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実はこれ、「カフェイン摂取した後に動き回ったら餌が減らされる」というのをマウスが学習したために、「わざと動き回らなくなった」現象です。その証拠としてこういう、行動の結果がデメリットにつながるような実験系(2での設定の仕方)だけで見られます。こういうのを「行動耐性」と呼びます。「耐性」という名前から紛らわしいのですが、薬の効き目自体が変わったことによるわけではないので、薬理学的メカニズムを伴った「耐性」ではありません。 つまり、A1受容体などについての知見が出てくる前の(薬理学の教科書なんかで採用されてきた)考え方だと、「カフェインの中枢作用には代謝耐性も組織耐性も生じない=耐性を生じない(行動耐性は出るケースがあるけど、それは耐性とは呼べないしね)」という扱いでした。それが現在は「いくつかの経路では組織耐性も出るけど、主要な経路の一つは耐性を生じないので、全体としては耐性にならずに効き続ける(せいぜい、部分的な耐性に留まる)」ということになってきてます。
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私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson
どうやら体感出来そうに無い (スコア:0)
朝、起きて最初に飲むのも珈琲です。
日中も二時間に一度ぐらいは珈琲を飲んでます。
12時間も間が空かないので、常時カフェインが入ってるのかも、
Re: (スコア:0)
# いざと云う時に、カフェイン錠剤(エスタロンモカとか)を飲んでも効かなかったりして。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:5, 興味深い)
カフェインの作用のうち、少なくとも中枢興奮作用については、薬理学の教科書なんかでも「耐性はない」と記載されてることが多いと思います。この中枢興奮作用ってのは、ヒトだと計算なんかの効率を上げたり(特に単純計算の繰り返し等で、頭脳労働の疲労を軽減する)、目を覚ましたりする作用で、マウスなどの動物実験では特に自発運動量の増加あたりを指標にして測定するんですが、これらについては、連用していても効果が低下することはない…すなわち「耐性があらわれない」部類に当たります。
Re:どうやら体感出来そうに無い (スコア:5, 興味深い)
>カフェインの作用のうち、少なくとも中枢興奮作用については、薬理学の教科書なんかでも「耐性はない」と記載されてることが多いと思います。
この「耐性はない」と言われていたことの根拠ですが、耐性には「代謝耐性」と「組織耐性」という二つの主な機構が知られてまして、そのどちらもカフェインでは生じていないから、というのが理由になってます。
代謝耐性は、ある薬剤を投与しつづけてるうちに、主に肝臓などでその薬剤を分解する酵素の活性が上昇することで、体内での分解が促進されることで薬剤の体内濃度が速やかに低下するために効かなくなる、というものです。実は、カフェインには肝臓や腎臓でCYP1A(チトクロムP450の一種)などを誘導する作用があるのですが、連用によって増強されることはないため、代謝耐性は生じないと考えられてます。
組織耐性は、実際の標的組織で生じる耐性機構で、これは例えばその薬剤の受容体の数が増減するような変化によって、薬剤の効き方が低下するものです。これについてもカフェインでは起こらないと言われてました。実際、A2A受容体には変化がないようなのですが、実は慢性投与によって、アデノシンA1受容体やアセチルコリン受容体(ニコチン作動性、ムスカリン作動性)の発現レベルの増加が起こりうる、ということが最近示されてきてます(受容体の数が増えると、それを阻害するにはより多い量のカフェインが必要になります)。カフェインの部分的耐性にはこの機構が関与してるのではないかというのが、最近の考え方になってます。
もう一個「行動耐性」というものがありまして……実はカフェインでは動物実験によっては、この行動耐性が見られるのですが、これは薬剤に対する「耐性」ではありません(ややこしい名前なんですが)。これは、こんな感じの実験系で見られるものです。
実はこれ、「カフェイン摂取した後に動き回ったら餌が減らされる」というのをマウスが学習したために、「わざと動き回らなくなった」現象です。その証拠としてこういう、行動の結果がデメリットにつながるような実験系(2での設定の仕方)だけで見られます。こういうのを「行動耐性」と呼びます。「耐性」という名前から紛らわしいのですが、薬の効き目自体が変わったことによるわけではないので、薬理学的メカニズムを伴った「耐性」ではありません。
つまり、A1受容体などについての知見が出てくる前の(薬理学の教科書なんかで採用されてきた)考え方だと、「カフェインの中枢作用には代謝耐性も組織耐性も生じない=耐性を生じない(行動耐性は出るケースがあるけど、それは耐性とは呼べないしね)」という扱いでした。それが現在は「いくつかの経路では組織耐性も出るけど、主要な経路の一つは耐性を生じないので、全体としては耐性にならずに効き続ける(せいぜい、部分的な耐性に留まる)」ということになってきてます。