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日記

bghtyu67の日記: ネガティブな研究成果を発表しないことによるバイアスの形成 2

日記 by bghtyu67
Nature Newsの記事によると,社会科学・心理学などの分野では,ポジティブな結果が得られなかった実験結果を握りつぶす傾向があるらしい.
また別の記事によると,心理学・精神医学の論文の90%超がポジティブな研究結果を報告していて,宇宙科学や地球科学の70%台と比較すると大きい.

このことがどのようにバイアスに寄与しているかについて記述されていたが,私の英語力と専門知識が足りず,詳細を理解できなかった.
ざっくりとは,以下のようなことが述べられていたと思う.
・ポジティブな内容に偏るせいで過去の研究が否定される機会が少ない
・統計的に有意かつポジティブな結果を得るために実験条件が恣意的に決められる

私が関わっている地球科学分野では確かにネガティブな内容も見かけるが,
それは単純に,誤った内容の論文が多いだけのようにも感じられる.
地球科学は比較的再現性や正確性の低い状態で論文が通る分野なのではないかと思う.
例えばサンプルを手に入れるのが大変(海底数キロを掘るとか)だったりするので,
そういう研究においてはケーススタディ的に議論しておいて,後でレビュー論文としてまとめることもあるだろう.
恐らく地球科学や宇宙科学は少ない情報から現象を解明しなければならず,
その難しさを多くの人が理解しているからこそ,正確性について検証する文化があるのではないだろうか.

#あと,一部の地球化学者の誤差の扱いは乱暴過ぎると思う.そこは改めてほしい.
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  • by Anonymous Coward on 2014年08月31日 22時07分 (#2667423)

    査読する側も「あの結果は間違ってるぞ」という論文は通しにくいんですな。
    だって論文読んだだけではどっちの言い分が正しいかなかなか分からないから。
    それにもとの説の提唱者に査読が行ったりすることもあるわけで。
    査読者が論文に書かれている内容について十分知識があるかという点に関しても結構疑わしい。
    個人的には発表論文は全部arXivあたりに上げて、インパクトファクターだけで論文を評価するのでもいいような気がしている。

    • arXivというものを初めて知りました.
      オープンアクセス・査読なしのe-journal的なものと思って良いのでしょうか.
      インパクトファクター(被引用回数?)だけで評価するのは考えたことがありませんでしたが,
      それだと新しくて被引用回数の少ない論文を大量にレビューする必要が出てきそうなので,
      個人的にはエディターリジェクトくらいのふるいはあったほうが良いだろうと思います.
      親コメント
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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