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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」
現行のひまわり退役後はどうするのだろうか (スコア:3, 興味深い)
GPS風の交通管制と気象衛星の機能を兼ね備えた、文字通りの
運輸多目的衛星MTSAT「ひまわり」ですが、その設計寿命は、
気象観測が5年、航空管制が10年です。
当然、寿命が先に来る気象観測を考慮すると次世代衛星も
もう開発を始めなければならない時期に来ます。
(日本の場合、衛星開発・製造にはおよそ5年掛かる)
更に国際気象機関WMOから、気象観測以外に宇宙環境・太陽観測に使う
SEM、SXIイメージャ(サウンダー)の搭載を求められています。
(米国の気象衛星GOESには搭載されており、ひまわり4号には
SEMが搭載されていたが、それ以降には搭載されていない。)
特にMTSATは交通管制機能が搭載されて、衛星が大型化しており、
その上に、GOSEと同レベルの観測機器を搭載するとなると、
衛星バス(観測機器などミッションに必要な機材を乗せるボディー)
の収容能力の限界や、電源供給量の限界にぶつかる可能性が高く、
国際機関が求める観測機材は搭載出来ないのではないかと言われています。
自国の災害に対する安全保障や得られるデータを外交上の切り札の
一つとして戦略的に気象衛星を極めて重要視する他国と違い、MTSAT以前は
予備衛星すらまともに打ち上げず、動くと言うだけで現行機をぎりぎりまで
漫然と運用し続ける程、宇宙利用に関する国家戦略が無く、気象衛星の扱いが
他国ではあり得ない程軽い我が国は、実際に運用する気象庁に
気象衛星打ち上げに必要な予算すらまともに与えませんでした。
その影響で国土交通省との相乗りでやむなく出来上がったのがMTSATです。
しかし今後は国際機関からの要請もあり、中途半端な気象衛星を運用することは
許されなくなるので、次世代機は要請のある観測機器の搭載と引き替えに、
交通管制システム機能の分離か、若しくは全てを搭載できるよう更なる衛星の
大型化の二択になると思いますが、衛星の大型化は必然的に打ち上げ手段と衛星開発の
高コストを招く上、あれもこれもと欲張ったような複雑な機能やメカニズムは、
軌道上での故障の可能性も高くなり、気象観測・交通管制という生活の安全に
直結する衛星にとって、恐ろしいアキレス腱となります。
衛星バスの故障などで、双方の機能が万が一共倒れという事態にでもなったら、
かつてのひまわりのような綱渡り的運用が再び行われることになり、
その影響や混乱は気象観測のみだった、かつてのひまわりの比ではないでしょう。
MTSATがカバーする環太平洋エリアの内部で受け持つ
交通管制や気象観測のどちらも人の安全に直結する大事なミッションです。
今後その双方が脆弱にならないよう、衛星の開発と運用をしていってもらいたいです。
Re:現行のひまわり退役後はどうするのだろうか (スコア:1)
5年経ったら気象観測ミッションはMTSAT-2が担当して、
MTSAT-1Rがセンサのクリーニングをする時やトラブル時のバックアップに回る、
そして10年後には新たな衛星ペアと交代……という意味の
「衛星寿命は気象観測が5年、航路管制が10年」だと思うのだが。
現状だってそうしているわけだし [jma.go.jp]。
こと静止軌道は有限な資源だからまとめられる機能はまとめてしまった方がいいし、
少なくともMTSAT-1R/2より大きな静止商用衛星はいくらでもある。
H2A204やH2Bなんかがあるのでロケットの方にも余裕はあるし。
それに、そりゃ単機能の中小衛星に分散すれば、ADEOS/ADEOS-2のような
「衛星こけて全てのセンサとその成果がアディオス」という事態は避けられますが、
そのかわり機能ごとに衛星を分ければ分けるほど
「全ての衛星が正しく機能している確率」は下がっていくわけで。
Re:現行のひまわり退役後はどうするのだろうか (スコア:0)
WAASは担当空域に2機いないと成り立たないので。
Re:現行のひまわり退役後はどうするのだろうか (スコア:0)