パスワードを忘れた? アカウント作成
6489953 journal
日本

mujiの日記: 国立劇場 十月歌舞伎公演・幕見

日記 by muji

幕見代わりの三等席2回目。
今日は今までの三等席区分がそのまま残った3階席、といっても国立は座席構造上歌舞伎座や演舞場と違って2・3階席がつながっているので、客席入口が3階にあるという解釈の方が個人的には納得がいく。列番号も2階席から通しだし、3階席となる8列目は2階入口から入った方が楽だったりするし。で、最上段の12列。2階12列といっても席構造上は差し支えないような(ぉ

まあそんなごたくはどうでもよくて。
最上段から見下ろした1階席と2階前方、いや2階後方(つまり3階席)も含めてあまりの人の少なさに唖然。先週金曜日はここまでひどくなかったのに。
1階センターブロックは野鳥の会でなくても座っている人を勘定出来るくらい。別にセンターブロックじゃなくても目視で十分勘定出来る程度しか入ってないけどセンターブロックは特に目立つし。何しろ1階三等席が全部埋まってないのに驚いた。それどころか私の隣(つまり3階三等席)がとうとう最後まで来なかったし、3階三等席でも他にもいくつか空席があった。
最安値で普通なら発売開始日に売り切れる三等席でこの有様。いくら採算(と松竹の営業)に直結しない国立の公演だからといってこの惨状では今後に支障を来しかねないのでは。三津五郎座頭はもうあり得ないだろうし、松竹が必要な人数の役者を貸してくれるかどうかも危ぶまれる。ましてや来年秋以降は新装歌舞伎座で古典や通し狂言メインの公演が予定されているはず。そもそもが通し狂言や復活作品の上演を目的として、というかそれらを上演しないと役者貸さないよといわれたも同然で作られた劇場なのに、新装歌舞伎座で大顔合わせの通しがかかったらそれこそ国立にまで役者回してもらえないんじゃないか。まあ、新装歌舞伎座での秋以降の通しなんていったら忠臣蔵と義経千本桜、あとせいぜい白浪五人男あたりが関の山だろうがw菅原とか妹背山とか大がかりなのをかけてみろってんだ。

閑話。
あの客席で役者がどれだけやる気出せるか、だよなあ。昨日の貸切は日調連の大会絡み(PDF注意)だったようだが、そういう、歌舞伎を観ようと思って来ていない客で埋まっている客席と、観ようと思って来ている客がぽつりぽつりとしか入っていない客席と、どちらがやりやすいんだろうね。
月の中旬を過ぎると翌月公演の準備が始まるから台詞が怪しくなる役者もいるとよく聞くが、どうも三津五郎がはまっている模様。単純に疲れているとも思われるが。だから説明だらけの構成に問題があるんだって…
上演資料集を見ると、過去上演で多助と小平と二役ってのは「一代記」に限っていえば初演時の五世菊五郎を含めてもそう多くはない。六代目、初世吉右衛門、初世又五郎が主だったところか。歌舞伎は役者を観るもの、というところからすれば、多助と小平を兼ねるというのはよく判るが、元々がこの話はその二人を一人の役者で演じること自体無茶があるので、何もそこまで初演時を踏襲することもなかったのでは。初世吉右衛門といえば、1949年3月新橋演舞場での「経済鑑」では久八役だが、これは久八メインの喜劇に仕立て換えた、ほぼ別物の話といっていいもののようだ。確かに久八、圓朝口演では藤野屋とのやりとりが実に間抜けでおっちょこちょいで、いかにも落語の登場人物という造形がなされている。その点で萬次郎は適役だと思ったんだが、今回の展開ではそのおっちょこちょい振りが全く活かされていないので萬次郎持ち腐れ状態なんだよねー。
そういう大幅な演出変更もされたこともあるんだし、今回だってもっと手を入れてもよかったんじゃないかと、と結局話が堂々巡り……

この議論は、muji (9607)によって テキ禁止として作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

読み込み中...