米国では今月、二つの重要な憲法判断が米高裁によって下された。一つは24日、人工中絶権の合憲性認めない判断を下した。この判決により女性の中絶権が合衆国憲法で保障されなくなる(
BBC、
NHK)。
今回の裁判ではアメリカで長年、女性の人工妊娠中絶権は合憲だとする根拠となっていた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆した。49年前に連邦最高裁が定めた判例を、最高裁が自ら覆したことになる。この影響により、全米のおよそ半数の州で中絶が厳しく規制される見通しとのこと。
二つ目は23日、100年前に制定された銃の携帯を厳しく規制するニューヨーク州法は憲法違反との判断を下した。同州では、銃を自宅の外で持ち歩くためには専用の免許を取得することが義務付けられている。今回、最高裁によってそれが憲法違反であるとの判決が下された。最高裁判事9人のうち6人が賛成、武器保持の権利を定めた憲法に違反するとの判断を下したという(
時事ドットコム、
Business Insider)。
この二つの最高裁の判断に対し、バイデン政権は失望する声明を出している(
読売新聞)。米国では乱射事件が相次いでいることから、バイデン大統領は25日、連邦議会が可決した銃規制強化の法案に署名、成立させた。この法案では、21歳未満の銃購入時の身元調査拡大などの項目が含まれている(
BBC)。