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ネットワーク

yasuokaの日記: 『マイナンバー、その「複雑さ」の真相』連載終了

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の日経ITproでの連載『マイナンバー、その「複雑さ」の真相』全6回が、無事、終了した。5月19日の日記でのお約束どおり、高木浩光さんのtweetにお答えしようと思う。

Hiromitsu Takagi どこがおかしいか。まず、「情報提供ネットワークシステムはその場合、どこに拒絶されたかすら明らかにせずに、日本年金機構に対して、クエリを拒絶する旨を返す。」とあるが、そんなことどこで決まったの? 独自の推測なのか何かを根拠に述べているのかすら明らかにされていない。

これに関しては、連載第2回でネタばらししたとおり。

Hiromitsu Takagi 次に、1頁目の「同時に、個人番号に関するクエリを許さない方式になっているのである」、2頁目の「個人番号を問い合わせるようなクエリを、すべて拒絶するようにシステムを設計するのは当たり前のことだ」が意味不明。

これについても、連載第2回でネタばらししたとおり。

Hiromitsu Takagi 2頁目「「利用番号C」を問い合わせるようなクエリにどう答えるべきか」とあるが、「利用番号C」で問い合わせることなどないことが理解されていない疑い。

これについては、連載第4回でネタばらししたとおり。

Hiromitsu Takagi そして致命的におかしいのが、2頁目の「それでは、個人番号を問い合わせるクエリの代わりに、上図の「符号C」…のような個人番号と1対1に対応する情報を問い合わせて…というクエリを使うのはどうだろうか。…」から続く部分。どうだろうかも何も、ズバリそれが「符号C」なのに何を言ってるの?

この点に関しても、連載第4回でネタばらししたとおり。現場は「住民票コード」を聞き出したがっているので、「クギ」を刺しておかないと危険。

Hiromitsu Takagi というか、これは直前の「個人番号を問い合わせるようなクエリを使うことで、データの完全性を確保したいと思ってしまう…」を受けているようなので、「符号C」による要求に「個人番号」を応答するのを想定したようだが、そんなことするまでもなくC側で「符号C」と「個人番号」が元々対応している。

いや、その「直前」の部分は、連載第3回への伏線で別の話なので、それと混ぜるとワケがわからなくなると思う。

Hiromitsu Takagi そもそも、「このような例を考えると、各サーバーの設計や改修を受注したITベンダーは、個人番号を問い合わせるようなクエリを使うことで、データの完全性を確保したいと思ってしまうだろう。」というのが意味不明。

この部分は、あくまで連載第3回への伏線なので、この時点で意味不明だったのは、確かにそうだと思う。

Hiromitsu Takagi 「データの完全性」という表現も意味不明だが、意味を酌んで、文字コードが違っても同一人物だと機械的に同定できるようにするという意味なのだろうが、それこそが個人番号の意義なのであって、個人番号の整備が完了した時点で、文字とか関係ないし氏名すら関係ないわけで。

いや、その意味の酌み方は違ってて、あくまで連載第3回への伏線。「関係属性」がこの時点での仕様では考慮されてなかったので、じゃあ「続柄」などの「関係属性」を含む「データの完全性」を確保しようとした時に、どういう「危険」な実装がありうるかという話。ただ、「関係属性」の話に関しては、私の見込み違いで結局、問題をわかりにくくしてしまったので、反省することしきり。

Hiromitsu Takagi 個人番号の整備完了後は、個人番号で属性情報をやりとりするのだから、氏名の文字が「「濵田鷗」になっていたり、「濵田鴎」になっていたり、「濱田鴎」になっていたり、「浜田鴎」になっていたりする」とか、関係のない話。

これに関しては、5月19日の日記に書いたとおり。私がうまい例を思いつかなくって、ごめんなさい。

Hiromitsu Takagi 初期突合をするときに文字が問題になるという話なら理解できるが、それなら、1頁目に書かれているような連係方式でやるわけじゃない。

これについても、連載第2回でネタばらししたとおり。

Hiromitsu Takagi それなのに、「となると、濵→濱→浜、鷗→鴎、のような異体字書換表を各サーバーごとに準備して、その範囲での「あいまいなマッチング」を行うように実装するしかない」などと、あたかも氏名をキーに1頁目の情報提供ネットワークシステムの連係処理が行われるかのようなことが書かれている。

「氏名をキーに」なんてこと、私は一言も書いてないのだけど。5月19日の日記に書いたとおり、私がうまい例を思いつかなかったせいで、誤読されたのかしら。

Hiromitsu Takagi 情報提供ネットワークシステムが何をするものなのかまったく理解しないまま、「マイナンバーのシステム調達が、巨額になってしまっている理由は、すなわちこういうことだ。」などと言っており、全く信用に値しない連載になるだろう。

まあ、「信用に値しない」って言うのは個人の自由だけど。けど、私個人としては、連載第2回で主張したLGWAN-ASP実装が内閣府の仕様に取り入れられたし、連載第5回で示した犯罪人名簿の問題にアチコチから反響があったし、かなり手ごたえのある連載だった。あとは、戸籍とパスポートと死後のマイ・ポータルを、さてどうするか…。

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