soltioxの日記: ギリシャのユーロ離脱問題 2
評論家の方々の中には、初期の頃から、
割とカジュアルに「離脱するっきゃないっしょ」
的な御意見を開陳されている人がおられまして。
通貨レートと、経済の実相にアンマッチがあるから、
レート変えるか、通貨そのものを変えるか、しないと
具合が悪いし、現状の不具合も是正できない
ていうのは、よく分かるのだけど。
でも、欧州の人々にしてみれば、日本で言えば、
県ごとに通貨も言語も違う みたいな状態から
やっとこさ今の状態にまで持ってきたワケですよ。
そこへ、いきなり 「3歩進んだから2歩下がる」
みたいなコトを言われても、
そらすんなり問屋が卸すまい、と思うのですよ。
それに、現実に通貨の切り替えをやるとなったら、
なんやかやと手間隙かかりますしね。
欧州の人らは、ユーロ切り替えの時に、
いっぺんそのあたりのモロモロを体験してるから
大混乱が起こる可能性、みたいのは
ほぼ無いとは思うけど。
だけど、ユーロの時と違って、今度は
「都落ち」なもんで、やっぱイロイロとあろうなぁ、
とは、予想できるんじゃないでしょうか。
そんな感じで、リクツ通りにばっさりユーロ離脱も
難しかろうなぁ ぐらいに思っていたのですが。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2012/05/post-2545.php
ユーロ崩壊への終末シナリオ | ビジネス | 最新記事 |
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nw (とか ft とか)が、今さら「ユーロやばす!」
みたいな事を言っても、特段、なにか新しい話が
あるわけではないのですけど。
でも「クライシスが来るよ!」てな事を言われ続ける、
というのは、実際にクライシスが来るよりも
良くない事なのではないか?
みたいに思えてきたのですね。
ギリシャがドラクマに切り替えたからといって、
それだけで状況の好転は期待出来ないだろうし、
ギリシャとユーロ圏双方にダメージを与えるリスクも
少なからずあるとは思うのですけどね。
でも、ああいう記事を出され続けるよりは、
一度仕切りなおした方が、いいのかもね。
EUはソ連に続く壮大な実験だった (スコア:0)
うまく行ってる間はうまくいくが、躓くとどうにもならないという結果を出して終わると予想。
県にたとえておられるが、県ならその上に国という行政上の強権があるがEUはそうではない。
以前にドイツがギリシャに対して徴税権などを委任しろと提案してギリシャに突っぱねられてる。
どこまで行っても行政権はそれぞれの国の物で、EUが強権を持って直轄下におけるようにはなってない。
事情の異なる国々を均一な枠にはめれば無理が出る。
関税、為替、入出国制限といった『事情』の調整手段を手放しておきながら、
国の上位に位置して調整を代行するべき連邦政府も置かれなかった。
こういった、異常時から回復するための強権、例外処理がない系は脆い。
EUが連邦国家として大統領と連邦議会を置き、国権の更に上位に位置する強権を受け入れていれば良かった。
しかし国権の更に上を置くというのは自国の権限が制限されることと同義なので、受け入れがたくはあるだろう。
それでも、事情の異なる国々が事情の調整手段を放棄する以上は受け入れるべきだった。
か、過去形で言うのはやめてあげて!(Re:EUはソ連に続く壮大な実験だった (スコア:1)
すんごい言い訳くさいけど、県の話は、行政組織というよりは、
一般ピープルとして生活する上での行動範囲
みたいな意味合いで読み取っていただければ、と。
欧州だと、国の下位の地方行政府の存在感が半端無い点も、
国家の上位レイヤーの組織を想定する上での、妨げになったかも知れません。
あと、まぁ、国連とかでの、1カ国分の扱いをどうする みたいな、
割とどろどろとした損得勘定の話などもあったのかも知れませんが。
道を走ってるだけでも、国境またいじゃうと、通貨も言語も違う
という事の利点も不便も味わいつくした人々だけに、
またぞろバラバラになるかも知れん つうのも、
やりきれないモノがあるのではないでしょうか。