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日記

yasuokaの日記: 武雄市図書館・歴史資料館と武雄鍋島文庫 1

日記 by yasuoka

一昨日の「Re: 武雄市図書館・歴史資料館と佐賀県公共図書館協議会」に関して、何が目的で部外者が口を挟んでくるのか、という趣旨の御叱正を複数いただいた。気付いている人も多いと思っていたのだが、私(安岡孝一)の目的は、もちろん武雄鍋島文庫だ。

武雄市図書館・歴史資料館が所蔵している武雄鍋島文庫は、佐賀県立図書館の鍋島家文庫や蓮池鍋島家文庫、佐賀大学の小城鍋島文庫などと並んで、いわゆる「大」鍋島文庫の一角をなす重要な史資料群だ。個人的なことを言わせてもらえば、たとえ武雄市のTポイント情報が流出しても、私は痛くもかゆくもない。しかし、武雄鍋島文庫が流出するのは困る。もし海外流出などしてしまったら、ショックで夜も眠れない。それほど重要な史資料群なのだ。

ただし、だからと言って、武雄鍋島文庫を閲覧禁止にして、そのまま死蔵されてしまうのは、もっと困る。私も含め、それでは研究にならないからだ。つまり、流出しないようしっかり保全しながら、それでも一般向けにちゃんと閲覧公開していく、という微妙なサジ加減が、古典籍や史資料の運用には必要なのだ。また、補綴・修繕に関しては、どうしてもプロの手を借りる必要があって、関係各機関との連携が不可欠だ。

ところが、カルチュア・コンビニエンス・クラブ+武雄市図書館・歴史資料館の『事業計画書』(武雄市臨時市議会資料、平成24年7月18日)には、どこを読んでも「武雄鍋島文庫」の文字は現れない。それどころか、「古典籍」も「和漢書」も「史資料」も「文物」も、「貴重書」すら現れない。これらを閲覧運用する気がないということだ。そもそもTSUTAYA代官山に、古典籍や史資料の閲覧運用のノウハウがあるようには見えないし、実際そんなノウハウなどないだろう。その意味では、佐賀県公共図書館協議会や日本博物館協会などとの連携が、今後はキーポイントとなる。

もし、武雄市図書館・歴史資料館が、佐賀県公共図書館協議会を脱退するのなら、早速すっとんでいって、武雄鍋島文庫を移管してもらわねばならない。移管先は、個人的には佐賀県立図書館か佐賀大学がうれしい。あるいは、脱退しないまでも、武雄鍋島文庫の閲覧運用を今後おこなえない、というのなら、たとえば佐賀県立図書館に寄託していただくべきだろう。ただし、これらの移管あるいは寄託をおこなうなら、武雄市図書館・歴史資料館が改修工事に入る前にやるしかない。そう考えると、もう時間はほとんど残されていないのだが、さて、武雄市議会はどうするつもりなんだろう。

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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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