yasuokaの日記: 「口へんに七」と「口へんに匕」
日記 by
yasuoka
小形さんのとこ経由でいただいた一昨日の漢字小委員会の資料をチェックしていたのだが、『「新常用漢字表(仮称)」に関する試案(案)』の「追加字種における字体の考え方」にカチンときた。
当該の字種における「最も頻度高く使用されている字体」を採用する。
- 「表外漢字字体表」の「印刷標準字体」及び「人名用漢字字体」がそれに該当する。(「表外漢字字体表」の「簡易慣用字体」を採用するものは,頻度数に優先して,生活漢字としての側面を重視したことによる。)
- 教科書や国語辞典をはじめ,一般の書籍でも当該字種の字体として広く用いられている。例えば,上述の「漢字出現頻度数調査A」では,
(頬:8回,頰:6685回)
(亀:6695回,龜:4回)
(遡[1点しんにょう]:2回,遡[2点しんにょう]:753回)
(餌[飲の食へん]:3回,餌[飮の食へん]:1377回)という結果(出現回数)となっている。
- 情報機器でも近い将来この字体に統一されると考えられる。
ふざけるな。だったら「𠮟」(口へんに七、U+20B9F)なんかじゃなく、「叱」(口へんに匕、U+53F1)の方を(新)常用漢字に追加すべきだろう。そもそも「漢字出現頻度数調査A」でも「𠮟」は2169位、「叱」は1852位なので、「叱」の方が出現頻度が高い(ここの「凸版(3)順位」参照)。しかも、パソコンや携帯電話などの情報機器でも、今後「𠮟」に「統一」されることなど有り得ない。「叱」を28区24点に残したまま、「𠮟」を別区点に追加するしか方法がないのだ。
(新)常用漢字と携帯電話にも書いたが、この問題がどれだけの危険を孕んでいるのか、漢字小委員会は本当に理解しているのだろうか?
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