akiraaniの日記: FEARゲーの話 3
最近、TRPGを遊ぶのにルールブックを隅から隅まで読み込むという作業をあまりしなくなった。ルールを確認するときも、コアになるルールとルール運用の流れをつかんだらそこで読むのをやめる。あとは、キャラクターメイキングで必要なデータを検索して読む。アイテムやスキルのデータすら必要最低限しかチェックしない。
ここ数年、行きつけのコンベンションで主流であったりという理由から、いわゆるFEARゲーをプレイする機会が増えた。ハンドアウトがあって、推奨クラスがあって、シーン制で登場判定があって……というタイプのゲームだ。
このFEARゲーだが、キャラメイクからプレイに至るまで、プレイヤーとして参加する場合に最低限読んで理解しなければいけないルールというのはそれまでのゲームに比べてかなり少ないので、ルールブックを隅から隅まで読む必要性が薄いのだ。
あくまで全般的な話で例外はあるが、データのつくりが「その世界の住人が持っている能力」ではなく「キャラクターがストーリーにかかわる行動を取るときに使用する能力」という視点で作られている。だから、ハンドアウトが提示されてキャラクターの全体イメージを固めてしまった段階で参照しなければならないルールを大幅に絞り込むことができる。
これはなぜか。個人的に思うのは、プレイヤーキャラクターの位置づけが変わっているせいではないかと思う。
TRPGはその名が示すとおりRoleをPlayするゲームだ。このRoleの内容が違うのだ。例えばソードワールドの場合、基本的にはプレイヤーはフォーセリア世界の住人をRoleする。これがFEARゲーの場合、物語の登場人物をRoleすることがメインとなる。ベースにある背景が、世界ではなく物語なのである。
これは推測であるが、FEARゲー(特にアルシャード以降)のゲームシステムを作成する時のアプローチが、それまでのものとは違うのではなかろうか。
例えば、あるジャンルのTRPGシステムを作るとすると、単純化すると以下のようなプロセスモデルになるのではなかろうか。
普通のゲームのシステム作成プロセス
- ジャンルから具体的なワールドイメージを作成
- ワールドイメージからゲームシステムを抜き出す
- ゲームシステムからデータを作成する
FEARゲーのシステム作成プロセス
- ジャンルから物語構造とキャラクターを分析して、ガジェットを抽出する
- それにあわせてコアルールとアーキタイプを作成し、ガジェットを分類する
- ガジェットをデータ化
- データにあわせたワールドの作成
余談だが、この理論でFEARゲーのプレイヤー最適人数が判で押したように4人であることに説明がつく。1セッションでプレイできるストーリーボリュームに対する適正な登場キャラクターの数=プレイヤー適正人数となるため、ワールド設定やジャンルにかかわらず4人となるわけだ。
ここで注目したいのが、ワールドに関する部分である。
オフィシャルであるという制約から、オフィシャルワールドは最大公約数的にすべてのゲーム内ガジェットを包括できるように作ってある。が、多少ワールドをいじったところで、ゲームシステムそのものには影響がない。なぜかというと、ワールド設定作成が最終工程のため、ワールド設定を変更するためにルール作成プロセスまで後戻りする必要がないからだ。
例えば、ダブルクロス・アルターラインのように、まったく違う世界をほぼ同じルールで運用するすることができる。
これは、FEARゲー全般に言える特徴であり、活用すればもっと面白く遊べると思うのだがどうだろう。
ルールはルールブック通りでワールド設定をプレイヤー全員が共有できていれば、コンベンションでいきなりワールドを変えてプレイするなんてこともさほど無理のある話しではない。つまり、FEARゲーは同ジャンルの既存のエンターテイメント作品を名称変更などの簡単な修正で遊ぶことができるのだ。おそらく、GURPS系の汎用ルールで拡張データを作って対応するよりもよりも簡単にできるのではないだろうか。
システムとワールド設定が1対1で結びついているという考え方はFEARゲーでは必ずしも真にはならない。汎用システムとしての側面に注目すれば新しい楽しみが得られるのではないだろうか。
FEARゲーの便利なことよ (スコア:0)
Re:FEARゲーの便利なことよ (スコア:1)
そいつはすでに前例 [srad.jp]があるので、他の世界ではどうかね? SOS団なんかどうでしょう? あれなら充分不条理でっせ。
Re:FEARゲーの便利なことよ (スコア:1)
ちなみに、ハルヒシリーズは既存FEARゲー的なものとは物語構造が違いすぎるのでめっちゃキビシイです。(不可能ではないけど、あまり向いてないかと)
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