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「消費者」という言葉にひきずられてるかなと思い、補足。
原文では「消費者 (consumer) 」ではなく「顧客 (customer)」と書かれています。筆者が参加したOSTTは公式ページによればCEO/CIO/CTOクラスの人間、法律家、投資家などを招待して行うイベントで、筆者が「顧客」と書いているのも「行政組織や企業において導入するソフトウェアを選定するような立場の人たち」が中心かと思います。
で、全体的にそういった顧客の観点からの話。欧米対比表の各項目は短い解説が加えられていますし、いくつか引用しましょう。okkyさんが書かれたような動機も出てきます。
オープンソース導入の第一の理由 OSTTの前の週に私は、ニューヨークの金融サービス業のIT部門の重役たちと数日過ごしていた。過去2回のOSTT in Napa(カリフォルニア州ナパ)ではいずれもCIOパネル討論会が行われていた。この3つの機会すべてにおいて聞かれたのは共通するテーマで、オープンソース導入の原動力となる第一の要因はコストというものだった。さらに、The 451 Groupがオープンソース導入に関するCIOへの調査を行っていて、オープンソースの選択肢を選ぶ第一の理由はコストであると判明している。これは今週私がEurope OSTTで聞いたこととは全く対照的だった。確かにコストは重要だが、より重要なのはソフトウェアのオープンソースとしての性質――特に、ベンダーを複数確保できること(ベンダー囲い込みの回避)、プロジェクトの方向性に影響・支援できることが重要なのだという。 デュアルライセンスのビジネスモデル 米国内ではデュアルライセンスに基づくビジネスモデル(オープンソースコードの商用ライセンスでの再ライセンシング、あるいはオープンソースプロジェクトに追加機能をつけての商用版の販売)は一般的なものになっている。OSTTの欧州からの出席者たちからは、そういったモデルに対して欧州の顧客の間には否定的な反応がある、というのがはっきりと聞こえてきた。これは先週会談を持った、オープンソースソフトウェアの商用ライセンスのベンダーからの納入に満足している米国のCIOたちとは全く対照的だ。 「オープンソース」製品にまつわる期待 欧州でオープンソース企業に求められるものは、米国内よりも明らかに高い。つまり、ある企業の主業務がオープンソースベンダーであるなら、その企業のソフトウェアは一つ残らずオープンソースライセンスで提供されることが期待される。さらには、ソフトウェアの方向性の指針に顧客が参加できるような、何らかのコミュニティモデルないしインタラクションモデルの存在が期待されるのだ。
オープンソース導入の第一の理由
OSTTの前の週に私は、ニューヨークの金融サービス業のIT部門の重役たちと数日過ごしていた。過去2回のOSTT in Napa(カリフォルニア州ナパ)ではいずれもCIOパネル討論会が行われていた。この3つの機会すべてにおいて聞かれたのは共通するテーマで、オープンソース導入の原動力となる第一の要因はコストというものだった。さらに、The 451 Groupがオープンソース導入に関するCIOへの調査を行っていて、オープンソースの選択肢を選ぶ第一の理由はコストであると判明している。これは今週私がEurope OSTTで聞いたこととは全く対照的だった。確かにコストは重要だが、より重要なのはソフトウェアのオープンソースとしての性質――特に、ベンダーを複数確保できること(ベンダー囲い込みの回避)、プロジェクトの方向性に影響・支援できることが重要なのだという。
デュアルライセンスのビジネスモデル
米国内ではデュアルライセンスに基づくビジネスモデル(オープンソースコードの商用ライセンスでの再ライセンシング、あるいはオープンソースプロジェクトに追加機能をつけての商用版の販売)は一般的なものになっている。OSTTの欧州からの出席者たちからは、そういったモデルに対して欧州の顧客の間には否定的な反応がある、というのがはっきりと聞こえてきた。これは先週会談を持った、オープンソースソフトウェアの商用ライセンスのベンダーからの納入に満足している米国のCIOたちとは全く対照的だ。
「オープンソース」製品にまつわる期待
欧州でオープンソース企業に求められるものは、米国内よりも明らかに高い。つまり、ある企業の主業務がオープンソースベンダーであるなら、その企業のソフトウェアは一つ残らずオープンソースライセンスで提供されることが期待される。さらには、ソフトウェアの方向性の指針に顧客が参加できるような、何らかのコミュニティモデルないしインタラクションモデルの存在が期待されるのだ。
結論部分では要約すると「米国ではソースコードそのものや、いかにコードへのアクセスがコスト面での恩恵を生み出してきたかには関心を持たれないが、欧州の商用オープンソースコミュニティはよく理解している。結果として採用の度合いも高く、多くの事例で商用ライセンスよりもオープンソースライセンスが望まれる。こうした洗練のレベルに、いつかこちらも追いつけるといいのだが」というようなことが書かれています。
筆者は顧客側からの積極的な関与を強く印象付けられて、それは将来恩恵として返ってくる好循環への期待からと分析した、ということではないかと思います。
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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs
ヨーロッパの代表意見が偏りすぎな気が (スコア:0)
>その実現にはオープンソースが役立っているが、ソースコード自体やそのソースコードへの
>アクセス方法のあり方などによってその利益が生まれているという現実に興味はない
これはアメリカに限らず、消費者一般に共通する態度だと思うんだけど。
欧州でも「無料であることが最重要。ソースなんてどうでもいい。つか読めないし」という人より、
「無料であることより、ソースが自由な状態であることが最重要である。自分が読めるかどうかは問題ではない」
という消費者が多数派とは思えない。
政治家やロビイストが、政策としてそういうお題目を唱えるというなら分かるけどね。
Re:ヨーロッパの代表意見が偏りすぎな気が (スコア:2, 参考になる)
「消費者」という言葉にひきずられてるかなと思い、補足。
原文では「消費者 (consumer) 」ではなく「顧客 (customer)」と書かれています。筆者が参加したOSTTは公式ページによればCEO/CIO/CTOクラスの人間、法律家、投資家などを招待して行うイベントで、筆者が「顧客」と書いているのも「行政組織や企業において導入するソフトウェアを選定するような立場の人たち」が中心かと思います。
で、全体的にそういった顧客の観点からの話。欧米対比表の各項目は短い解説が加えられていますし、いくつか引用しましょう。okkyさんが書かれたような動機も出てきます。
結論部分では要約すると「米国ではソースコードそのものや、いかにコードへのアクセスがコスト面での恩恵を生み出してきたかには関心を持たれないが、欧州の商用オープンソースコミュニティはよく理解している。結果として採用の度合いも高く、多くの事例で商用ライセンスよりもオープンソースライセンスが望まれる。こうした洗練のレベルに、いつかこちらも追いつけるといいのだが」というようなことが書かれています。
筆者は顧客側からの積極的な関与を強く印象付けられて、それは将来恩恵として返ってくる好循環への期待からと分析した、ということではないかと思います。