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mujiの日記: 新橋演舞場 花形歌舞伎 2

日記 by muji

新幹線発車待ち~。

  1. 番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)
    松緑(青山播磨)口跡いいじゃんいいじゃん! 最後の方で叫んだ時だけ何言ってるか判らなくなっちゃったけど、他は破綻もなく実にはっきり。語り口だけなら十分青山播磨のイメージ、なんだが、えーと、ごめん、やっぱ二枚目役者にやってほしいわ(ぉぉぉ
    伯母様は苦手じゃ、と、散る花にも風情があるのう、は、正直そんなに上手いとは思わなかったが、我が宿の菊一輪、にはぐっときた。最初の2つは照れが入っちゃってるのかな。
    芝雀(お菊)もいいなあ若いなあ。松也(お仙)と並んで同輩に見えるもんなあ。皿割るところは上手く真っ二つに割れなかったけど。この話、要は女ってばかよねー、に尽きてしまうんだが(ひでーw)、そんなばかな女を同情を誘えるくらいに見せられる芝雀、最近ホントのってきてる。相変わらず汗だくではあるがw
    家橘(後室眞弓)と亀蔵(柴田十太夫)、まだ台詞が入ってない。プロンプはついてないがとっちらかってた。家橘はともかく亀蔵がそんなんでどーする。
  2. 歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
    5日間で勧進帳3回観劇。
    もしかして私って勧進帳ヲタ?(激違

    菊之助富樫。どうしても比較して観てしまうのは致し方ないところ。
    所作は完勝。落ち着き過ぎるほど落ち着いた動き。長袴の扱いも実にスマート。太刀を抱える時もすっと綺麗に鞘が後ろに回る。
    信二郎富樫と被らせつつ、あー、信二郎自分が裾捌き苦手だと判ってるから却ってあせってるな、と思った。菊之助なんてフツーに歩いてるのと同じように長袴で歩いてるもんね。勿論、引っ込みの時にぶつかるなんて真似はしない(爆)。
    声も結構いいじゃんか。時々女方の発声に近くなってしまうが、声質からいって荒れるタイプではないな。肺活量は鍛えれば何とでもなるが声帯と呼吸器系は鍛えようがないから、これは信二郎にとっては残念ながら大きなハンデだなぁ。朗々とした、という点では信二郎の方に一日の長があるが。

    ただ、菊之助はあまりに表情が変わらなさ過ぎる。
    使い古された表現でいうなら「能面のような」。
    まあ、今日の席が1階後方ド上手でなかなか正面に近い状態で観ることが出来なかったせいもあるかもしれないが、理も情も見えなかった。
    信二郎の場合、情は見えるが、教わった通りの情の出し方にも見えて、結果理知的な富樫だなぁという印象が残る。某所でその辺の話のやり取りをしていて自分の考えに気付かされたが(きっかけを作ってくれたrieさんに感謝!)、私はまだ古典の中の信二郎に信頼を置いてないな、と。新歌舞伎や新作ものの中の信二郎にはそれこそ盲目的なものすらあったりするが(ぉ)、古典となるとどこかに疑念を抱きつつ観ている自分がいる。いや勿論それと同時に期待も持ってる訳だが、って、ここは菊之助富樫の話だYO!!w

    閑話。そんな菊之助なもんで、何というか、不完全燃焼というか。弁慶のせいもあろうが。あ、中啓は軽くではあるが後ろに放り投げてたな。やっぱこれでしょー。やってくれよ信二郎(ぉ
    それと、義経一行が先に立ったときに、目は閉じずに一礼していたな菊之助は。その代わり弁慶には特に何もしなかった。そうそう、これならある程度腑には落ちるんだよ。うーむ、いよいよもって謎だな信二郎の態度。その辺11日に明らかになるのか???w

    海老蔵弁慶。
    勧進帳で眠くなったのは初めてだ。
    幸四郎も何いってるか判らないところがあるが、海老蔵は全く異質のところで口跡不明瞭。声を張るところは先月同様前に出てこない。山伏問答も緊迫感なかったし、延年の舞も力強さに欠けるし。還暦過ぎた幸四郎の方が余程力強くかつ軽やかに舞ってるってどーよ。流石何だかんだいっても弁慶900回やってないねw

    芝雀義経。
    あれ、本興行で勧進帳観るといつも芝雀が義経だwww
    いいよいいよ~。弁慶二態のときより更に哀切感がある。高麗蔵には悪いが義経はこれくらいの人にやってもらいたいね。
    …正直、義経だけ突出してる勧進帳になっちゃってるが(汗

    なるほど、三人のバランスが上手く取れてないと寝ちゃう勧進帳になるんだな、とか思ったりw

  3. 弁天娘女男白波(べんてんむすめめおのしらなみ)
    2年前の通し上演が頭にあるので、浜松屋と稲瀬川勢揃いだけだとやっぱり話が判りづらいな、なんて思ってしまう。名台詞だけ聞かせるにはここだけで十分だろうが。
    菊之助(弁天小僧菊之助)、富樫とはうって変わって生き生きとした弁天小僧。親父さんにきっちり教わってるね。年齢と共に親父さんのような洒脱さも出てくるだろうが、今は年相応に上出来だと思う。松緑(南郷力丸)もなかなか。弁天小僧と寄り添う姿は設定に忠実だなと思い出させてくれる。左団次(日本駄右衛門)と男女蔵(忠信利平)、あーやっぱ親子なんだと思わせる声の調子。似てるね。松也(赤星十三郎)はこの場だけだと脇に回ってしまうのはやむを得ないところ。
    そうそう、梅枝くん(宗之助)がよくやっていた。拵えはもうちょっと工夫の余地がありそうだが、口跡もはっきりしてるし、ホントにこれからが楽しみだ。

では大阪へ。

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私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson

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