albireoの日記: 1990冬、秋山幸二の一億円闘争
2ちゃんねるのこのスレッドが大変面白かったので、ここまですごいネタではないけど書いてみる。
1990年といえば西武ライオンズ全盛時代の真っ只中、独走でリーグ優勝を果たし日本シリーズでもジャイアンツを4連勝で下すなど圧倒的な強さを誇っていた。
このオフでの注目のひとつが「秋山の年俸一億円なるか」
この年の主な個人成績は以下の通り。
秋山 打率.256 HR35 打点91 盗塁51(盗塁王)
清原 打率.307 HR37 打点94 盗塁11
デストラーデ 打率.263 HR42打点106 盗塁10(本塁打王、打点王)
秋山の打率は低めだが、他には文句の付けようがない成績である。
ところが球団の提示した額は一億円に届かない(たしか9800万円)当然秋山は食い下がる。
どこかで読んだ話では、こんな内容の交渉だったらしい
秋山「バッティングだけならともかく、51盗塁で盗塁王ですよ」(主に3番打者だったことを考えると驚異的な数字)
球団「それも考慮に入れてある」
秋山「だったら守備は?センターとして守りでも貢献しているはずですよ」
球団「それも入ってる」
こんな感じで何度か交渉を繰り返しても、一億には届かない。ついには秋山が折れてサインすることになった。
その直後に清原が契約交渉に入り、一億を掲示されて一発サイン。
ついに秋山の年俸を上回り、20代初の一億円プレーヤー誕生。
秋山としては当然清原のことは念頭にあったし、守備や走塁も含めた総合的な評価なら清原に負けていないし、負けたくないという想いがあったはず。
ところが球団にしてみればライオンズのスター選手は清原であり、「一億円」という話題で盛り上げるためには秋山といっしょではなく、清原「が」一億円という形にしたかった。
誰の目から見ても清原が秋山を上回っているのは打撃のみ、その打撃に関してもそれほど大きな差があるわけでもないのに。
(実は清原が西武時代に3割を超えたのは、入団した年とこの年の2回だけに終わる)
当然秋山も話題作りのために犠牲になったことは気づいていたはずだが、「球団はバッティングで評価していることがよくわかった。これからはバッティングに集中する」というようなことをいっている。
精一杯の皮肉だろう。
清原にしてみれば提示された金額に文句を言う筋合いもないからサインする。
それでも秋山の交渉で揉めたことは知っている。
秋山や他の選手達も清原自身が画策したというわけではないので直接非難したりはしないだろうがこの結果に納得できない選手も多かったはずで、清原にも相当なプレッシャーになったらしい。
翌年はスランプに落ち込み、23本塁打と西武時代で最低の成績に終わってる。
(23本でスランプと言われるのだから清原もスゴイのだが)
簡単にまとめると、西武もかなりのアホーで今は清原のかわりに松坂がオモチャにされているということ。