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人生unstable -- あるハッカー
真空と聞いて (スコア:4, 興味深い)
「伝送速度は35%向上し、消費電力は15%削減」なんて派手なことになるということは、おおざっぱに「時定数35%減→寄生容量が35%減」として、
SiO2の比誘電率は4前後 [nikkeibp.co.jp]ですから、およそ配線周辺の43%が真空領域ってことになります…
真空部分では熱伝導は無くなるわけですから、そういうチップは廃熱効率が悪くなるってことはないですかね? ちょっと心配
Re:真空と聞いて (スコア:5, 興味深い)
>真空部分では熱伝導は無くなるわけですから、そういうチップは廃熱効率が悪くなるってことはないですかね? ちょっと心配
あくまでもチップ(と言うかダイ)とパッケージの間の熱結合が損なわれるような意味での「真空化」でなさそうなので、杞憂で終わってくれると思います。
まぁ、素子パッケージ内の高い真空度をより長く維持しなければならないという技術的な「難関」が次に控えている訳ですが。
この製造法のミソは、「ダイ上の銅配線部分以外はカーボンシリカガラスだけになるように焼成しておいた上で、カーボンシリカガラスだけを取り除く製法を採用することによって、ダイ上に無数の真空の穴(と言うかくぼみ)が空きそこが真空になるので、旧来の製法では配線と配線の間を繋いでいたウェハ物質(SiO2など)の誘電体が排除され、ダイ上の銅配線間のリーク電流による熱損失などを減らせる上に、微細プロセス化の時に問題となっていたパターン生成の前工程であるフォトエッチング工程につきまとっていた”ピンぼけ”を低減できた」って事ではないかと。
IBMのプレスリリースの要約 [eetimes.jp]から:
> リソ工程は不要
> 自己組織化型プロセス技術の特徴は、マスクとフォト・エッチングの工程を省略できることにある。
> その代わり、適当な割合で化合物を混ぜ合わせた液体を、チップ上に配線パターンを形成したSiウエハーに注ぎ、
> その後、Siウエハーを熱処理するという工程を採用する。
> このプロセスを使えば、化合物が規則正しく自己組織化するため、直径が300mmのSiウエハー全体にわたって、
> 直径が20nmの穴を均一に形成できる。
> 20nmという直径は、現行のリソグラフィ技術で得られる値の約1/5である。
> 穴を形成した後に、カーボン・シリカ・ガラスを除去することで、配線間に真空状態の穴を作り込むことが可能になる。
Re:真空と聞いて (スコア:2, 参考になる)
IBM自身は(ポーラス系を含め,熱伝導率の悪いlow-k材料の採用は)結構効いてくるかも,と
考えているようです.
Microelectronics and Reliability, 46 (2006) 232-243
>微細プロセス化の時に問題となっていたパターン生成の前工程であるフォトエッチング工程に
>つきまとっていた”ピンぼけ”を低減できた
出来ません.
LSI上の素子自体は今までの普通のフォトリソで作りますので.
self-assemblyでフォトリソ不用になるのはナノポアを作る過程だけです.
#この過程はそもそもナノポア材料を使わなければ生じないので,全体としてのフォトリソの利用が
#減るわけではない.