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絶縁体を超電導材料にする手法が開発される」記事へのコメント

  • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2008年10月15日 17時45分 (#1437917) 日記
    >電界効果トランジスタ(FET)のような構造のもので

    FETそのものです.細かく言えばその中でも最近ちょろちょろとやる人が増えてきた電気二重層FET
    というやつになります.
    #FETで超伝導というのは非常によく知られたアイディアで,例のSchönによる捏造論文の
    #元アイディアでもあります.ある種,原理的にはできて当然だったためすんなり受け入れられました.

    そもそもの電気二重層というのは,例えば電解質溶液中に電極を入れ正電圧をかけると,その表面には
    負電荷を持ったイオンが寄ってきて張り付き,オングストロームからナノメートルレベルの距離で
    正負の電荷がペアになった状況となりますが,こういうものを指します.身の回りですと電気二重層
    キャパシタなどが広く使われており,いわばコンデンサの電極間隔がナノメートルになるわけで,
    膨大な電気容量を持ちます.例えば普通の電解コンデンサ(容量がμF)と同じサイズで容量の単位が
    Fだとかそういう感じで,文字通り桁が違います.(電池には及びませんが,かわりに高速応答が可能)

    これと同じ構造を試料表面に作る,つまり電解質と試料が接した状態で試料に電位をかけると表面に
    電解質がくっつき,これの作る局所電場によって界面にキャリアが注入されます.単なるFETと比べて
    有利な点は,非常に近接した距離に多数のイオンが吸着できるため,局所的には通常のFETでかける
    場合に比べて非常に大きな電場をかけることが可能な点です.このため,物質の相を(薄い界面のみ
    とはいえ)絶縁層からかなり大きく離す(通常のFET構造では絶縁破壊が起きてしまいかけられない
    ような大きなゲート電圧をかけることに相当)ことが可能となるわけです.

    また,絶縁相と超伝導相が隣接しているのはよくある話で,新規の超伝導体を探す人たちは大抵
    絶縁体にちょっとだけキャリアをドープ(よくやるのは化学的手法.今回のは電気的手法)して
    超伝導相が出てこないか調べます.大抵の超伝導相はぎりぎり絶縁化するあたりに存在しますので.
    #圧力をかけていくとかドープ量を増やしていくと,絶縁相->超伝導相(大抵狭い)->金属となる.
    #電子が安定しきった金属状態よりも,殺るか殺られるか,そういうぎりぎりの殺伐とした状況が
    #超伝導に向いています.

クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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