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音楽

iPad でショパンを弾いてみた

タレコミ by fanz!
fanz! 曰く、
DJ な方々のパターン切り替え演奏ビデオばっかで飽きたので、iPad でクラシックな曲を弾いてみました。と言いつつ、バッキングはクラブ系のサウンドなんですが...

 弾いてみた曲はショパンの幻想即興曲。

 で、分かったのは弾くのが難しい!と当たり前の話なんですが、ポイントがひとつ。

 それは iPad の楽器ソフトで鍵盤(の絵)が付いているタイプの物は、全部C=ハ長調の曲を想定してデザインされてるって事。

 Cの曲は基本的に白鍵を多く使い、時々黒鍵を使う曲が多いでしょう。これは長調(Maj)でも短調(min)でも同じ。弾く場合、キー(の絵)の手前側にある白鍵をメインで弾いて、時々奥にある黒鍵を弾くわけです。これなら結構弾きやすいし、画面上の鍵盤が2オクターブくらいあって鍵盤の幅が狭くても注意深く弾くとなんとかなります。

 また白鍵は手前側にあるわけなので、腕の基本ポジションも iPad 本体の手前側に置けるため、腕を iPad 手前に軽く置いて演奏すると、指を移動した時にも位置が狂わず、ミスタッチしにくくなります。

 ところがショパンの幻想即興曲はキーが C# min=黒鍵を多く使う。

 この場合、指の基本ポジションが奥側に行くため、まず腕の位置を安定させるのが難しい!今回のビデオでは画面に映ってませんが、ヒジを台の上に乗せて位置を固定し、腕を全体に高い位置に持って行って白鍵を飛び越えるような位置にして演奏しています。

 C# min のキーは譜面を見るととても # が多いので、もっと # を減らして簡単にしたら?と思う人も多いでしょう。

 ところが、C# min のキーは本物のピアノで弾く場合、黒鍵を多く使うため、早いパッセージを弾く時にはかえって指が黒鍵の出っ張りに当たるため、それを無意識に目標点として使うので、演奏しやすくなるのです。これがもし C min のキーだったり A min のキーで白鍵が多くなり過ぎると、ゆっくりなテンポでは弾きやすいのですが、早いテンポだと弾きにくくなる可能性が高くなります。

 一昨年あたりから「のだめカンタービレ」のヒットで、楽器店のクラシックコーナーに簡単なキーに移調したピアノ名曲の楽譜が並んでいたりしますが、本気で弾こうとすると、かえってキーの並び方が単純になった事があだになって弾きにくくなるでしょう。例えば同じショパンの子犬のワルツなんかが、その例だと思います(子犬のワルツのオリジナルキーは C# Maj)。

 ま、ショパンがそういう事を意識して C# 系のキーを選んだのかどうかとか、その辺は音楽史にうとい私には良くわからんのですが...

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 とにかく色々試して分かったのは、現時点の iPad の鍵盤の絵付楽器ソフトは黒鍵中心の曲を弾きにくいという事。

 で、 iPad で黒鍵中心のキーでも弾きやすい鍵盤デザインはあり得るのだろうか?とちょっと考えてしまったりするわけですが、まだ分かりません。

 ただヒントになるかもしれないのは、Korg の NanoKey というキーボードです。この機材の鍵盤は素人が見ると変に見えるでしょう(詳しくは下のビデオを見て下さい)。

 ところが実際に弾いてみると弾きやすい!普通のキーボードは白鍵が黒鍵の隙間の奥まで続いているわけですが、これは物理的構造の問題であって、小型キーボードの場合、無理して真似る必要はありません。この辺を思い切ってボタンのような鍵盤にしてしまった思い切りの良さは、やはり Korg というメーカーが長く音楽制作の現場に関わってきた経験から得られたのではないか?と思います。

 iPad の楽器ソフトの鍵盤をこのようにしたら弾きやすいかどうか?はやってみないと分かりませんが、発想を転換するための参考例としてチェックする価値はあると思います。

 今後、出てくるであろう iPad の楽器ソフトの UI 部分に期待したいと思います。

↓ Korg NanoKey で弾く子犬のワルツ

http://www.youtube.com/watch?v=ZrFTCt6CDH0

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