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yasuokaの日記: 龍、古作竜

日記 by yasuoka

人名用漢字の新字旧字:「竜」と「龍」の読者から、「龍と竜では、竜の方が古いんじゃないですか?」というご質問をいただいた。どうも『大漢和辞典』にある「〔集韻〕龍、古作竜」という記述を読んで、竜の方が古いと思ったようだ。

しかし、『大漢和辞典』の「〔集韻〕龍、古作竜」を、「龍より竜の方が古い」と解釈するのは、実は間違いだ。引用元の『集韻』を見ると、「龍」の説明には「古作竜𠉒㡣𠊋㰍」とあるのだ。つまり、「龍は昔、竜とか𠉒とか㡣とか𠊋とか㰍とか書かれたこともある」という意味で、別にどっちが古いとか言ってるわけではない。実際、隷変から『集韻』成立までの間で「竜」が使われているのは、私の知る限り隋の『美人董氏墓誌』くらいで、しかも「竜」の字形も微妙に隙間があいてたりする。

つまり「竜」は、あるいは太古の昔に「龍」と共に使われてたかもしれないが、その後は通行がほとんどなくなり、それがどういうわけか近代日本において復活した、ということなのだろう。その意味では、古字に由来をもつ新字、とでも言うべきなんだろうか。

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