当座の主電源を火力、バックアップ電源を原子力として、いずれ両者とも廃止か格下げできる現実的な見込みってあるの
原子力発電が2012年の時点で、発電における火力の比率は88.4%になります。(大飯原発稼働含む)
内訳的には、
・LNG…42.5%
・石炭…27.5%
・石油等…18.3%
となりますが、2009年時点では火力への依存度は61.7%でしたので、原発停止後26.7%も火力で補う必要があったということです。
当然火力は発電コストが高い発電方法であるため、電気料金値上げが起きました。
また、資源価格の変動や世界情勢によってコストが大きく変化するため、価格が安定しないデメリットがあります。
比較して原子力発電は、事故発生時の対応および廃炉のコストを含めたとしても他の発電方法と謙遜なく、安いコストで発電することができます。
化石燃料の価格高騰の影響も受けにくく、安定して電力の供給を行うことができます。
政府は、2014年4月に閣議決定した新しい「エネルギー計画」において、「原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる。」としています。
つまり、太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、地熱発電、潮力発電、バイオマス発電、水力発電といった発電へ将来的にシフトしていくということですが、現時点で水力7.5%、その他新エネルギー1.5%という状況です。現時点では1割に満たない程度の発電量です。
これを2009年時点での火力依存度と同等の6割程度まで持っていくのは、かなり長いスパンで見なければ現実的ではないと思います。
デンマークなど一部の国では5割を再生可能エネルギーで賄っている国もありますが、エネルギー使用量が全く違います。
さらに、これらの再生可能エネルギーのコストは現時点では高く、火力の中では比較的コストが高い石油で20円/kWh、原子力は1円/kWhなのに対し、最近話題のメガソーラーは30.1~45.8円/kWhです。
現時点では、「コストの面で現実的ではなく、移行した場合コストが大幅に上がる可能性が高い。今後の技術革新やコスト低下によっては完全移行が可能かもしれない。どちらにせよ完全移行までは50年ないし100年単位で計画し移行していく必要がある」といった感じだと思います。
原子力よりも安く、安定して電力を供給できる方法(核融合とか?)が実用化できれば、一気に移行するかもしれませんね。
もしくは資源の枯渇により、再生可能エネルギーの方が火力よりもコスト面で有利になれば、移行していくでしょう。