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Francisの日記: [すらど文芸部]携帯さんとiPod君 4

日記 by Francis

はてな匿名ダイアリーを見ているといろいろ刺激されて書きたくなります。あと体制変更直前なのでまとまった仕事に取り掛かれなくて暇。そんなわけでまた書いちゃいました。つまらないものですがどうぞ。
‐‐‐
「ねえちょっと聞いて」
うん
「あのね、私もこう生まれたからにはさ、本分を全うしたいの」
まあねえ
「ご主人様と毎日一緒におでかけしたりさ、ご主人様がこう楽しくお話したりするのを手伝ったりさ、そういうのを夢見てたわけ、もらわれてくる時にはさ」
うんうん
「それが何なのよ今のこの体たらく!」
まあそう怒らんと
「おでかけするもなにも会社に着くと入り口でロッカー行き、帰りに良く忘れられる」
セキュリティが厳しいからね
「挙句の果て面倒になって平日は充電台に刺さりっぱなし。そんで週末しか連れて行ってもらえなくなる」
まあ夜遅くに会社でたらすぐ電車に乗ってかえってきて帰宅だからね。電車では通話できないし
「その週末もほとんど外出しない!」
出不精だし。そのうえこないだ振られてたし。しかも君経由で
「あんな通話を中継するなんて不本意だわ。よっぽど途中で切ろうかと思ったけど、それでなんとかなりそうな話じゃなかったから」
向こうが二股だもんねえ
「そして電話もメールも全然かかってこない!」
まあご主人様があれだけ暗い顔してちゃね
「何!何なの!私の存在意義って何!」
落ち着け
「あんたは良いわよねえ!家だろうが電車だろうが音楽さえ再生できれば幸せだもんねえ!」
最近再生するものが「身を引き裂かれるような悲しみ」をテーマにしたような曲ばっかりでねえ。たまにはちょっと景気の良いものもやりたい
「きぃぃ!余裕みせつけてくれちゃって!首があったら絞めてやりたい!」
腕もないけどな
「あっ」
おっ
「電話です!電話ですよご主人様!」
さっきコンビニ行ったよ
「電話ですってばー!あっ」
おっ
「切れちゃった。久しぶりに張り切ったのに」
いないものはしょうがない
「だから何のための私なのよ!」
ボクに怒るなよ
「記録しとくしかないわね」
そうだね。あっ戻ってきた
「見よ!この必殺着歴LED乱れうち!」
いや必殺て。意味わからんし
「気づいてよ!職場の後輩よ!金曜の深夜にかけてくるぐらいだから何か暗くて重い相談があるのよ!かけなおすのよ!」
さっき楽しく話すのを手伝いたいって言ってなかったか
「現実を見ることにしたの」
おっ近づいてきた
「よっしゃー」
かけなおさないね
「なにずっと私を見てるのよ!かけなさいよ早く!ほらほら!覚悟を決めろ!必殺、」
落ち着け。なんでそうネガティブな内容と決め付けるんだ
「だって」
おっ
「うおー気合入れてつなぐわよ!」
‐‐‐
なんかご主人様呆然としてるけど
「あー」
何だった?
「予想と違った。ご主人様たちの会話は凄い回りくどかったからさ」
うん
「同族に聞いてみたわけ」
うん
「用件自体はほとんど偽装で、本質はデートのおさそいらしいよ。何度も何度も練習してからかけたって」
へー。良かったじゃん
「何が」
出番増えるだろ
「あっ。お出かけ増えるかも。連れてってもらえるかも!」
機嫌が直って何より。ちゃんと充電しとけよ
「まーかせて」

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  • by Anonymous Coward on 2007年03月12日 0時32分 (#1124416)
    嫁は本当に困った奴だ。
    • うわ。
      たった一言で携帯さんがiPod君のかわいい嫁になってしまった。
      親コメント
      • by power (11625) on 2007年03月14日 10時39分 (#1125800) 日記
        そして機種変の際の別れのストーリーが…
        #とか言ってみる(^_^;)
        親コメント
        • それは悲しく切ない…泣ける…

          携帯さんの抵抗もiPod君の説得もしょせんご主人様には届かず、携帯さんは家電量販店に連れて行かれてしまいます。(別れ台詞でここでぐっと盛り上げていきたいところ。)
          そして携帯さんが機種変されて、すっかりとげが取れて腑抜けのように丸くなって帰ってくるのです。
          iPod君が衝撃を受けているうち、アドレス帳の移行が終わった携帯さんは昔のメール閲覧用機として引き出しの奥にしまわれます。
          iPod君は悲しみのあまり、携帯さんの後輩ちゃんの慰めを受け入れず過充電過放電を繰り返し、生命を磨耗させます。
          あまりの消耗にiPod君の後輩君が導入されることとなり、引き出しの奥でふたりは再会を果たすのでした。

          てな感じかな。
          親コメント
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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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