higonの日記: 韓国ヒトクローン研究スキャンダル、まとめ 4.5 (Korean Cloaning Research in Chaos, round up 4.5)
これまでのまとめの目次は、別のエントリにあります。
さらに広がる匂いがするので、まとめは続きます。ですがこれからは、少し力を抜いていこうと思います。
私の好きな思い出の映画の一つにムーランルージュがあります。これは世紀末のパリで繰り広げられる熱い愛の物語で、怪しい雰囲気の中、色彩にあふれる映像、音楽、絢爛豪華なキャストに魅せられる映画です。本当はこの先を読む前に、この映画を丸々一本見てもらいたい所なんですが、そういうわけにもいかないと思うので、今日はその映画の中から、"Show Must Go On"のトラックを紹介します。
(MP3試聴)
いろんな意味で厳しいニュースを読む前に、リラックス、リラックス。
海外の記事(Oversea articles)
「卵、嘘、幹細胞」(11/26)
Newsweekのまとめ
「今年の医学ニュース入門」(11/26)
「クローン犬は今年の大発明」で話題の流布に貢献してしまったTime、今週は、今年の医学ニュース入門特集がカバー記事になっています。あれは予想外の事件だった。しかし今年の彼の成果は忘れてはならない。研究は今後も黙々と続けられるだろう、という様な流れ。(追加の記事)
「『スーパースター』クローン専門家、卵子について嘘をつく」(11/28)
英タブロイドTelegraphのダメ押し。いままで黄氏と蜜月関係だった英国の研究者がその関係を考え直そうとしています。云わずもがなですが、「スーパースタークローン専門家」というのは、「クローン=悪」と考えられがちな社会では、皮肉以外の何者でもありません。本当ならば、「スーパースター幹細胞研究家」とすべきです。
「黄が倫理の誤ちを認める」(11/28)
Scienceの記事。英国の研究者の、「今回の事件にショックを感じたが、これまでどおり協力関係を続けていきたい」という見解が示されています。
「卵子販売?」
最近研究へのサポートが増えている、先進州カリフォルニアからの小さなエッセイ。韓国の事件をあげて、この分野の研究は諸刃の剣であることを訴えています。
国内の記事(Korean articles)
前が見えなくなる程の埃が舞い上がっています。
「黄に、もう一度チャンスを与えよ」(11/25)
ある韓国新聞記者の、英Nature誌の派遣記者との交流を語ったエッセイ。
「Nature誌は最初から博士の使っている卵子の出どころに興味を持っていた。帰国後に
彼の関係したテレビ番組からは、『もしも卵子の取得が倫理に反しているのなら、
黄博士の-韓国が大きなプライドを持っている-研究成果はどうってことはないものだ。
卵子さえ十分に提供されていれば英国の研究者が先に同じ成果をあげていたさ。』
という態度がかいま見えていた。私はその番組を見て、打ち砕かれたような気持ちになった。」という
感じで関係が語られ、この事件は彼らの陰謀であり、我々は悪くない。5000年に一度
の大成果を止めてなるものかという結論に落ち着きます。最後は愛国心。
「与党が生物倫理委員会を設立」(11/25)
「韓国が幹細胞国際医療ツアーを宣伝」 (11/27)
韓国政府が、医療機関に積極的に国際医療ツアリストの受け入れを推めており、その為の病院も建設しています。
医療ツアーとは、他国の患者が、国の法律に触れる治療や幹細胞治療、最先端の治療を必要とする場合に、患者側が来韓し治療を受けるというものです。宣伝内容を大雑把に言えば「どんな難病も治せる国、韓国」。おもな顧客は、インド、
中国、東南アジア、日本、アメリカからの患者になるでしょう。取り合えず最初の一歩として、
韓国政府は、インド、中国、シンガポールに宣伝をしています。日本人と米国人にとっての利点?
