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higonの日記: 韓国ヒトクローン研究スキャンダル、まとめ 2 (Korean Cloaning Research in Chaos, round up 2)

日記 by higon

これまでのまとめの目次は、別のエントリにあります。

ここでは海外の反応と、国内の反応を取り上げます。

海外の反応 (Reaction from oversea)

これが宗教と政治の力だっ、実際の反応の速さに驚けぃ。

アメリカの先端グループが関係を拒否

シェトン博士が抜けて12時間以内に、この分野の主要研究グループである、 スタンフォード大学/カリフォルニア大学/カリフォルニア州ベンチャーキャピタルが 計画していた世界幹細胞銀行の将来の利用と投資を取り止めました。関連の研究機関も 関係を否定しています。ハーバード大学と、一部の非営利目的研究機関は利用の為の評価を 先送りしました。

オーストラリアの研究者が様子見

米国の新聞での報道を受けて、オーストラリアの主要な幹細胞研究グループが黄博士の招待を取り止め、関連プロジェクトとの一切の接触を絶ちました。これについて黄博士は沈黙しています。
また、米国が研究者をカリフォルニア州へ呼び戻していることを懸念して、ビクトリアを中心として胚性幹細胞の核移植実験を容認する動きが出ています。これにより、オーストラリアでの実験規制は英国並に緩くなります。

イギリスの科学者グループがより厳重な監視機関を提唱

国際的にこの類の研究を監視する機関を設けるべきだろう。自分の国で研究を禁止した上で、研究を他の国で行い、成果だけ輸入するというのはなんとも矛盾した政府方針ではないか。

明らかに、イギリスの学者たちは停滞した議論の横でこの時を待っていたようです。(関連記事)

「日本は事件解決待ち」

黙殺。関連情報は一滴も出さない。これはこれで異常。研究はしたいんだけど(Natureの記事)。

「ドイツは様子見」

ドイツはヨーロッパで唯一、幹細胞研究に厳しい態度をとってきた国です。 Science(Nov. 18, 2005 vol.310 5751,p1100)の記事、"Stem Cells: Collaborators Split Over Ethics Allegations"にドイツの研究者の雑感がまとめられています。
「議論の一つに、『もし、彼が共同研究者にすら正直でないなら、外の人々に対して どこまで正直といえるのか?』ということが挙げられる。」

不治の病に治療法?インド政府は懸念。

デリーの商業機関ヌーテックは100人以上のパーキンソン病、アルツハイマー病の患者に 幹細胞研究の成果である治療を施した後、患者の症状に改善が見られたと発表しました。 担当者は実験は全て政府のガイドラインに沿って行われたと主張しています。が、政治家は 倫理上好ましくないと嫌がっているようです。ただ、現在幹細胞治療を制限する法律などインドに存在しません。政府は基本的にインドがいずれ幹細胞研究の国際ハブになることを国民にアピールしています。

「中国は研究の成果待ち。倫理問題には懸念。」

素晴らしいタイミングで倫理問題対策委員会の集まりがあり、幹細胞研究にまつわる倫理の問題の解決及び遺伝子組み替え食品の制限のための法律の草案を作成し、「2010年までに」整備する見通しを発表しました。言うまでもありませんが、今年は2005年です。

韓国内の反応 (Stories inside Korea)

私にとっては、こういう政治系のニュースは読むのが苦痛。だけど、読まねばならぬ。

「黄博士『今はダメ。時が来たときに全てを話す。』」(11/12)
「黄博士『英語力の不足で生じた誤解だ。研究員の彼女はドナーではないと言っているではないか。』」(11/13)
その一方で、メディア、政府、市民団体は黄教授を盲目的に支持するだろう。」(11/14)

朝鮮日報が、今の状況をよく説明する記事を書いています。

博士は火曜日、極秘にシャッテン氏と話をするために米国へ発った」 (11/16)

黄博士のスポークスマンのお話。調査は既に進行している。 シャッテン博士は研究から抜けた後、強い立場を利用して我々を叩くだろう。 しかし我々は決して止められない研究に携わっている。たとえ疑いが真実であったとしても、 まず我々は、アメリカは韓国と(倫理の)見方が違うということを頭に入れておかねばならない。

博士の行動は違法でも倫理に反しても無い、議員が語る」 (11/16)

与党及び一部の野党は、もし、疑いが真実であるとしても倫理に反しないという見解を出しました。 博士への詳しい審査が行われる前に結論が出た形です。国内に向けて、プロジェクト には全く問題がない、これまでどおり150億ウォンをつぎこむ、というアピールをしています。 KoreaHeraldに小さな変化があります。記事中で黄博士は「黄禹錫博士」とフルネームで呼ば れますが、シャッテン博士は「シャッテン」と敬称が省略され、フルネームが紹介されること はありません。 (関連記事1/2)

私の邪推ですが、これは彼の行為を正当化する法案が来年あたり制定されるという動きに見えます。

私の研究は倫理的である。記者会見で」(11/15)

私の研究は世界に多大な貢献をもたらす物。もし米国の研究者が抜けても実害は無い。 私のチームとプロジェクトは走りつづける。海外の他の研究者たちも研究への貢献を続ける意向だ。

真実がクローニングの疑問への答えになる」(11/15)

「世界中が、黄禹錫がアメリカの大学の倫理学者と会談した時に、『韓国の研究体制は倫理に関してアメリカのそれより優れている』と語ったことを覚えている。世界が、黄禹錫がかつて地獄から生還した際に、不治の病に苦しむ人のために残りの一生を捧げることを誓ったものと信じこんだ。」(註/倫理学者の名前はヒョンインスー)

一端真実が明らかになれば、離れた海外の研究所との関係は元に戻る。と黄教授」(11/15)

ジョンホプキンス大学の生物倫理学の教授はこう述べている、「もし、胚を人命(ライフ)とするならば、癌細胞も人命ということになってしまう。幹細胞研究の成果が特に必要とされている、癌細胞を駆除する治療は(この理屈で言えば)大量殺戮ということになる。」(註/倫理学者の名前はヒラリーポク)

大統領顧問がNatureの記事を批判

以前別の新聞で黄博士を熱烈に援護した大統領顧問の朴基栄(Park Ky-young)はNatureの批判記事に対して以下のように返答しています。
「Natureは事実を誤って報告している。例えば、我々は一度も黄を捜査するなどとは 約束していない。Natureは報告する前にきちんと審査すべきだ。」
「大体、我々が捜査するかどうかを決めるのは、黄が組織内で行っている捜査が終わって 私に提出される結果次第なのだ。」
「Natureは私と黄が同じ船に乗っていると考えているようだが、私は大統領の為に働く身、 もう黄と同じチームで働いていない。黄を審査するかどうかは私が決めることだ、 黄チーム自身の審査が終わった後に。」
彼女は2004年の黄博士の研究の共同研究者でした。

まとめ3に続く

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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー

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