ttの日記: マスではないテクノロジー 2
いまや技術はあっという間に広まる。正直ググれば大抵のことは分かる。が、この手の本を読むとやっぱりまだまだ技術者は生きていけそうだと安心する(自分が技術者と呼ばれるに値するのかはまた別の問題だが)。
たとえば「音響マスキング効果の基本」を分かったような気分になれる説明をしてくれるサイトは存在しても、そこからmp3エンコーダを作れるわけではない。「JITコンパイラの補助つきでx86のVMを作る」という目的があっても、JITコンパイラが何なのかは分かってもその実装方法が詳細に説明しているサイトは多分ない(あれば教えてください^^;;ちなみにこの技術の基本はVMware社の特許だったはず)。
いやまあ、そもそもこういうことを検索したいときにグーグルを使うのはやっぱり無茶なのかもしれない。「JIT」「コンパイラ」「VM」とか入れて検索してもヒットするのは大抵当たり障りのない電子用語辞書とかのサイトだ。じゃあ論文検索すれば良いかというと(確かにそれなりにヒットはするんだが)、余りにも狭い範囲の技術をちょこっと書くだけで、どう実装していいかが明確に分かるわけではない。特許になっている技術でも請求項は意味不明で、実施例を見てもやっぱり狭いところしか書いてなさ過ぎて参考にならなかったりする。結局、何らかのほかの実装を見ながらコードを読みつつ改造しつつ全体を理解するという、例によって体で覚える以外の方法がない気がしてしまう。
ちなみにBinaryHackの内容、幸か不幸か知っている技術が多いのだが、上記のように私の知識は「体で覚えた」ものが多いので、いわゆる専門的な説明や用語とともに体系的に書かれているものは便利そうである。
座学は三流の技術者であるところの私は二年前「スプリアス割り込み」という単語をはじめて知った。いや、現象自体はハードを叩いていて嫌というほど体験しているので(w、どういうときにどうなって起きるのかというのは分かっていたし、どうやって回避するかもそれなりに理解していたが、そういう名前で呼ぶとは知らなかった。名前がつくことって素晴らしいと思う。
なんであるが、結局買っていない。現金の持ち合わせが厳しい状況なので…と思ったら、某火災保険会社の不適切審査問題の謝罪で送られてきた図書カードがあまってたんだった。失敗。
ちなみにこの「スプリアス割り込み(spurious interrupt)」であるが、ググってもまともな検索結果は出てこない。またBinaryHackにも載っていないっぽい。んー、結構重要なテクノロジーだと思うのですが、そういうモン(世に組み込み屋さんはいてもOSのレイヤーから書くような人はいなかったり)なんですかね…
spurious interrupt (スコア:1)
初めて聞いた単語だったので、見つからないと言われつつも探してしまいました。
Wikipedia(en)のInterruptのエントリ [wikipedia.org]がよさげです。勉強になりました。
Re:spurious interrupt (スコア:1)
ちなみに実はこのエントリの続きではgoogleとwikipediaと世間一般のインターネット上のblogにおける知恵の伝達についてという壮大なことを書こうとしていたのですが気がつくと何故かメタルギアで一時間遊んでしまっていた俺がいます。もうねるべ。まあ思い出せば何か書くことでしょう^^;;;
-- Takehiro TOMINAGA // may the source be with you!