韓国の病院での治療費は保険無しでも、大体日米の1/5ほどです。医療ツアーの為の準備は
2007年度には整う予定。
(私見/韓国政府の将来の夢がここにあります。)
「クローンパイオニア堕つる。西洋の視点」(11/27)
だけど内容は、英国Financial Timesのエッセイ(Editorial)一つを引用した上で
「彼はグローバル化した倫理観の被害者」
「ある程度は、韓国人は正しい。」
という感想で始まり、
「韓国が欧米の宗教倫理を無視することは正しい。」
「もし韓国の緩い規制がこのように科学の進歩を劇的に加速させることができるのなら、
韓国がグローバル倫理のスタンダードを決めて悪いわけがない。一端、致命的な
病を治せる画期的な方法が、韓国の幹細胞研究から生まれれば、欧米の研究者は
必ず心変りをするであろう。」で締めくくられています。別の意味で必読。
「ソウルとクウェートが共同プロジェクト委員会を設ける」(11/27)
クウェートの新聞でも連日報道されていた英雄が宣伝に使われています。
「研究の新しい出発」(11/27)
一連の事件で、もう卵子の不足には困らない。黄はすぐに帰って研究を再開せよ。 数千の難病に苦しむ人たちが待っている。
「世界幹細胞銀行が非常事態対策チームを編成」(11/27)
次の最高責任者についての話し合い、現在の倫理規定の調整のためにチームを編成。
「卵細胞スキャンダルは、明確なルールが必要だということを示している」(11/27)
事件の発端となったジェラルドシャッテン氏からのコメントを一部引用しています。
「米国最先端の幹細胞研究者はまた、こうも強調した『黄博士の研究はそのまま続けられるべき。
黄の科学的才能は、最近の疑惑などで痛めつけられてはいない。』」
また、世界からの反応を同じ調子で一部引用し、最後に世界初のクローン犬を紹介しています。
「株価操作をした男が逮捕される。」(11/28)
2000年から2001年にかけて、複数の投資家が韓国市場操作を行っていたようです。
「(私企業が出資している)ある幹細胞研究センターが盲目を治療する方法を開発した、という噂を広めて株価をあげようと試みた。」
検察は、これらの一連の操作によって250億ウォンが違法に取得されたと見ています。
「成功が人類を滅亡させるかもしれない」(11/28)
朝鮮日報の記者によるエッセイ。半歩下がった見方で問題の在処を探る努力がされ始めるかもしれないと読み手に感じさせる、安心できる記事です。いまさらな感じもありますが。
「幹細胞銀行を黄の側近が担当」(11/28)
「クローンスーパースター黄禹錫の側近の一人が幹細胞銀行の責任者を務めることになる。」 の一文で始まるニュース。組織の新しい頭には、二人のソウル国立大学教授(アンキューリ、イムガンギ)の内一人が 選ばれるようです。この記事を読むと、ついでに、黄氏の信心深さや、親孝行ぶりも わかってしまいます。彼は近々研究に戻ると期待されています。
「MBCが"PD Notebook"幹細胞パイオニアの特集の続きを放送予定」(11/28)
全く懲りないMBC。世間から異常に注目されているので、放送の影響はまちがいなく大きなものになるでしょう。視聴率はあなたの物。この火曜日、MBCによって前代未聞の1時間ぶっとおし番組が放映されます。
(私見/国中で一社も番組サポーターがいなかったのね。。。とほほ)
「シャッテン氏が噂にまざる」(11/29)
匿名の政府役人と、匿名の情報筋によると、シャッテン博士に世界幹細胞銀行の金融部門の幹部になる意向があるということです。あからさまに怪しい噂ですが、そのまま朝鮮日報に載りました。
日本人の好みそうなAPの記事が台湾で採用されました。始めから終わりまで気持ちのよいほど黄博士を嘘吐き 呼ばわりしています。さらに、この台湾の記事で初めて、黄博士は正式に辞表を提出していないということが 明らかにされました。つまりまだ彼は、教授で頭取で研究の最高責任者なわけです、公式には。 非公式に辞任しているようです。
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