simonのコメント: エンジンが肝 (スコア 4, 参考になる) 151
>国産で開発できないものかね?
できればそうしたいのは山々なんですが、そもそも現代の戦闘機に必要とされる機動性は大推力のジェットエンジンに依存しています。
多量のミサイルを積み、高速で飛行しなおかつ大出力のレーダーを使用するためにはとにかく少しでもパワーのあるエンジンが必要なのです。
で。
F-15に使われているプラット・アンド・ホイットニー(P&W)社のF100エンジンの推力は10トン。
F-35に使われることになっているP&W社のF135エンジンの推力は12.7トン。
それに対し日本のIHIが開発した、XF5-1エンジンの推力は5トンです。
(これは防衛省技術研究本部が開発中の技術実験機『心神』に搭載されることになっています)
ちなみにP&W社のF100エンジンの初飛行は1972年。XF5-1エンジンの初号機は1998年に納入されたもので、26年経ってようやく半分程度の出力を出す事に成功したに過ぎません。
(さらに言えばこのXF5-1は『実証エンジン』であり、つまり信頼性も運用コストもまだまだ実用に足るものではありません)
軍用のジェットエンジン開発にはさまざまな施設、一例を挙げれば地上で燃焼実験を行うための超音速風洞が必要だったりするのですが、北海道の防衛省の研究所にある風洞はそのサイズも風量もP&W社のそれには到底及びません。
ついでにいえば、P&W社の持ってる超音速風洞と同クラスのものはゼネラル・エレクトリック社も持ってて互いに競いながらエンジンを開発してたりします。
これに追いつくにはかなりの資金投下が必要です。施設面のみならず人員的にも。
もし上手くいって十数年後に10トン級のジェットエンジンを開発することに成功したとしても、その頃にはアメリカや世界のトップクラスのジェットエンジンは20トンクラスの領域に達していることでしょう。
ジェットエンジン先進国のレベルに達するには数世代の努力が必要であると思われます。
そして、それと同じくらい深刻なのがステルス技術。
日本は低ステルス性のための設計ノウハウがほとんどありません。
ステルス機に最適な形状を探るシミュレータも。
実機サイズのモックアップで試してみる電波暗室も。(『心神』のステルス性検査はわざわざフランスまで運んで行われました)
まあ、こういった技術にじゃんじゃかお金を投資すればあるいは数世代後には世界レベルに達した戦闘機を作れるかもしれません。しかし、そのために必要な資金・人材がそれに値するものかどうか、という点では冷静な評価判断が必要とされるでしょう。
>ていうかどっかの国のせいでF-2の開発にストレスがタップリ貯まった開発者に
>今度こそ気兼ねなく開発してもらいたいという個人的希望でもあるんですけどね。
石原慎太郎あたりが吹いている「FS-X(のちのF-2)開発では日本を脅威に思ったアメリカに横槍を入れられた!
本来なら日本独自でもっと性能の良い戦闘機ができていたはずだ…」という説がありますが、実際問題としてこの説は全く正しくありません。
当時も今も、日本には戦闘機用のジェットエンジンを開発する能力なんて無かったんですから。戦闘機としては最大の肝であるところのエンジンをアメリカに頼りきっている状況で「日本独自」なんて冗談もいいところです。
>F-22を売り渋ったわけだから自前で造るというのは理由としても正当化できるかと。
>それに海外メーカーに金を払うならまだ国内メーカーに金を払ったほうがましだとも思うですよ。
結果得られるものがアメリカから買えるものと比べて格段に劣っているのなら、正直買ってきちゃったほうが得、という気がします。
将来的にはさておき、十年以内でしたらほぼ確実に米機を買ったほうがメリットがあると思われ。