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日記

aitoの日記: 9月11日 EMM/LOIS/IE/ITE-ME/IEE-CMN研究会まとめ

日記 by aito

9月11日(金) 午前 EMM
座長: 西村 竜一 (NICT)
09:30 - 10:20
(1)EMM 09:30-09:55 ビットエラー耐性ベクトル量子化を用いたMultiple Descriptionベクトル量子化
          ○伊藤彰則(東北大)
私の発表。ベクトル量子化とMD符号化を同時に行う手法。ベクトル量子化をする際に、各コードベクトルに対して連続した整数のコード番号を与えるのではなくて、RRCCという冗長なビット表現を割り当てるところがミソ。2つに分けた符号の片方だけから元のRRCCを復元した時に、その値が真のRRCCと高々1ビットしか異ならないようにする。従来法よりも設計が容易で、性能も高い。

(2)EMM 09:55-10:20 Analysis of Watermarking into CELP Speech Codec Based on Formant Tuning
        ○Erick Christian Garcia Alvarez・Shengbei Wang・Masashi Unoki(JAIST)
CELP音声信号に対するタンパリング検出のための電子透かし。フォルマントを操作してフォルマントのバンド幅に情報を埋めるタイプの電子透かしだが、透かしを埋めてからCELP符号化をすると透かしの検出性能が下がるので、CELP符号化プロセスの中で透かしの埋め込みを行うことで符号化に伴う透かしの劣化を防ぐ。

9月11日(金) 午前 IE-2
座長: 坂東 幸浩(NTT)
10:30 - 11:20
(1)IE 10:30-10:55 オプティカルフロー検出と高解像度連続時間再現の統合システムとアルゴリズム
          ○安藤 繁・奈良高明(東大)
時間相関イメージセンサによって強度画像と相関画像が得られるとき、そこから撮像のもとになった3次元関数(位置2次元、時間1時限)を復元できるという理論。オプティカルフロー計算、運動ぼけの補正、超解像などに応用することができる。デモでは、時間相関イメージセンサで撮影した動画像のフレームを16倍に引き伸ばした映像を見せていたが、本来1フレームである映像の中で物体がぬるぬる動いていた。この発表、実はすごい話なんじゃないのか。

(2)IE 10:55-11:20 Levenberg-Marquardt法を用いた3次元頭部CT・MR画像の自動位置合わせ
          木崎美桜・山村雄太郎・○金 亨燮・タン ジュークイ・石川聖二(九工大)・山本晃義(戸畑共立病院)
サイバーナイフ治療(特定のがん病変位置に対して多方向から高精度に放射線を当てる治療。照射にはロボットを使う)を行うために、CTとMRIによって病変位置の3次元位置を高精度に特定する必要がある。そのためには複数の手法で撮像した脳画像を高精度に位置合わせする必要がある。2つの画像を重ねたフュージョン画像を作るため、まず低解像度でCTとMRI画像を大まかに合わせた後、複数の領域を設定して、それらの領域での照合精度が高くなるよう微調整する。評価関数は2つの画像の画素値の比の標準偏差で、これが小さくなるように位置を合わせる。微調整におけるステップサイズ制御を工夫した。

9月11日(金) 午後 LOIS
座長: 岡本 学(NTT)
12:40 - 14:45
(1)LOIS 12:40-13:05 ユーザの写真共有意志とソーシャルメディアにおける写真加工手法
          ○田中康裕(専修大)・小舘亮之(津田塾大)・一藤 裕・曽根原 登(NII)
ソーシャルメディアに写真を投稿するユーザの意思と、写真に対してどれだけ匿名化処理(ぼかし、モザイクなど)を施すかについて、価格感度分析(PSM)という手法で分析した。PSMは、ある商品の価格が「高すぎる」「高い」「安い」「安すぎる」のどれかをアンケート調査し、その累積曲線の交点から「上限価格」「下限価格」「妥協価格」「最適価格」の4つの価格を見つける。これと同じ手法で、投稿したいと思う匿名化段階とサービスの種類について調査した。結局は真ん中あたり(顔の詳細は分からないが表情は分かる)ぐらいが好まれるようだ。

(2)LOIS 13:05-13:30 リンクトオープンデータ化を用いた地域コミュニティシステム支援手法
        ○若原俊彦・槇 俊孝・吉井一希・佐藤夏姫・山口明宏(福岡工大)・一藤 裕・曽根原 登(NII)
地方の活性化をICTで支援するプロジェクトの一環として、観光知識ベースを構成。Linked Open Data (LOD)はさまざまなオープンデータを関係づけたもので、CityDataとかLinkDataあたりがそれを利用したシステムの実例。プロトタイプシステムとして、ユーザが投稿した地域情報を整理してオープンデータ化するプラットフォームを作成した。

(3)LOIS 13:30-13:55 調理作業最適化のためのレシピ変換アルゴリズムの提案
          ○松島由紀子・舩曵信生(岡山大)
複数の料理を短時間で作るための調理手順最適化。従来研究として、特定の操作だけからなる複数のレシピを入力として、手順を最適化するアルゴリズムが提案されている。この研究では、通常の記述によるレシピを入力として、アルゴリズムにかかる形式に変換する方法を提案する。これには、調理作業の分類と、通常のレシピでは記載されていない調理作業(食材を刻むとか)時間の推定を行う。形態素解析にはkuromojiを利用。変換や作業時間推定のための対応表は人手で準備。データ整備が大変そうだ。

(4)LOIS 13:55-14:20 音情報とニューラルネットワークを用いた高齢者見守りにおける出力値の統計的性質
          ○西 宏之・金 金・木村義政・柿木稔男(崇城大)
NNによる生活音認識において、データが少ないときにも認識精度を確保したい。少量データに対する実験の信頼性を評価するために、学習データ及びNNの出力データの統計的性質を調べた。これに基づいて、学習データが少ないときに過学習が起きているかどうかを知ろうとしている。入力はケプストラムで、NNは3層(中間層1層)、出力は生活音カテゴリー。NNの出力値(正解カテゴリーのもの)を調べると、出力値の平均値はオープン・クローズドデータの両方とも学習回数とともに増加している。一方標準偏差は、クローズドデータについては減少していくが、オープンデータについては増加していく。

(5)LOIS 14:20-14:45 映画レビュー文からの映画ジャンル推測 ~ 日米レビューサイトを用いた推測結果の比較 ~
          ○吉長明宏・水谷直樹(岡山理科大)
映画のジャンルには決まりはないので、映画紹介サイトによってジャンル表示が異なる。様々な映画について、複数の映画サイトでのジャンル分類を見ると、一致しているのは約半分。また、レビューに頼らずに映画の傾向を把握したくても、半数の映画にはジャンルが1個しか指定されておらず、内容を把握するには役立たない。このため、映画に対して「順位づけた複数のジャンル」を提示することを目標とする。利用データはYahoo!映画とIMDb。手法は単純で、ジャンル用語の頻度の大小によってジャンルの順位づけをする。検出されたジャンルの適合率を見ると、全単語とナイーブベイズを使った手法と(データが違うが)同程度。日米の映画祭とを比較すると、Yahoo!映画で適合率が高いのが「戦争」「ミュージカル」「アニメ」、低いのが「サスペンス」「アドベンチャー」「ファミリー」。IMDbの場合は高いのがAnimation, War, Westernで低いのがRomance, Documentary, Biographyだった。

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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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