masakunの日記: インテリジェントデザイン講座①秋になるとなぜ葉っぱは色を変えるのか?
今年は紅葉が遅れているという話ですね。ま、半月くらい前にどこかで聞いた話だし、華やかな紅葉よりは、葉が落ちたあとの雑木林の風景が個人的には好きなので(^o^;
今年の紅葉前線→るるぶ.com 紅葉とれたて便2006
ところでどうして秋になると、赤くなったり黄色くなる葉っぱがあるのでしょうか。まず日が短くなると木は冬支度を始めます。そうすると葉は葉柄にコルク層(離層)を作りはじめ、道管細胞を徐々に遮断し、水や栄養分の流れを止めていきます。そして完全に絶たれたとき、たいていの樹木では葉が木から落ちます。
【参考】17 植物の世界「紅葉と落葉」を読むと、樹木の種類によって落葉の仕方も様々なことを知ることができます。
その間葉も変化します。これがわたしたちが楽しむ紅葉です。まず葉っぱが黄色くなるのはカロチノイドのせいです。この色素は夏の間葉っぱの中にあり光合成にも利用されていますが、葉緑素が分解すると、葉の表面に見えるようになります。カエデなどが赤くなるのはアントシアニンという色素のせいです。これは落葉させる直前に、離層によって葉の中に留まらざるをえなくなったデンプンを利用(ブドウ糖に分解後、葉の中にあるアントシアニジンが結合)して作り出されるものです。実はアントシアニンが作られる理由はよく分かっていないのですが、ある仮説によりますと、青っぽい光を吸収する強いカーテンとなるアントシアニンによって、クロロフィルが有害な活性酸素をつくるのを遮ぎられて、葉の細胞を壊すのを防ぐ役目があるようなのです。そうしてクロロフィルがなくなると、ポプラの葉は黄金色に、カエデの葉は鮮やかな紅色に染まります。色とりどりの華やかな舞台裏には、このような複雑な仕掛けがあるのです。
山を燃えるような真っ赤に染めるためには、どのような気候条件が必要なのでしょうか。昼間青空が広がり、かつ夜は思いっきり冷え込めばよいようです。ですから日中の気温と夜間の温度差が激しい山間部のほうが、より美しい紅葉を望むことができるわけです。
さて落葉させると、木は水と養分を浪費することなく冬を過ごすことができるようになります。また落ちた葉っぱは土壌に住む生物の働きで、腐葉土に変えられ、春の息吹のための肥やしとなります。またススキ・タンポポのような半地中植物は、落ち葉や降雪によって冬保護されます。
自然はこのように無駄なくプログラムされているのです。
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