわけがないし、それを頭の中に貯めて
            判断するなど、なお無理な話。
            そういう領域でAIは勝負しているわけです。
            親コメント
      • by Anonymous Coward

        「的確な文献検索をしてくれるシステム」であって
        「ブラックボックスが診断結果と治療法をはき出すシステム」ではないですもんね。
        結局のところ、出てきた文献の研究そのものの信頼性と現場の医師の判断が大事。
        (だって出てきた文献がマトモとも限らないし、
        症状や所見は必ずしも全てデータ化できないんだから、検索のための元データに不備があれば的確な結果も出ないし)
        臨床研究論文ってホントに玉石混淆だろうから、仮にワトソンが天才でも言うことを丸呑みはできんわね。

    • by northern (38088) on 2016年08月05日 20時59分 (#3058846)

      現時点では医者しか責任を取れないので、AIの分析結果も医者が納得いかなければ実施されない

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      ..あるはず。
      ..かもしれない。

      貴方がやっていることこそタイトルの物ですが。

  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 18時43分 (#3058766)

    AIとの相談実績を証明するログ提出が求められるのね。
    中未来先医師は診断・治療作業者化し、遠未来には作業もロボットが対応し、少数の研究者以外不要となるのだろう。

    • by Anonymous Coward

      なんでロボットに研究はできないって思うわけ?

  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 20時38分 (#3058838)

    Dr.watsonですね

  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 20時46分 (#3058840)

    ディープラーニングの時代が来ることを見越して

    蓄積された論文を、効率よく取り込み解釈するために
    英語で論文を綴り続けてきたんですね。

    なぜ日本語じゃダメなのか?
    そんな疑問を持った自分がはずかしいです!

  • by Anonymous Coward on 2016年08月05日 20時59分 (#3058847)

    習ったなー、Prolog。形は変わった?けど、実現したのかな。

  • by Anonymous Coward on 2016年08月06日 9時56分 (#3058997)

    最初に診察した医者のせいで病状が悪化したのだから誤診ですよね。
    こういう無能な医者訴えれないんでしょうか。
    似たような話聞くたびむしゃくしゃする。

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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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