beroの日記: 「NovellがLinuxを失う――いえ、誤報です」は誤報です 2
「NovellがLinuxを失う――いえ、誤報です」は誤報です
注 おそらく、責任はlinux.comのJoe-Barrに帰せられるだろう。インターネットに流れた途方もない誤報の発端は、同記者の記事だからだ。ご存じだろうが、同記者はNovellがLinuxを配布する権利を失う可能性は全くないと報じた。
所見 LinuxカーネルとLinuxシステムを混同するということは――Joeは混同している――その人がこの分野に疎いことを意味する。私がお洒落ブランドを語るようなものだ。私の理解では、オープンソースの人々、つまりStallmanやMoglenと距離を置くグループは、MicrosoftとNovellの提携をほとんど問題視していない。これに対して、FSFは、今後の同様な提携を実効的に阻止するため、まだ未公開だが、GPLv3の草稿の変更を検討している。
slashdot.orgは、2月6日に「Novell Won't Lose Right To Sell Linux」と題する記事を載せた。これを見れば、この誤報がインターネットにどれほど広く速やかに広がったかがわかろうというものだ。
この記事の中で、筆者のBinnyVAは次のように書いている。「FSFがNovellのLinux配布を制限することは絶対にできない」
このような途方もない無知に対しては、次の点を指摘しなければなるまい。
0. LinuxシステムはLinuxカーネルだけではなく、FSFのGNUソフトウェアが無ければ動かない。カーネルのみを云々するのは無責任で正気の沙汰ではない。
1. FSFがNovellの新版Linuxシステム(新版GNUソフトウェアをバンドルしたLinuxシステム)の配布を制限することは絶対にできる。その可能性はある。LinusがFSFやGPLv3をどれほど嫌っていようと問題ではない。この制限は合法的であり、真っ当であり、GPLv3に完全に準拠する(予定)。
2. GPLv3はまだ起草委員会で検討されている段階にある。もしGPLの条件を満たしてもフリーソフトウェアの条件を満たさないような運用が可能なライセンス上の欠陥があり、Novellがそういった運用をしているのであれば、現時点で云々して決定までに欠陥を修正することができる。(この仮定が真かどうか俺は知らんが)
3. GNUソフトウェアがGPLv3に移行する可能性は――著作権者がFSFである以上――私がミスアメリカに選出されない可能性とほぼ同じ。因みに、私は日本人男性である。
4. ただし、NovellはGPLv2の現行版Linuxシステムの販売を続けることはできる。(できないという意見もある)
この話――Novellは新版Linuxシステムの販売ができなくなるという噂が嘘という噂――は、FUDどころか、あまりにも馬鹿げている。実際、Eben Moglenにコメントを求めたところで自明すぎて相手にもされないだろう。
思考実験 (スコア:1)
思考実験として、Microsoft と Novell が合併した場合に課され得る制約を整理しておく必要が
あると思います。その場合には Microsoft-Novell の製品の顧客は、その製品に関しては
Microsoft-Novell の保有特許侵害から保護されるというのはほぼ自明です。
ええと (スコア:0)
OTPというかNewsForgeの記事は総じてレベルが低い傾向にあるけど、英語版の方はコメントがつけられるから、それも合わせて読んだ方がいいと思う。