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tad2の日記: セキュリティ & プログラミングキャンプに行ってきたよ

日記 by tad2

ちょいと縁がございまして、本年はIPAが主催してゐるセキュリティ&プログラミングキャンプ 2010に行ってまゐりました。交通費や宿泊費・食費なんかも含めて全額出してくれるといふ太っ腹なイヴェントでした。Viva タックスイーター!、ってやつですかね。この童貞が今後まったうに祿を食める機会なんてきっとありませんし。

このセキュリティ&プログラミングキャンプ、通称セプキャンには大別してセキュリティコースとプログラミングコースがあり、今年度はそれぞれ三組づつ、計六組のコースが存在してゐました。これは最初に応募書類を出す時点で決定せねばならず、重複応募も認められてゐません。なのでまづ応募にあたって選択を迫られました。とは言っても、この数個月はずっとRubyに没頭してゐましたので、プログラミングコースを選択することに大した躊躇もありませんでした。興味分野としてはセキュリティとしてもかなり大きいのですけれども。

行ったのは行ったなりに、きちんとした準備もございまして、私はプログラミングコースの言語組でして、言語組では主にRubyを題材にいたしますので、資料として呈示されたRubyソースコード完全解説(通称:RHG)は最低限読み込んでから参加いたしました。これ、読んだと読まなかったのではやはり大分違った気がしますね。全篇しっかり理解できたかといふとそれほどではないのですが、それでも血肉にはなりました。Rubyに関心のあって未読の方もWebで全篇読めますのでどうぞ。

肝腎の内容なのですが、初日はセキュリティの基礎概念やらOSSの概念の紹介、BoFなどでした。このBoFでは参加者や講師を交へた名刺交換会のほか、架空の図書館の検索サービスをスクレイビングした件を題材に辯護士と検事の先生によるパネルディスカッションがあり、非常に楽しめました。特に検事の先生が技術的な見地に造詣がありフランクな譬喩を用ゐていらしたのが印象的で好感を持ちました。

二日めはまた座学のプログラミングコース共通課目で、ヴァージョン管理システムの説明やソースコードの読み方、コンピュータの動作概念などの説明でした。午後はやっと組ごとに別れ、言語組の専門課目の講義と実習の時間になりました。私はPC-UNIXでの操作はまったく不慣れだったので戸惑ふ点も多々ありましたが、なんとか尾いては行けたやうに感じます。それにしてもVimmer多すぎだろjk……、と日頃からGUIのエディタばかり使ってゐるゆとられた大学生は思ったのでした。夜の講義時間は意図的にバグを埋込まれたヴァージョンのRubyからバグを発見して修正せよといふ実習でした。恥しいことに、ここでもゆとりの僕はやはり末席を汚してしまったといふ感じですね。ここに来るまでコマンドラインのgrepの使ひかたも存じ上げませんでしたし。

三日めは座学と課題の選択、午後からは実際に課題に取組むといふ流れでした。講師の西尾さんの言語の設計判断は特におもしろかったので紹介しておきます。課題には「Rubyに新しい文法を追加」を選択しました。内容としては専ら、yaccに通すparse.yファイルをああでもない、かうでもないと弄ってゐました。

この日の夜はBoFの二回めで、前半と後半にそれぞれテーマごとに別れたグループディスカッションとチューターのLTでした。前半は「50年前のプログラミング言語 50年後のプログラミング言語」といふテーマで、ポール・グラハムの「百年の言語」を題材に言語の変化の豫想や活用方法についてディスカッションを行ひました。実はあの場で「チューリング完全なものがプログラミング言語だ(キリッ」と口走ったのが僕なのですが、参加者が誰も発言しない空気をぶっこはしたかったので適当な定義を持出しただけですよ、と言ひ訣をしておきます。かと言って完全に的外れな定義だとも思ってゐないのですが、その後でアルゴロジックプログラミンとたてつづけにチューリング完全ではないおもしろい例を出されては、ぐうの音もでませんね。ぐう。後半は「JavaScriptの未来」として、amachangさん、竹迫さんらによるグループで、最新のJavaScriptについても知ることができて楽しうございました。私はJavaScriptも大好きなんですよ、JavaScriptが動作しない携帯電話は契約したことがありませんし。終了後には個人的に竹迫さんとお話もできまして、非常に有意義な場でした。amachangさんともお話したかったのですが、タイムアップで成らず。残念。

四日めは個人で課題に取組み、最終日に発表するためのプレゼンテーション用のスライドを作成。これまでにできたのは「後置case~when文(修飾子)」の追加と「改行をハッシュリテラル内の区切り記号と看做す」化でした。つまり、大したことはやってゐないといふことです。前者に至っては既存の文法との衝突が解決できませんでしたしね。後者は簡単にいじっただけなので、たぶんコミットしても問題ないのではないのかと推測してゐます。OOoのImpressが使ひにk…けふんけふん。

名残り惜しくも最終日の五日め。なけなしの時間でスライドを修正して、プログラミングコースの面前でなんとかそれなりの発表はできたのではないかと思ひます。文字は化けてゐましたが。時間はだいぶ餘してゐましたが。惡い発表をしたつもりもないのですが、ほかのひとの発表がすごすぎて、おもしろすぎて、浮いてゐた感は否めませんね。と卑下するのも好い加減にして、言語組のほかの発表を見ても「RubyでLittleQuiteの処理系を作成」だとか「Rubyのオブジェクトとインスタンスの生成を見える化」だとか、興味深い内容がたくさんでした。OS自作組では年少コンビがYuuki! NOVELでプレゼンを行ふなどインパクトのある内容でした。Linux組では「ファイルをシュレッダー」「brainfxxkをカーネルに」「カーネルエラーメッセージを一画面に圧縮」などこれも興味深かったのですが、段取りが悪く、駈け足で進行しても全員の発表が見られなかったのが残念です。

……と、こんなことろでセプキャン全行程になるのかな。あと修了証を受け取って「もう思ひ殘すことはありません」って言ったのも僕なんですが、悔いなんてありまくりだよ、こんちくしゃう。

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