このように、楽譜に乗らない音を前提とする 4'33" の録音を人に買わせるのならば、始めから音源にノイズの乗らない CD よりは、ノイズが入るレコードの方が、作曲者が望む音の再現性が高いのかもしれませんね。
ヤン富田氏自身は彼自身による「4'33"」を収録した(しかもオリジナルのほかにダブ・ヴァージョンも収録されています)「music for astro age」というアルバムのセルフライナーの中で、「CDというノイズの入らないメディアの登場により、4'33"の収録が可能になった」といったニュアンスの発言をしています。
確かにレコードだと特定のノイズが出ますから「再現性」という点では頷けますが、作曲者自身はむしろ「一定のノイズ」よりも演奏時間に発生する偶発的なノイズを期待して作曲したのでは?と思うのです。
Silence (スコア:1)
現物を見たことも聴いたこともなく、話でしか聴いたことがないのですが、1960 年代に、欧米のジュークボックスによく入っていたという、音のないレコード「Silence」はどう関わってくるんでしょう(笑)。
ちなみにこれも現物を見たこともないですが、ジョン・ケージ「4 分 33 秒」のみを収録したシングル・カット・レコード「Version Wayne Marshall, Floating Earth UNIT 14」というのが存在するらしいです(笑)。こちらは著作権を踏まえた再演奏だそうですが。
4'33" (スコア:2, 参考になる)
楽章ごとに異なった(人工的でない)環境音が録音されていたと思います。#122474 [srad.jp]の方の演奏の趣旨とは異なり、爽やか風味です。
まぁCageの4'33"は、アイデア一発で演奏できるので、演奏を試みる人は多いです。録音を人に買わせるとなるとなかなか難しいですが。
# amadinda のアルバムはCageの初期作品の演奏などが悪くないです。
office
Re:4'33" (スコア:2, 興味深い)
4'33" [amazon.com]、これ、でしょうか?
4'33" という楽曲は、観客の咳や椅子の軋みや、そういうものを一緒に聴くアンビエント・ミュージックの先駆と聴いていたので、このように、演奏方法は解釈の仕方でいろいろとできるものかもしれませんね。
ヤン富田の「素晴らしい偶然を求めて」というライブ・アルバムにも、4'33" の演奏が収められているのですが、演奏後、「ショート・バージョンでお贈りしました」というコメントが入っているのがおかしかったりします。
このように、楽譜に乗らない音を前提とする 4'33" の録音を人に買わせるのならば、始めから音源にノイズの乗らない CD よりは、ノイズが入るレコードの方が、作曲者が望む音の再現性が高いのかもしれませんね。
Re:4'33" (スコア:1)
ヤン富田氏自身は彼自身による「4'33"」を収録した(しかもオリジナルのほかにダブ・ヴァージョンも収録されています)「music for astro age」というアルバムのセルフライナーの中で、「CDというノイズの入らないメディアの登場により、4'33"の収録が可能になった」といったニュアンスの発言をしています。
確かにレコードだと特定のノイズが出ますから「再現性」という点では頷けますが、作曲者自身はむしろ「一定のノイズ」よりも演奏時間に発生する偶発的なノイズを期待して作曲したのでは?と思うのです。
で、そもそもの発言に話を向けますが、個人的には著作権の侵害だ!とムキになって言っている「音楽出版社の方がマヌケ」だと思います。沈黙にする意図まで一緒だとは限らないと思うし。
Re:4'33" (スコア:1)
ライナーノーツを確認しました :-)
わたしが言ってみたレコードのノイズとは、「一定のノイズ」というよりは、聴き続けることによって増していく「ノイズ」みたいなことを指してみたのですが、確かに 4'33" はそれよりも、音全体を覆うその場かぎりの、偶然や偶発こそを求めた音楽なので、このような場合、ちょっとズレた発言になってしまったかもしれません。
ちなみに蛇足ですが、ヤン富田氏の 4'33" への発言を調べなおしてみたら、HOT WIRED とのインタビュー [hotwired.co.jp]にて、デビッド・チュードアに 4 分 33 秒、ピアノに座ってもらってバイオフィードバックバージョンをやっときたかった。と発言していますね :-)
こちらも元発言について言えば、「音楽出版社とその背後にいるであろう弁護士はマヌケ」と思います。彼らにとってみればオリジナル・コンセプトを侵害した。という考えなのでしょうが、それを言い出したらポップスの歴史をすべて否定することになっちゃうわけですし。。