コメント: PanasonicがSONYや紀伊國屋との同意履行に動くのならば歓迎 (スコア 5, 参考になる) 35
ヘルスケア部門はどうなるか知りませんが、電子書籍については、Panasonicは電子書籍部門だけ買収するという検討もとのことですから、コンテンツが欲しいと言うより、電子書籍を作るためのノウハウを入手して電子取次として名乗りを上げるつもりなのだと思います。そして以前
紀伊國屋書店、ソニー、パナソニック、楽天 電子書籍の利便性向上に向けて、共同で取り組むことに合意と言うプレスリリースが流れていまして、その方面があるのでは無いかと思いますね。この中で
1.お客さまが自由に電子書籍端末を選び、さまざまな電子書籍ストアから、より多くの電子書籍タイトル(以下、コンテンツ)を購入することのできる環境の整備を推進。具体的な目標としては、2011年後半から4社がそれぞれ提供、運営する電子書籍端末および電子書籍ストアが相互に接続できる環境の実現を目指す。
2.お客さまがさまざまな電子書籍ストアから購入したコンテンツを、お客さま自ら一元的に管理できる環境の提供。
3.リアル書店、ネット書店、電子書籍ストアの売れ筋情報が一目でわかるランキングを主体としたポータルサイトの開設。
としていて、楽天はKoboちゃんによってアレしましたが、紀伊國屋とSONYは既に1については実現しています。2,3はまだですがこれは一応Booklistaがその役割を果たすという事になっているのかな?と言う事で実現に動いてます。
Panasonicは楽天と組んでやる予定でしたが楽天はドロップアウトしたため、その後何もしていませんでした。ですがPanasonicはSONYと並んで、ΣBookなど、電子書籍元年(笑) よりも前から電子書籍に取り組んできていますのでそれなりにノウハウはあるはずです。電子書籍はまだまだ普及しているとはとても言いがたい状態ですが今から新規参入するよりはこの同意を守った枠組みででてくるのではと思います。(もしこの同意を無かった事にして、新たな陣営を立ち上げようとしてもKoboちゃんの二の舞でしょう)
これを加味すると、国内電機屋の電子書籍への取り組みは
- SONY
- 国内勢で唯一自社ブランドで電子ペーパーを使った読書端末を大々的に販売。自前ストアと、紀伊國屋BookWebに対応。DRMにMarlin+Octopusを使用。自社ストアはiOSにこそ対応しないものの、Android端末であれば他社製でも利用できる。実はReaderの中身はAndroidなので、Rootを取ると各社のAndroid向け電子書籍アプリが動くと言う話も。(BookWalkerは自社イベントで展示すらしてみせた)
- Panasonic
- 楽天と組んでいたが、楽天がKoboちゃんに移行したため販売終了。DRMはSONYと同じくMarlin+Octopusの基板技術を使用しており、互換性がある。ΣBook時代はeBookJapanと連携していた。自社ストア無しだがこの報道が事実ならば今後の動向に注目。
- SHARP
- 言わずと知れたガラパゴスを販売しているがAndroid端末なので自社のストア以外も当然使える。SHARPはXMDFを開発してきた技術を応用し、各社に電子書籍ストアを開設する基板技術を販売する戦略をとっており楽天Koboを除くほぼ全ての国内電子書籍ストアには、SHARPの技術が使われていると考えられる。
- NEC
- BookLive(凸版系)が発売するLideoは、NEC製。これ以外では特に自社での動きは無く、今のところ端末製造に特化している?
- 東芝
- BookPlaceという液晶端末を出すものの、どう見ても成功しているとは言い難い。BookPlaceストアの実態はeBookJapan(凸版系)である。
- 富士通
- あ、SONYの項で国内唯一とか言いましたが富士通がありました。国内どころか世界でも希で優秀なフルカラー電子ペーパー端末「FLEPia」を販売している。この電子ペーパーは(現行商品は)反応速度に難があるものの、その他のフルカラー電子ペーパーが持つカラーフィルタを重ねているために発生する問題がない事など、優秀である。しかし、OSがWindows CEでありもはや古く(2009年発売時でも古い…)、専用電子書籍ストアは閉鎖されるなど微妙なことに…。真面目に作り直せばかなり有望な技術であるはずが未だに上手くいかない。
- なお、上記Marlin+OctopusのDRMは富士通も深く関わっているため、電子書籍に限らずコンテンツ配信のシステムには関わっている模様。
- 日立
- 今のところ動きは無い。DRMソリューションの販売事業はやっている模様。
なお、auがこの間まで売っていた専用電子ペーパー端末はFoxcconのデモ機に毛が生えた程度のものでした。
SONY、紀伊國屋、Panasonicが採用するMarlin+Octopusという技術がありますが、これは実はかなりいろいろなところで普及しているDRM技術でして、例えばPlayStationが採用していたり家電製品やCATV、オンデマンドビデオなどでは非常によく使われています。(BookLiveのDRMも基盤技術は同じなのではと睨んでますが具体的発表は無い)
これはファイルのコピーに制限をかけるのでは無く、ファイルを再生する権限を端末に与えると言う考え方でシステムが出来ています。例えばAmazonやKobo、ニコニコ静画、さらにJMangaのようにクラウド依存サービスは、サーバがサービスを終了すると全てのコンテンツが読めなくなりますが、こちらはどういう事かと言うと、サーバがサービスを終了しても、一度認証されていればその機器が破壊されるまでは見ることができるというわけです。
まず大前提としてDRMは正規利用者にばかり負担をかける非常に筋の悪い技術であり、今すぐ滅びるべきですが、その次点程度にマシなのがこのMarlin+OctopusのDRMを各社が互換性をもった状態で共通プラットフォームとして相互運用するという事だと思います。
これが実現すれば囲い込まれる心配も無く、端末の選択肢も広がって各社の健全な競争が期待できますし、DRM規格が共通化されていれば、ある端末を買ってしまったらそのメーカの書店からしかダウンロードできない、と言う事もありません。AndroidやiOSなどの汎用端末でも同じで、DRMが共通化されれば、今は複数の書店は書店アプリを使い分ける必要が無くなり一元管理ができるようになるかもしれません。
一番最初に挙げたプレスリリースが出た時、これが実現するのかと密かに期待したのですがその後楽天がKoboちゃんに向かって消えたので、もう無くなったのかと思ってました。Panasonicはまだ電子書籍をやるつもりがあるようです。成功するかどうかは分かりませんが…。